女性は何故か不幸自慢をしたがる生き物だ。「うちは親が離婚しているからさ」「前の会社が倒産しちゃって給料が未払いでさ」など、確かに大変な思いをしたかもしれないが、周囲をイライラさせていることに気付いて頂きたいものだ。
女性の自慢が自虐系であるのに対して、男性の自慢は「忙しい自慢」「寝ていない自慢」がダントツのトップ。いかに自分が会社で必要とされているか、骨身を削って仕事に励んでいるかをアピールしたい、自己顕示欲系といえるだろう。
自己顕示欲系の自慢話に次いで多いのが、「遠回しなセックス自慢」。例えば、飲み会やコンパなどで下ネタトークに発展した際に、「俺って遅漏なんだよね」と憂いを帯びた表情で語る男性を見かけたことがあるだろう。遅漏は、オナニーのやりすぎや加齢などが原因で起きる、イキたくてもイケないという、非常に不都合な体質であるはずなのに、遅漏をカミングアウトする男性たちは、どこか誇らしげだったりする。おそらく彼らは、「持久力がある」ということを自慢したいのだろう。「自慢ではなく、本当に悩んでいるんだ!」という反論が返ってきそうだが、人間とは、本当に悩んでいることは、たやすく口に出したり出来ないものである。その証拠に、「俺って早漏なんだよね」とカミングアウトする早漏男性は滅多に見かけない。仮にカミングアウトしたとしても、決して誇らしげには語らないはずだ。いずれにせよ、女性陣からは、早漏よりも遅漏のほうが敬遠されるようなので(※)、遅漏話は避けたほうが無難である。
(※)早漏VS遅漏……女性陣からの軍配があがるのはどっち?
オトコたちのセックス自慢はまだまだ続く。遅漏に次いで多いのが、巨根自慢である。「コンドームがキライってわけじゃないんだけど、サイズが合わないんだよね」という、謎の持論をゴリ押しする巨根男性のなんと多いことか! 確かに、平均よりも大きいペニスなのかもしれないが、コンドームのサイズが合わないというほどではないだろう。日本のスタンダードタイプのコンドームは、16センチ以上と規格が決まっている。さらには、各メーカーの企業努力の賜物か、非常にクオリティが高い。伸縮性に優れた日本のコンドームが合わないとは考えにくい。もちろん、平均サイズをはるかに超越したペニスの男性もいるだろう。しかしその場合は、ラージサイズのコンドームを使えばいいだけのこと。コンドームにラージサイズが存在することくらい、セックスを嗜む者なら知らないはずはないだろう。以上を踏まえると、コンドームのサイズ云々……という者は、単なるデカチン自慢をしたいだけ、と思われても仕方ない。
また、「ゲイ男性に言い寄られる」という自慢もしょっちゅう耳にする。「○○駅の男子トイレで声をかけられた」「満員電車で同性に痴漢されただの」「成人映画館に行ってみたいがハッテンバになっているらしいのでうかつに近寄れない」とのことだが、こういった声をゲイ男性に伝えると、彼らは、「ありえない!」と断言する。なびく見込みのないノンケ男性に声をかけても時間のムダとのこと。彼らは、ノンケかゲイかを見分ける嗅覚が発達しているので、見間違えることはほとんどないという。ということは、「ゲイ男性に言い寄られる」というのは、本人の勘違いということになる。
フーゾク遊びに関する自慢も後を絶たない。「風俗嬢に『本気で感じちゃった』と言わせた」程度の自慢はまだかわいいほう。その逆で、「フーゾクに行っても、プレイはせずに、おしゃべりだけで帰ってくる」と誇らしげに語る男性も存在するのだ。「自分はいいお客さんである」という自慢なのかもしれないが、風俗嬢からは困惑の声が上がっている。「私に勃たないけど、チェンジとは言えないだけなのか?」「風俗店に来て何もしない意味がわからない」「何かほかに下心でもあるのか?」「会話が苦手だから水商売ではなくフーゾクで働いているのに、トークが長いのは苦痛」とのことだった。
今回挙げた、「遠回しなセックス自慢」はごく一例である。ほかにも、ツイッターやSNSなどのプロフィールに、「美チンってよく言われます」「自分の快感よりも、女性を気持ち良くさせたいタイプです」「パイチンにしています」など、謎のセックス自慢を書き込んでいる者もいるが、女性からのウケはよろしくないようなので、心当たりのある人は、自粛するべきだろう。
(文=菊池 美佳子)