どうやらバイトの合間に【ワクワクメール】に接続していて、それゆえ返信が遅れたようだ。
しかし、この時には次のコとの約束が成立していて、大いに迷ってしまった。
こういう時は、年齢の若い方を選ぶのがオスの本能である。
ということで、約束が成立していたコにキャンセルのメールを送り、無事にレイナちゃんとの待ち合わせが成立した。
待ち合わせ場所は、池袋駅北口の階段を上って地上に出たところ。待ち合わせスポットとして利用する人が多い定番の場所だ。ここからはラブホ街も近く、非常に便利なのである。
レイナちゃんは、約束の時間ちょうどにやって来た。髪の毛は赤茶色で、かなりトガった見た目だった。
服装こそまともだったが、ゴスロリの衣装が似合いそうな感じだ。
見た目のインパクトに押されながらも彼女に近づき、声をかけることに。
「こんばんは、レイナちゃんかな?」
「は、はい。レイナです」
「さっき【ワクワクメール】で約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
「はい。こちらこそよろしくお願いします」
近づいて彼女の顔を良く見ると、なかなかの美形だった。あえて例えるのなら、女装していたころのIZAM(イザム)といった感じだろうか?
派手な髪の毛の色とは裏腹に、受け答えもしっかりしていて、一応の常識はわきまえていそうだった。
「バイト終わったばかりでしょ? 疲れてない?」
「はい。全然余裕です」
「それは良かった。じゃあ、どうする?」
「え?」
「ほら、俺ってこんなスケベ面してるでしょ? 嫌だったらココでゴメンなさいしていいからね」
「そ、そんなことしませんよ」
「ホントに? 無理してない?」
「だって、もらった写メと同じですよ。全然大丈夫です」
「ありがとう。そう言ってもらえて凄く嬉しいよ」
こうして定番の挨拶を交わした後、二人連れ添ってラブホ街に向かって歩き始める。