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そのままのキミでいて! 日本が整形大国にならないワケ


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*イメージ画像: 『整形美女』著:姫野カオルコ/新潮社

「日本人女性と韓国人女性では、どちらが美しいのか」

 この日本人男性なら誰もが(?)気になる疑問について、アジアより遠く離れたアメリカのネット上で議論が巻き起こっている。

 ことの発端は、世界中の美男美女だけが登録できるSNS「ビューティフルピープル」(http://beautifulpeople.com/)の発表した統計だ。このサイトには厳しい外見審査があり、新しく会員になるためには、既存会員の投票によって認められなければならない。

 ビューティフルピープルを運営する最高経営責任者、グレッグ・ホッジ氏の発表によると、日本人男性の入会率は15%で、日本人女性の入会率は28%だという。一方、韓国人男性の入会率は18%、韓国人女性は29%と、ほんのわずかながら日本人よりも入会率が高い。

 この発表から、ソウル新聞をはじめとする韓国のメディアは「韓国人の『容姿競争力』は日本人よりも優れている」と報道。米国のニュース系ブログも「日本人よりも韓国人の方が美しいことが証明された」とこの内容を取り上げている。

 しかし、当のブログの記事についたコメントは、この意見に真っ向から反対するものがほとんどだった。

「日本人にも韓国人にも、等しく美しい人はいる」
「たかだか1~3%の違いなら、ちょっとした誤差に過ぎない」
「天然の美しさでない(=整形した人を含む)のであれば、その統計は間違っている」

 さて、韓国に美男美女が多いとして、その裏にある整形率の高さからは目を背けられないだろう。韓国は美容整形が盛んで、整形手術への抵抗が少ない。ソウルに住む18歳以上の女性、810人を対象にした2007年の調査では、72.6%が「必要であれば美容整形をするべき」と答えている。さらに25~29歳の女性のうち、61.5%が整形手術の経験があるという。しかし、韓国における整形の普及には、安価で手術を請け負う、違法業者の存在も大きいのだ。

 今月初め、朝鮮日報は「韓国のアイドルはその9割が、デビュー前に大工事をしている」と報じた。記事によると、韓国のテレビ番組に出演しているアイドルの90%が美容整形をしており、一部のプロダクションは「タレントとして成功する確率を高める」という理由から、整形手術を強要しているという。しかし、若いタレントレッスン生の受ける安価な整形は、副作用がどれだけあるか分からない。また、その時々の流行に合わせて、同じ場所を何度も手術するケースもあるというのだ。

 韓国で美容整形というと、日本のテレビ番組でもたびたび紹介されている「扇風機おばさん」を思い浮かべる人もいるだろう。歌手志望だったが、美しさへの病的なこだわりから顔の整形を繰り返し、最終的には顔がパンパンに膨れてしまった女性のことである。目先の美しさを得るために危険な綱渡りを繰り返すアイドルたちは、いつ顔面が崩壊してもおかしくないのだ。

 一方の日本の整形事情だが、若い世代ではそれなりに整形への抵抗感は薄れているものの、依然ネガティブな印象は拭えていない。

 「芸能人の整形疑惑」といえば、ゴシップ誌の花形記事だ。また、流行りの「プチ整形」は、ヒアルロン酸の注射など、メスをいれない簡単なものがほとんど。劇的な「顔面改造」は一般に浸透していない。

「日本には古来から、自然のままの状態を最も美しいとする美徳があります。日本で整形がそれほどまで浸透しない理由は、日本人の天然嗜好にあるのではないでしょうか」(芸能ライターU氏)

 また、U氏は最近の芸能界のトレンドも、自然派志向になりつつあるという。

「先日、二回目の総選挙で話題となったAKB48ですが、彼女らの魅力は『クラスに1人は居そうな可愛さ』にあります。まぁ、中には整形疑惑を持たれている娘もいるようですが、ほとんどが化粧とダイエットの結果でしょうね。整形で顔面に大改造を施しているような娘は数人しかいませんよ」(U氏)

 日本人は今、頑張れば手の届きそうな外見のアイドルに魅力を感じている。これはすなわち「親しみやすさ」と同義だろう。

「視聴者への『親しみやすさ』を売りにしているのは、女性アイドルだけではありません。今やポストSMAPの位置にいる嵐は、『普通のイマドキ男子』といった雰囲気で高い好感度を得ています」(U氏)

 だがこの傾向は、芸能界全体としては不本意なものかもしれない。

「TVタレントに地味さやおとなしさを求めるのは、景気の悪さがモロに出てますよね。バブルの頃は日本中がイケイケムードで、TVに映るアイドルもみんな華やかだった。今のご時世でそんな華やかなアイドルが登場しても、若者はみんな冷めた目で見ちゃうでしょう」(U氏)

 考えてみるに、整形手術が一般に普及したのはバブル期のことだった。大がかりな整形手術が流行しないワケも、家計にそれだけの余裕がないという現実的な理由が見えてくる。しかし、整形によってその時々のトレンドに合わせた顔つきが、それから先、魅力的に映るかどうかは疑問だ。韓国のアイドルのように、流行を追って整形を繰り返しては、顔面崩壊は避けられない。

 また、最近は「ブスカワ」系という嗜好が徐々に一般化しつつある。時代の流れと共に「美しさ」の基準は変化していくため、今の「ブスカワ」が今後一番モテる顔になるという可能性もありうるのだ。

 なにはともあれ、世間一般でいう美しさと、個人的な趣味嗜好はまったく関係ない。結局のところ好みの問題なんだから、日本人と韓国人、どっちが美しいかなんて議論はナンセンスだ。好みで言えば「そこそこアリかも」ぐらいのアイドルをガンガン応援して、守備範囲を広げておけば、どんな顔立ちの娘にも対応できていいんじゃないの!? なんて結論はいかがでしょうか。


『ぢん・ぢん・ぢん』著:花村萬月/祥伝社


これほど痛い、心に刺さる話もない。天才・花村萬月の代表作

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