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「本当にそれが選挙なのか」AKB総選挙とお笑い芸人の価値観


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※画像:『AKB48総選挙公式ガイドブック2011』/講談社より

 ナインティナインの岡村隆史が、自身のラジオ番組でAKB48総選挙を「ゾッとする」と言い話題になっている。岡村は、9日に放送された『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)でAKBの総選挙システムを「逆ホスト」と分析。「僕だけでしょうか? ゾっとしているのは。CDをぎょうさん買ってね。1位の人がセンターになって。しかも、お触りって言ったら握手くらいなもんでしょ?」と語り、ネットユーザーらは激しく反応。賛否入り交じった展開を見せている。

 さらに岡村はプロデューサーである秋元康に話を向け、「何がスゴイって、秋元康さんが1番スゴイんです。おニャン子やって、AKBやって。いつまで時代の中心におるんだってことですよ」と賞賛。しかし、岡村は自身がおニャン子クラブの大ファンだったことから、将来裏切られるファンが出てくることを危惧。「結局、秋元康さんもやで。秋元康さん、高井麻巳子。後藤次利さん、河合その子やろ? 子供のころ分からへんやったの。新田恵利が一番人気やのに、なんで河合その子が最初にソロデビューしたのかって。それは......チョメチョメ」と話し、言い方が悪いと前置きしながら「タレですよ......」と河合その子と後藤次利の男女関係を皮肉っていた。

 また、おぎやはぎも自身のラジオ番組でAKB48の総選挙を「キャバ嬢」だと指摘する。選挙の途中だったため、大島優子が1位という速報に対しての意見だが、矢作兼は、「1位大島優子で1万7,000。2位が前田敦子でしょ。キャバ嬢でいうところの、指名するお客さんはそんなに居ないんだけど、太い客をつかまえているという......。10人くらいしか指名する人はいないのに、1人1人が太い。逆に、100人指名する人がいるんだけど1人1人はあんまりお金を使わないみたいな」と総選挙のシステムをキャバクラに例えながら話した。

 岡村や矢作は、AKB総選挙が「本当にそれが選挙なのか」という単純な疑問を含みながらも異様な盛り上がりを見せる様子に対して疑問を抱く。「逆ホスト」や「キャバクラ嬢」と彼らが指摘するのは、至極当然のことと言える。だがその疑問に対して、総選挙で2位になった大島優子は堂々とこう述べる。「投票券を何枚も買って、本当に総選挙と言えるのか。選挙は1人1票じゃないのかって。でも私たちにとって、票数というのはみなさんの愛です」と。批判そのものを真っ向から受け止めた大島の言葉は、各種メディアで取り上げられ、その潔さには多くの人が好意的な印象を抱いているようだ。

 そもそも選挙などと銘打ったとしても、アイドルの人気投票であることに変わりはない今回のAKB48総選挙。いちいち意見することの方がやぼだという声は大きいだろう。が、人気お笑い芸人が、自分たちもテレビなどで共演しているアイドルの行っているイベントに不信感を抱いたのは事実。ただ眺めてればいいものを、なぜ彼らは言う必要もないことを言ったのだろうか。

 そこには"選挙"というものに対するお笑い芸人特有の反応があったのではないか。いくらアイドルの人気投票とはいえ、選挙というシステムで行われたイベントには、勝ち負けという明確なラインが引かれている。誰がどのポジションで、ここまではメディアに出られるとか出られないなど。勝てばすべてを手に入れ負ければ何も残らないという非情さは本物の選挙と同じだ。それでも大島がコメントしたように「1人1票」の原則をないがしろにした総選挙は選挙でもなんでもないという意見は多い。岡村や矢作もそのことについて発言している。それでも、彼らの指摘する上客主義のような選挙は本物の選挙でもよくある話とも言えるのではないか。

 例えば民主党には日本労働組合総連合会がいて、自民党には日本経済団体連合会や日本医師会がいる。公明党には創価学会など、各党にはそれぞれに業界団体など固有の組織が付いている。そしてその1組織で何万何百万という組織票を得、当選議員を増やしているのが本物の選挙というやつだ。これは、1人が何百枚もCDを買い投票しているAKBの総選挙と何も変わらないのではないだろうか。

 これほどの支持を獲得したのだから、これだけの影響力は行使してもいいだろうというように、選挙とは権力の裏付けと言える。中世ヨーロッパで発生したピエロやコントというのは、当時の権力者を揶揄することで市民から圧倒的な人気を得た。僧の説法から派生したと言われている漫才は、江戸時代に入り幕府や武士をからかい庶民の笑いを生んだ。つまり、お笑いというものは権力に抵抗するものなのだ。

 今回、AKBの総選挙にお笑い芸人が不信感を抱いたのは、選挙というキーワードから連想される権力に対してだったのではないか。勝ち負けや、明確な数字では現れない価値観で生きている芸人には、選挙というものは、誰がどんなふうに行っても異臭のするものなのかもしれない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
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次の選挙では何人ここにいるのかな?

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