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井口昇監督の異形愛が正常昇華! ギリでデートに使える映画『ロボゲイシャ』公開!


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美人の姉・菊奴(長谷部瞳)の陰に隠れ、いつも目立たないヨシエ(木口亜矢)だったが、
秘密組織「裏ゲイシャ」に入ることで潜在能力を 爆発させていく。
(c)ロボゲイシャ製作委員会2009
   排泄物まみれのキワモノAVから、一般向けのアクション映画まで、B級スピリッツあふれる独自の世界観で作品を量産する奇才監督・井口昇。全世界にその名を知らしめた、前代未聞の女子高生スプラッタ『片腕マシンガール』から、およそ1年。前作ではセーラー服を血に染めた彼がふたたびやらかす、最新作『ロボゲイシャ』誕生の秘密とは──!?

──前作『片腕~』に比べると、今回はかなりマイルドな仕上がりでしたね。

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才気溢れる天才クリエイター・井口昇監督

井口 それはもう、最初からそういうオーダーだったんで。同じ路線だけど、血があんまり出なくて、あわよくばシネコンにもかけられるような一般性のある作品にしてほしいって(笑)。

──そこで選んだ題材が「芸者」。コレはなんでまた?

井口 ちょうど前作には登場させてなかったし、単純に「芸者がロボットになって、カツラから銃が出てきたら、おもしろいだろうな」と。それくらいの軽い発想ですね。もちろん外国の方にとってのニッポンが、いまだに"フジヤマゲイシャ"だってこともありますけど。

──血まみれ描写が少ないぶん、娯楽要素はテンコ盛りでした。

井口 僕はふだんから「こういう映像を撮りたい!」ってのをまず思いついて、それをストーリーとして結びつけるにはどうしたらいいかってことを考えるんです。で、今回の場合は「芸者がロボで、足がキャタピラになる」ってのが最初にあって、次に「女の子たちの集団が少林寺みたいなのをやる」ってのを思いついた。さらにそれとは別に、前々から「会社のお偉方が謝罪会見で、おじいちゃんおばあちゃんを皆殺しにする」っていう映像を撮りたいなと思ってて......。皆殺しありきでつなげてみたら、結果こうなってしまったという(笑)。

──ニュースでよく見かけるあの光景は、確かに滑稽だったりしますからね。

井口 頭下げたら肩から銃が出て、ガンキャノンみたいにマスコミとか撃ったらおもしろいだろうなって、いつも妄想してたんですよね(笑)

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(c)ロボゲイシャ製作委員会2009

──映画ではそれらが見事に融合&具現化されていたわけですが、もうひとつ"井口ワールド"を語るうえでハズせないのが、異形のモノへのフェチっぷりです。

井口 まぁ、今回は最初からそんなにグロテスクにするつもりはなかったんですけど、キレイに上げておいて、いかに壊すか。そのくりかえしはやりたいなとは思ってましたね。主演の木口亜矢さんはもちろん、姉役の長谷部瞳さんなんかも、ふだん化粧品のCMに出てるようなキレイな方。そんな女性を『ライダーマン』(※1)みたいにしてしまうんですから、やっぱりそこにはカタルシスを感じちゃいますよね。

──そういう感情に目覚めたのはいつごろですか?

井口 小学生のころから、すでに"カッコ悪いもの"への愛着はありましたね。王道も好きなんだけど、『トリプルファイター』(※2)とか、『グリーンマン』(※3)とか、造形が中途半端にダメな低予算ヒーローも大好きみたいな(笑)。お母さんが安いからって買ってきた『ザクラマン』(※4)の超合金も好きでしたし。

──だからこそ、劇中の城型ロボも昭和な雰囲気なわけですね?

井口 今後、世のなかはどんどん『トランスフォーマー』みたいなリアルな造形を追求していく方向に進んでいくと思うんですけど、僕らの世代のロボットと言えば、やっぱコレだろと。小学生が描いたような腕が蛇腹で、ビス止めだったりするロボ。そういう描写に美女をはめこむことにこそ、こだわらなくちゃいけないってのはありましたね。

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(c)ロボゲイシャ製作委員会2009

──そのへんのこだわりは、過去に撮られた『肥大化性器少女』をはじめ数多のAVにも一貫して感じられます。

井口 フロイトの学説のなかに"肛門期"ってのがあるんですけど、僕の発想はいまだにそのレベルだと思うんですよね。幼児がくちびるの次に性的な興味を持つのが肛門だっていう。自分の興味のあるもの、エロを感じるものを撮ろうとすると、どうしても幼児性のかたまりみたいなものになってしまう。浣腸にしても、いくらマジメな顔で「よぉし、入れてやるぞぉ!」とか言ってても、客観的にはただ「ウンコを我慢させてるだけ」ってことがおもしろい。すごく"カッコ悪いこと"にエロを感じちゃうんですよね。

──ご自身の興味の対象は、つねに幼児性の延長線上にあると?

井口 そうですね。だから、AVよりむしろ、一般作を撮るようになってからのほうが、自分の好きなことをできてるって部分はありますよ。今回でいえば"お尻刀"なんて、思春期妄想以外のなにものでもありませんし(笑)

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『古代少女ドグちゃん』
(MBS/毎週水曜・深夜1:25~)
(c)古代少女製作委員会

──では、これからもそのスタンスは崩さず?

井口 今回の『ロボゲイシャ』は、いい意味で自分の分岐点になる作品なので、ここから先は慎重にやらなきゃなとは思ってますよ。当然、自分のなかにはやりたい作品もありますけど、仕事としていろんなジャンルに挑戦したいってのはありますから。それに、撮影期間が2週間以上の現場ってのもそろそろ体験してみたいことですしね(笑)。

 10月7日からは、ご本人いわく「ちょっと後味の悪い、実写版『うる星やつら』」な深夜枠の連ドラ『古代少女ドグちゃん』(MBS/毎週水曜・深夜1:25~)のオンエアもはじまり、新作も続々待機中だという井口監督。ブレイクの予感ただよう"井口ワールド"をまだ体験したことがない諸君には、その入門編として、なるはやで『ロボゲイシャ』を観ておくことをオススメしたい!
(取材・構成/鈴木長月)


※1......毎日放送系列で73年に放送されていた『仮面ライダーV3』に登場するサブヒーロー。右腕のみ改造、口の部分が露出した仮面ライダー風のヘルメットを被り闘う。
※2......TBS系列で72年に放送されていた、円谷プロダクション製作の特撮ドラマ。その後、テレ東が『戦え!トリプルファイター』として再放送。
※3......『行け!グリーンマン』。73年、日テレ『おはよう!こどもショー』内の5分枠で放送されていた特撮ドラマ。
※4......ミニカーなどを扱っていたB級おもちゃメーカー『サクラ』から発売されていた、リーズナブルな超合金。

『クルシメさん/アトピー刑事 愛の井口昇劇場 1988-2003』


井口監督の原点

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ロボゲイシャ
監督・脚本/井口昇 特殊造形監督/西村喜廣 VFX監督/鹿角剛司 出演/木口亜矢、長谷部瞳、斎藤工、生田悦子、くまきりあさ美、中原翔子、亜紗美、泉カイ、志垣太郎、松尾スズキ、竹中直人 配給/角川映画 PG12 
10月3日(土)よりシアターN渋谷にてロードショー、ほか全国順次公開 

●井口昇(いぐち・のぼる)
1969年東京都生まれ。8ミリ作品『わびしゃび』(88)がイメージフォーラムフェスティバルで審査員賞を受賞。舞台、映画、テレビ、アダルトなど多彩な現場で類い稀なる個性を発揮する。主な監督作品に『クルシメさん』(97)、『恋する幼虫』(03)、『まだらの少女』(05)、『猫目小僧』(05)、『おいら女蛮』(06)、『卍』(06)、『片腕マシンガール』(07)など。10月からは原案・監督を務めた連続TVドラマ古代少女ドグちゃん(MBS/毎週水曜・深夜1:25~)が放送開始。また『ロボゲイシャ』は各国の映画祭に出品の予定。

●木口亜矢(きぐち・あや)
Kiguchi Aya Official Blog



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