ふぅ。
あっけなく射精してしまった。残念ながら挿入で彼女をイカすことには失敗してしまった形だ。
射精後も数分ほどピストンを続けながら余韻を味わう。その後、後処理をしてからベッドに寝転がる。
「どうだった? 本当に痛くなかったかな?」
「はい。本当に気持ち良かったです」
「でも、挿入じゃイケなかったでしょ?」
「は、はい。でもショーイチさんがたくさん求めてくれたから大満足です」
な、なぬぅ?
こちらとしては少し休んでから2回戦になだれ込むつもりだったが、いつのまにか彼女は「たくさん求められて」満足していたようだった。
軌道修正が必要だ。どうやって2回戦目を誘おうか?
悩んでいると、イクミちゃんが「そろそろシャワー浴びてきますね」とベッドから起き上がった。
彼女の口ぶりからして「2回戦前にもう一度シャワーを浴びる」のではなく、「帰宅のためシャワーで汗を流す」といった感じだった。
先手を取られてしまったらもう言い出せない。「もう1回シたい」と駄々をこねたくなったがぐっと我慢するしかない。
その後、LINEの交換を行ってから、新宿駅の改札口まで彼女を見送っていく。そして再会を約束してサヨウナラ。
その足で喫煙所に向かった筆者は、一服しながらイクミちゃんにメッセージを送ることにした。
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今日はどうもありがとう。
イクミちゃんのおかげで凄く癒されました。そして滅茶苦茶気持ち良かったです!
また機会があれば是非会いたいです。
イクミちゃんに誘ってもらえたら、いつでも時間を作るので気軽に連絡してください。
では!
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煙草を吸いながら彼女の返信を待つ。そして数分後、LINEメッセージが届いた。
どんな返信なのかドキドキしながらスマホを確認する。
「Thank you!」
というスタンプだけだった。
え? たったこれだけ? それから2本目の煙草を吸いながら続きのメッセージを待ったが、何も来なかった。
きっと電車移動中だから長文のメッセージを送れないんだろう。そう納得して帰宅する筆者。
そして1週間が経過。「Thank you!」のスタンプを最後に、彼女からの連絡はない。
これはフられたのか? 様子伺いのメッセージを送ろうとも考えたが、ビビりの筆者はトドメを刺されるのが怖くて何もアクションを起こせないのだった。
(文=所沢ショーイチ)