オナニーがやめられなくて自殺した女性…イクイク病の恐怖

※イメージ画像 photo by starush from flickr

 米・フロリダ州で持続的な性的興奮を引き起こす病気に苦しんでいたグレッチェン・モランネンさん(39)という女性が自殺した。海外ニュースサイトが報じたもので、グレッチェンさんは23歳から病気に悩まされ、症状を緩和させることができるのは数時間にわたる自慰行為だけだったという。

 先月30日、グレッチェンさんが地元紙のインタビューに応えた記事がネット配信され、その翌日に彼女は自宅で遺体となって発見された。インタビューでは、病気のせいで仕事がうまく続けられず、恋愛でも男性の理解が得られないなどの悩みを告白し、自殺を考えたこともあると明かしていた。自殺の原因は今のところ不明だが、病気を苦にして命を絶った可能性が指摘されている。

 彼女のような症状は「持続性性喚起症候群(通称イクイク病)」と呼ばれ、近年報告例が増加しているという。約10年前に初めて報告されたこの病気は、性的興奮が数日から数週間にわたって持続するというもの。オナニーやセックスで何度も絶頂に達することで興奮を一時的に抑えられるが、数分~数時間後には再び性的興奮に襲われるのだという。何度も絶頂を求めたがることからセックス依存症や色情症と混同されることもあるが、全く別の病気で原因も分かっていない。

 性的快感や興奮が持続すると聞くとニヤけてしまう人も多いだろうが、この病気によって得られる快感は女性にとって必ずしも快楽ではなく、痛みを伴うケースもあるようだ。また、精神的にも恥辱的でグレッチェンさんのように自殺を図った患者も確認されている。

 英国では、「1日に200回もイッてしまう」という20代女性のケースが報告されている。彼女は僅かな振動でオルガスムに感じてしまう体質となり、電車の振動やドライヤーの振動、大音量の音楽が流れるスピーカーの振動などでも絶頂に達してしまうという。ブラジルでは、持続的な性的興奮でオナニーがやめられなくなり職場でも頻繁に自慰行為をしていた女性が、裁判所に訴えて「一日最高で18回まで職場でオナニーをしてもよい」という判決を勝ち取っている。前述したように病気の原因は分かっていないが、一説には薬の副作用や骨盤動静脈奇形が関係しているといわれ、米国では家庭用ゲーム機「Wii」のバランスボードから転落したショックで神経を痛めてイクイク病を発症した女性もいた。

 性的快感とつながりが強いことから、どうしても奇異の目で見られがちな病気だが、日常生活もままならなくなった本人たちにとっては笑いごとでは済まない問題。恥ずかしさから症状を隠している女性が多いとされ、日本でも隠れ患者は少なくないといわれている。彼女たちの苦しみが世間に認められ、公的にも社会的にもサポートを受けられるようにしてあげてほしいものだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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