7月21~22日にかけて生放送された『FNS27時間テレビ笑っていいとも!真夏の超団結特大号!徹夜でがんばっちゃってもいいかな?』。100kmマラソンランナーのSMAP草なぎ剛は無事時間内に完走し、いいとも出演陣による大縄跳びも目標の50回には届かなかったがなんとか40回を達成し、大団円となった。深夜にはタモリ、明石家さんま、ビートたけしのビッグスリーが揃い踏みして語り合う一幕もあり、「テレビ好き」を自認する視聴者にはたまらないワンシーンだっただろう。
一方で、『はねるのトびら』『ピカルの定理』といった同局お笑い番組に出演する若手・中堅芸人たちも大勢が参加し、明け方のコーナー「NEKASENAI STATION」ではひな壇に総勢50名近い芸人がズラリ。テレビ朝日系の音楽番組『MUSIC STATION』を模したBGMとスタジオセットに合わせて、音楽アーティスト風の衣装とメイクで登場した誰よりも、竹内由恵アナのモノマネをしていると見られる三田友梨佳の激似ぶりがアッパレだった。
インパルス堤下を「腋の下」「縁の下」とイジるなどユルい雰囲気で始まった「Nステ」だが、出演者同士の暴露合戦が始まると徐々にヒートアップ。いいともレギュラー枠で出演しているベッキーが「6~7年前の私の誕生日に、キングコング梶原雄太に口説かれた」と意外な事実を暴露すると、梶原は「正直に言います。イこうと思ってました」と、彼女を口説こうとしていたことを明かした。6~7年前といえば、梶原が一人目の妻と離婚した直後。バツイチになっても衰えない好奇心は見習いたいものである。しかしもっと好奇心旺盛なのは相方の西野亮廣のほうだったようだ。
最後のゲストとして、箱に入った状態でスタジオに登場したある女性。出演者の誰かと「深~い関係」にあるという。その「誰か」に思いの丈をぶつけたい、として彼女が語ったことには、「わたし、その人のことがとても好きなんです。でも、その人はとても人気があって、私なんかには高嶺の花のような存在なんです。いつもとても忙しそうにしていてなかなか会えないので、今日は会いに来ちゃいました」。にわかにざわつくひな壇。三田アナが「そのお相手の方はどんな方なんですか?」と突っ込むと、「ライブとかをやってる人で、その人のライブに行っても、たくさんのファンがその人に声援を送っていて。一体全国にどれくらいファンがいるんだろうっていうすごい人なんです。その人はアイドルだから、私だけのものになって欲しいと考えるなんて、おこがましい」と続ける女性。スタジオに男性アイドルは一人しかいない。そう、SMAPの中居正広である。口元に手を当て、苦い表情を浮かべる中居。「え~、大丈夫なん?」などと口々に騒ぎながら立ち上がる芸人たちだが、その頭文字のイニシャルが「N」だと暴露され、やはり中居か、と騒然となる。
中居といえば、かつて交際していた倖田來未が結婚・出産したばかり。芸能人よりも一般人女性を好むようで、中居の子どもを妊娠し中絶したという女性の暴露事件も過去に発生している。つい最近では、一部の雑誌に「人妻合コンに参加し、気に入ったセレブ風の人妻をお持ち帰りしていた」と明かされていたが、まさか人妻が……?
ところが中居が衝立の向こうを覗いて女性の顔を確認すると、そこに座っていたのは全然見覚えのない人物だった。安堵の表情を浮かべてひな壇に戻る中居と、「まさか自分のカキタレ……!?」と焦ったのか不安げに腕を組み始める芸人たち。ほかにイニシャルNの出演者は、モンスターエンジンの西森、既婚者だが千鳥のノブ、そして西野だ。この中で曲がりなりにもアイドル的な雰囲気を醸し出しているのは西野しかいない。トドメの一発として女性は「彼はよく俺のこと好きなん? って聞いてくるんですよ」「私が好き、って言うと、俺のどこが好きなん?って聞いてきて、天才なとこ、って言うとすごく喜ぶんです」と明かした。「私が毎日日記を書いてるんですけど、彼はすごく絵が上手で……」この段階で、カメラは困惑する西野の表情を捉えていた。ところがひな壇の芸人たちはノブをイチ押し!! 狼狽するノブの周囲を取り囲んで「ノブ絵うまいじゃん」とからかい、西野はポツンと取り残されてしまった。しかしカメラがたびたび孤独な西野に切り替わるので、視聴者にはすっかりわかっていたと思うが……。
そして彼女が「彼は私のお団子頭が好き」と言うと、西野自ら「僕はお団子頭がすこぶる好きです!」と宣言し、衝立の向こうを覗いて一言「なんでいるの?」。素人の彼女を見ようと芸人たちが殺到し、カメラも彼女を映そうとすると「回したらアカン!! 俺の彼女やから!」「顔出すなよ!!」と西野絶叫。ちなみに彼女は歌手の西野カナ似で濃いめメイクが印象的な美脚女性だった。その後、いきものががりの「KISS KISS BANG BANG」の替え歌で「シルエットでKISS KISS BANG BANG」が流れる中、二人は熱いキスを何度も交わし、しまいにはディープキス。西野と言えば、今年一月に植村花菜と破局し、その後、韓国ロケで番組AD女性のファーストキスを奪ったことを相方に暴露されていた。
27時間テレビでは、そのほかにも関西テレビ社員の男性が学生時代からの恋人に公開プロポーズをしたり、タカ&トシのタカが電話で交際相手の元テレビレポーターにプロポーズするよう仕向けられたりと、身内のプライベートを切り売りする場面が目立った。特にタカは生放送での婚約など寝耳に水だった様子で戸惑いを隠せなかったものの、充満する「彼女に『いいとも!』と言わせなければならない」空気に耐えかねて告白。結婚は芸人にとっても一世一代の大イベントであり、簡単に決断できるものではないと思うのだが……。こうした頑張りもあってか(?)昨年よりも高く安定した視聴率を獲得した27時間テレビ。フィナーレの22日ゴールデンタイムは21.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。視聴率低迷でスポンサー離れが起きつつある今、フジテレビ上層部はホッと胸をなでおろしたことだろう。
(文=鬼流院生姜)