世界のセックス豆知識

朗報! 性欲減退に悩む女性の特効薬とは?

<アメリカ発>

 とかく日本の男性は結婚後の浮気率が高い、と思われがちであるが、あながちそれは男性の責任ばかりとも言えない。「子どもを産んでから2年ぐらいはセックスしてない」「ダンナとはする気になれない」などという発言を、私自身友人から何度も聞いたことがある。そんな状況で浮気された(または妻側が浮気した)場合、これは夫婦間の精神的・肉体的コミュニケーションがきちんと取れていない、というのが一番大きな理由であろう。

 さて、そんな時にどうしたらいいか? 男女とも、カップルの間で「性欲の減退」という問題が持ち上がってきたならば、まずは2人でオープンに話し合ってみることをお勧めする。特に女性側の性欲減退というのは、心理的な問題であることも多いというからだ。

 テキサス州にあるテキサス大学オースティン校とベイラー大学の心理学科が共同で行ったリサーチによると、性欲の減退を訴えて心療内科を訪れた患者に、治療法として「プラシーボ」(治療効果も副作用もないニセ薬)をランダムに選んだ患者に与えた場合、その3分の1が治療に「効果があった」ことを報告したという。

 特に、プラシーボ投与の開始後、最初の4週間が最も「治療」に効果があったと報告されている。そう、つまり嘘も方便ということで、「治療を受けている」という心理的効果のみで症状が改善したのである。そしてその心理的効果というのは、カップルが一緒に、投薬を含む症状改善を模索している最中、精神的・肉体的に近くなることから来ると思われる、とリサーチでは報告されている。セックスの場合、気分的に盛り上がるだけで普段より興奮度が高くなる、というのは誰でも経験済みであろう。

 パートナーとの性に関するオープンなコミュニケーションを恥ずかしがる傾向にある日本女性の場合はなおさらだ。最近彼が、夫が誘ってくれないが、セックスをしたくても自分から言いにくい……。そんなふうにして、恋人たちや夫婦の間にはすきま風が吹き始め、関係は冷たくなる。そして、その結果として浮気の芽が出てくることもあるだろう。

 性欲の減退、というのは男女ともに由々しき問題であることをきちんと理解しておいたほうがいい。もしかしたらそこには「鬱」など身体的、肉体的な隠れた問題があるのかもしれないのである。アメリカでは女性側が性欲減退などの問題を抱えると、婦人科、または精神的に問題がある場合は精神科医にかかって、治療法の相談をしたり、投薬治療を受けたりすることが一般的だ。しかし、大体の場合そこには特に大きな問題はなく、カップル同士での盛り上がりに欠けるとか、コミュニケーションが取れていなかっただけ、ということが多い。

 だからといって、男性が女性にニセ薬を与えたりするのではまったく意味がないどころか危険なのでご注意を。心を開いたコミュニケーションこそが、男女の仲をより親密にするのである。 
(文=相馬 佳)

『人はなぜSEXをするのか?―進化のための遺伝子の最新研究 』著:シャロン・モアレム

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