これが彼女の見つけた道 一ノ瀬文香インタビュー

29歳・レズ・アイドル「セクシャルマイノリティの人たちに少しでも勇気や可能性を!」


DSC03851.jpgレズビアンをカミングアウトしたアイドル・一ノ瀬文香さん

 

 今年4月に、「FLASH」(光文社)誌上にて、レズビアンであることをカミングアウトした一ノ瀬文香さん。女優、グラビア、タレントと幅広く活躍していたが、カミングアウト後は、さらにネット漫画の原作や、セクシャルマイノリティ関連の活動も本格化させ、より意欲的に。現在は、11月21日に発売される、自らプロデュースしたDVD『Seku-Mai』(FTPレーベル)のプロモーションに大忙し。そんな一ノ瀬さんの、素顔に迫った。

──まずはやはり、レズビアンであることを意識したのは、いつ頃だったのか、といった話からお願いします。

一ノ瀬文香(以下、一ノ瀬) 明確になってきたのは、19~20歳くらいですかね。新宿二丁目に遊びに来るようになって、ミックスバーでバイトするようになって、ですね。

──わりと遅いんですね。


一ノ瀬 事実からだんだん自覚していったタイプなんですよ。

──最初のきっかけは?

一ノ瀬 高校一年のときの学校行事の泊まり込みで、一緒の部屋で寝ていた女のコとヤっちゃったんです。ふざけてイチャイチャしていたら、本能的にスイッチが入ってしまって、イカせ合ってしまったというか(笑)。

──いきなりイカせるってのもスゴいですね(笑)。その後は?

一ノ瀬 高3のときの大恋愛の相手も女性だったんです。でも、自分がレズビアンだと気付くというよりも、そのコが好き過ぎて、どうしたら付き合えるかとか、そういうことにすごく悩んでいましたね。その恋が終わったときに、ふと大学のパソコンを使って”レズ”って(単語を)ネット検索したら、新宿二丁目のビアンバーが1軒だけ出たんです。その日のうちに、よし行くぞ! って。それからです。

──男性との交際経験はまったくなし?

一ノ瀬 あるんですけど、キスやハグ以上には、どうしても進めなくて。高3のときの大恋愛の後も、”男性とヤってヤル!”って思って、当時、友達だった男性を脱がせて、いろいろとひと通り触ってはみたんですけど、やっぱり無理で(笑)。彼には、本当に申し訳なかったと、今でも謝りたい気持ちでいっぱいです。

──カミングアウトされたのは、どうして?

一ノ瀬 マネジャーに、「いっちぃ~さぁ、セクシーなポーズとかはすごく頑張ってくれていていいんだけど、もうちょっと柔らかい表情とかできない? エッチをしているときを思い出してさぁ」みたいなことを、何度か言われるようになったのが、きっかけですね。「そう言われても、エッチしているときって、大体攻めてるからな~」とか思って(笑)。

──一ノ瀬さんは、いわゆる”タチ”なんですね。

一ノ瀬 そうなんですよ。で、「私は、基本タチですけど、グラビアは大好きな仕事だし、雑誌などで勉強して、できるように頑張ります」っていう雰囲気で、わりとサラッと伝えたつもりだったんですけど……。

──相手も驚いたでしょ。

一ノ瀬 みたいですね(笑)。で、やっぱりお仕事が好きで一生のものにしたいなって思うようになって、ウソをつくのもイヤだし、これは個性だし、私がカミングアウトしてイキイキと仕事をしていることで、セクシャルマイノリティの方々に少しでも勇気や可能性を感じてもらえたらいいなと思って、公にもカミングアウトすることにしたんです。

──メンズサイゾーでは、8月にグラドルの藤原夏姫さんが、やはり同性愛者であることをカミングアウトされています。

一ノ瀬 拝見しましたよ。私のことも知っていてくれて、お会いしたいとおっしゃっていたらしいので、とても嬉しかったです。私も、是非、お会いして、いろいろなお話をしてみたいですね。

──カミングアウトされてから、何かお仕事への取り組み方は変わってきましたか?

一ノ瀬 より自然に自分らしくお仕事ができるようになった、というのは確かにあります。だから、(このカミングアウトは)自分としては大成功だと思っているんです。だけど、皆さんにそう認めていただけるように、もっと頑張っていかないといけないなと思っています。

──今度のDVD『Seku-Mai』は、すべてご自身で”自分らしく”プロデュースされたと聞いています。


seku-mai.jpgDVD『Seku-Mai』

 

一ノ瀬 そうですね。もちろん、あらゆる方に見てもらいたいんですけど、いままでのグラビア系DVDとは違うものを作りたくて、男性が求めるエロスというより、キレイでオシャレでセクシーに。女性がステキだなと思えるような作品にしたくて、ジャケットのデザインや衣装、撮り方なども考えて作りました。

──最後に見どころをお願いします。

一ノ瀬 全部です(笑)。本編は、”現在、過去、未来”の自分を象徴するようなシーンと、ナレーションで構成して、特典映像では、本編の撮影にご協力いただいた、新宿二丁目のお店や、ウーマンオンリーイベントを取材していて、セクシャルマイノリティの方々もたくさん出演してます。プロデュースから、すべての交渉をほとんど自分でやらせてもらった意欲作なので、是非、ご覧いただきたいですね。

●一ノ瀬文香(いちのせ・あやか)
年齢:29歳/身長:158cmスリーサイズ:B90(Fカップ)・W58・H84/07年デビュー。今年の4月、「FLASH」誌上にて、同性愛者であることをカミングアウト。さらに8月に、年齢詐称もカミングアウトしたことで大きな話題に。中学、高校美術教員免許を持ち、つい一年ほど前まで、塾で数学講師を務めていたという才女でもある。

★11月14日(土)新宿二丁目仲通り「ALAMAS CAFE」にて、一ノ瀬文香プロデュース・公開ネットラジオ番組放送(20~22時)。

DSC03168.jpg11月29日まで、新宿二丁目「CoCoLo Cafe」にて、『Seku-Mai』ギャラリーを開催中。
11月21日発売のDVD『Seku-Mai』の本編からの厳選ショットや、赤ちゃん時代や
二丁目でのバイト時代の秘蔵ショットも初公開。
11月21日(土)には、女性限定『Seku-Mai』発売パーティーも自身でプロデュース。
詳しくは、「いっちぃ~こと一ノ瀬文香のHR」へ。

 

★原作を担当した、レズビアンに気付いてからカミングアウトにいたる過程を描いた漫画「REAL BIAN」はウェブ漫画サイト「漫画ゼロワン」でも好評

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