距離感がわからず気づいたらゼロ距離! ナチュラルストーカー経験談

※イメージ画像 photo by candytrash from flickr

 他人との距離の取り方がわからなかったり下手だったりがきっかけで、相手に勘違いされたり、KYだと言われた経験、皆さんはあるでしょうか。人間関係を築くのが苦手で他人との距離感を考え過ぎた結果、ブレーキが壊れてストーカーまがいのことをしてしまった……。今回は人間付き合いベタの中でも特に恋愛感情が絡み、仲良くなりたい気持ちが振り切れ、自然とゼロ距離まで迫ってしまった「ナチュラル・ストーカー」の女性に、過去のプチストーカー経験を語ってもらった。

◆ちひろさん(仮名/派遣/30歳)の場合
私が中学生の頃、まだ個人情報保護法なんてなかった時代の話です。当時中学校から全学年分の生徒の名前・保護者の名前・住所・電話番号が一覧で載ってる名簿が毎年配られてたんです。その頃憧れてた部活の先輩の住所も当然載ってて。……行きましたよね、先輩の家まで。住宅街だったんですが、先輩の家を中心にぐるぐる散歩して先輩に会えるのを期待したんですが、実際会ったらなんて言っていいのかわからなくなって、2時間くらいで帰っちゃいました。会わなくてよかったですね、先輩のためにも……。あと、担任の先生を好きになったときも同じ方法で電話番号を知り、先生の自宅へ電話を掛け、先生が出た瞬間そのままガチャ切りしました。先生、本当にすみません……。

◆美保さん(仮名/大学生/19歳)の場合
大学の図書館で司書のアルバイトしてる先輩を好きになって、先輩がいる日は図書館に通ってます。1個上で私と同じ学科なのでたまに授業が一緒になるんです。出席カードを盗み見して名前を知ったり、最近はどのサークルにいるのかもリサーチ済み。何人かの友達には学内で先輩を見つけたらメールくれるよう頼んでおいて、メールが来ると走って見に行ってどの授業に出るのか探ったり。来年度、先輩と同じゼミに入れるように、先輩のいるゼミの先生と仲良くしてます。その先輩は彼女がいるみたいなので、今はその彼女の情報を集めてます!

◆未来子さん(仮名/フリーター/24歳)の場合
バイト先の好きな人がネトゲをやってると聞いて、これはチャンスだと思ってその人のプレイヤー名を聞きました。いきなり話しかけたら身バレすると思い、普段の私とは結びつかないようなキャラを作って、1ヶ月がむしゃらにレベルを上げて、そこそこ戦えるまで育成。そこからは初心者を装って彼キャラに突撃。バイト先でよく他のバイトさんと「こんな彼女が欲しい」とか「理想の恋愛」を語っていたので、彼好みの女性を演じつつクエストに行ったりチャットしてます。そのおかげで彼が「好きかも、会いたい」と言ってくれていますが、実際会って私だとネタばらししたらドン引きされそうなので、ネトゲを辞めるか悩んでいます。ネトゲから入ったの、間違いだった……。

◆亜弓さん(仮名/専門学生/19歳)の場合
好きな人がいるんだけど、専門だし同じクラスだから結構話す機会が多いのね。といっても授業のことがほとんどだけど。とにかく一言でも話したら記憶が薄れないうちにノートに会話内容をメモ。もちろん、その日の服装や髪型、他の人と話した内容も聞こえたら書くし、どこかで見かけたらその様子も記録。メモる時間はたいがい授業中だから、授業の内容が全然入ってこない! 家に帰ったらそのノートを見返してはニヤニヤして、テンションあがってるときはポエムとか書いちゃう。学校でノート落としたら死ねる。

◆ひろみさん(仮名/主婦/27歳)
中高一貫の女子校で、いわゆるお嬢様学校に通ってたんですが、女子校ってホンットにバスケ部とかバレー部所属で宝塚系のかっこいい女の子がモテるんですよ。部活は中高合同でやるんでなおさら。私もそのひとりで、中1の頃、同じ部活だった高2のヅカ系先輩が好きだったんです。ほんとに、男の人を好きになるような感覚で、さすがにキスしたいとかエッチしたいって感情はなかったけど、憧れをこじらせたみたいな感じで。先輩のクラスの時間割を職員室でゲットして休み時間には先輩が移動教室で通りそうなところを張って、偶然会った振りして挨拶するとか、別の先輩に頼んでヅカ系先輩が写ってる修学旅行の写真をもらったり、部室に置いてある先輩の私物をチェックしたり、下駄箱にラブレター入れたり。1年間ずっとそんな感じでしたが、ある日同級生の部活仲間から、「あんた、レズなの?」って吊るし上げられて……。必死になって「違う! ただの憧れ!」と弁解してるうちに憧れもスーッと冷めて、自分がストーカーどころか変態だってことに気がつきました……。

 どんなに自分好みの美少女でも、実際にやられたら怖いストーカー行為。仲良くなりたいという気持ちもわかるが、ナチュラルにサラリと好きな人の情報を収集して怖がらせるのは自粛してもらいたいものだ。
(文=三坂稲史)

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