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書評 『色街をゆく』橋本玉泉(著)/彩図社

吉原、大須、島原......。北海道から沖縄まで、歓楽街のいまむかし


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『色街をゆく』橋本玉泉(著)/彩図社

 繁華街から少し離れたところにある、妖しげな雰囲気漂う風俗店街。ソープランド、ピンサロ、ヘルス、イメクラ、○○エステ、所狭しと立ち並び、偶然足を踏み入れた人は、異世界に行ったような心持ちがすることだろう。

 かつて、日本のあちこちに「赤線」と呼ばれる歓楽街があったことをご存知だろうか。吉行淳之介の小説などで耳馴染んだこの言葉は、特殊飲食店街、つまり国から黙認された売春宿が集まる地域を指した。これに対し「青線」は、一般の飲食店の許可だけで非合法に売春行為を行っていた店を指す。売春防止法が完全施行された1958年に日本中から姿を消したが、ソープランドと形を変え、また密かに営業を続け、現在もその街並みを残している。

 この『色街をゆく』(彩図社)は、当サイトでもお馴染みのライター・橋本玉泉氏が、日本全国の歓楽街を練り歩き、歓楽街の現在とその変遷を綴った本だ。北は北海道・ススキノから、南は沖縄・真栄原まで、19の色街を紹介している。街の様子や店の雰囲気、土地ごとの性格などが事細かに記されていて、単なる風俗案内を超えた味わいがある、紀行文ともいえる一冊だ。装丁のネオン輝く歓楽街の写真が幻想的で美しい。

 戦後、大いに発展した歓楽街だが、1958年の売春防止法、84年、05年の風営法大幅改正と、法律が変わるたび、取り締まりの対象となり、営業形態を変化させてきた。具体的なところだと、最近はデリヘル・ホテトルの増加が挙げられる。時代の変化に対応出来ず、火が消えたような状態になった歓楽街も少なくない。特に2004年の警察による「浄化作戦」以後、埼玉・西川口や横浜・黄金町のように、壊滅的打撃を受け、かつての色街の痕跡がほとんど消えてしまったというケースもままある。この『色街をゆく』は、消えつつある歓楽街の記録であり、貴重な資料である。手に取って、歓楽街の「いま・むかし」を覗いてみませんか?
(文=平野遼)

橋本玉泉(はしもと・ぎょくせん)
1963年横浜市出身。フリーライター。事件や世相などに関するルポのほか、歴史・文化、民俗・庶民生活、性風俗などについての記述も多い。最近は『紙の爆弾』『リアルスポーツ』など紙媒体のほか、当サイトで性に関する習俗、話題、事件についても執筆。

『色街をゆく』橋本玉泉(著)/彩図社


そういえば、西川口にソープ増えてるね

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