中段、小川さゆり、白岩英里子、渋木美沙、岩田美穂
前列、南菜々子、齋藤綺咲、かの夏帆、あいか、小花、橋本あみ
テレビでは某アキバ系アイドルグループが連日お祭り騒ぎ、CSではアイドル番組のオンパレード、DVD業界ではアイドルDVDが毎日のようにリリースされ続けている。女優やタレントを目指す新人にとってこれほど、出演するメディアの数に恵まれた時代はこれまで無かっただろう。昨日デビューしたばかりのアイドルがネットでレギュラー番組を持つケースも珍しくない。
しかし、そんな時代に果敢にも舞台に挑戦する女のコたちがいる。「もしかも! もしかして私たちは究極の謎を解いてしまったのかもしれない!?」に出演する総勢26名の新人女優とアイドルたち。言い方は悪いが「演劇」ほど報われない仕事はない。長い拘束時間、過酷な練習環境、演者同志が感情をぶつけ合う、観客に「見せる・魅せる」ことへの恐怖心etc。単純に「仕事」として「お金」を手に入れる手段としてならば、彼女たちの容姿と年齢であれば、もっと簡単で楽しい方法だっていくらでもあるハズだ。しかし、本人の意思かどうかはさておき、彼女たちは「演劇」を選んだ。舞台に立ち、生で観客と接し、同年齢の多くの女のコたちが得られない「経験」を得ることを選んだ。アイドルでも女優でも、ましてや文化人でもない、その無尽蔵に広がりきった輝かしい未来を手に彼女たちは、 “今、この瞬間”に出会った仲間たちと、切磋琢磨し、友情とライバル心のないまぜになった共犯関係を結ぶ。
11月5日の舞台初日を控え、都内某所で練習に励む彼女たちの熱気溢れる稽古場に突撃した。
舞台は桃源学園の地下図書室。物語は推理SF研究会(エスケン)のメンバーらが裏山に落ちた隕石の謎を解こうとしたところ、隕石から悪霊が現れメンバーが取り憑かれてしまう。事件は大勢の個性的な幽霊と更に悪魔を巻き込み、やがて地球の未来をかけた戦いに発展していく……という壮大なSFファンタジー舞台。
取材陣がお邪魔した時、稽古場では、この作品の中でも一番の見せ場である、エスケンが悪魔と戦うクライマックスシーンの稽古中。次々と悪魔や悪霊に取り憑かれたり、殺陣もあったりと、彼女たちの練習にも熱が入る。外は冬の気配を感じる程の気温だと言うのに、稽古場では皆Tシャツ姿。誰もが真剣なまなざしで稽古に打ち込んでいた。
稽古終了後、インタビューに応じてくれたのは、あいか、かの夏帆、橋本あみ、齋藤綺咲、望月一花、たかさきゆこ、南菜々子、白岩英里子、岡田ちほ、涼木ちえみ、山咲まりな、小川さゆり、春季ひろみ、大久保叶、岩田美穂の豪華15名。まるで女子高のような雰囲気の中、「もしかも!」ガールズトークが始まった。
──稽古お疲れ様でした。それにしても凄い迫力でしたね?
橋本 まだ台詞と動きを全然覚えられてなくて……。難しいです。
──特に悪魔や幽霊にとり憑かれる役の人は大変そうですね。
山吹 実は今日が殺陣の初日だったんですけど……、これから色々勉強しながらやっていかないとって思ってます。
望月 幽霊は人間に触れない設定なので、掴もうとするんだけど、すり抜けちゃうみたいな。人間役と幽霊役で動きが違うので、その動きの混ざり合いっていうのが演じてて面白いですね。
──ちなみに皆さんの中に初舞台の人っていますか?
大久保 ハイ。私はお仕事として舞台をするのは初めてなんですけど、やっぱり他とは結構違うものがあるのかなってワクワクしています。舞台だと、もうその場で笑い声とか聞こえてきますよね? きっとまたそれが新鮮なんだろうなって思います。
「ギニュー特戦隊、参上!」とでも聞こえてきそうな二人のアドリブ決めポーズ。
緊張感で張り詰めていた稽古場に笑いが起こるが、その直後には再び集中モード。
この時、出演者らの一体感とチームワークが垣間見えた。
──怖くはないですか?
大久保 もともと緊張はしないタイプなんで(笑)。
──そう言えば、この状況で1人だけリラックスして足伸ばしてますもんね。分かる気が……(笑)。
岩田 私も初めて(の舞台)なんですけど……。というか、もう、演技自体の仕事が初めてで。今からもう緊張してて……。
小川 私は演技のお仕事どころか、こうやってたくさんの人とお仕事するってのも初めて。もう毎日毎日、新鮮なことばかりです。良い舞台にするための、そのお手伝いが出来ればなと思います。
──なんか発言が裏方っぽい(笑)。
小川 ふふふ(笑)。
──逆に舞台経験が一番多い人は? 例えば舞台経験が5回以上の人とか?
たかさき あ、はい。だって、みんなまだ若いもんなぁ……(苦笑)。
──え、たかさきさんいくつですか?
たかさき 26歳です。実はメンバーに10歳下がいるんですよ!
齋藤 え、え? ワタシ?
──断トツで一番若く見えますね。
齋藤 え~! なんでぇ~!?
一同 (うなずく)
大久保 あ、じゃ、私も16歳だから最年少。10歳も離れてたんだ……。
──これだけ年齢の離れた年下と一緒だといろいろ大変そうですね?
突然の悪霊の登場に驚きを隠せない幽霊のてい。好きな映画は「時計じかけのオレンジ」と言う白岩の迫真の表情。
たかさき テレビだと一緒に並んで映ると色々とバレちゃいそうですけど(笑)、でも舞台だと、許されるような気がしてますね(笑)。
──ある意味、地デジよりハッキリ分かりそう……。舞台は「生」ですからね。
たかさき そこは照明とか色んな舞台効果で何とか……。と、とにかく頑張ります!(笑)。
──最年長の活躍、応援してます。ちなみに物語に登場するような、心霊体験って実際にありますか?
かの ありますよ! こないだ愛知県にホラー映画のロケで行ったんですけど、そこが出る所らしくて……。ホテルの10階の部屋に泊まってたんですけど、部屋の窓の外を叩くような、ドンドン! って音がして……。
南 え、10階の窓でしょ?
かの そう、10階。それで耳を済ましたら「北西どっちですか?」って。
一同 北西って(爆笑)。
白岩 怖いけど、なんかウケる~!(笑)
春季 ちょっと悲しい話だけど私も実はあって……。お爺ちゃんが亡くなった時の話なんですけど、その直前に、お姉ちゃんが夜中にトイレに行ったんですよ、そしたらそこにお爺ちゃんがいて。お爺ちゃんとは一緒に住んではなかったんですけど、「あれ、何でお爺ちゃんここにいるんだろう」ってお姉ちゃん思ったらしんですけど、結局そのまま寝ちゃって。で、翌日お爺ちゃんが亡くなったんですよ。それで、あれはお爺ちゃんが最後の挨拶に会いに来てくれたのかなぁって。
山吹 へぇ、なんかイイ話だね。
春季 そう、ちょっとイイ話(笑)。
──みんなちゃんとあるんですねぇ。しかも、わりとしっかりとしたのが(笑)。
望月 私もちょっと……。実は陰陽師の家系の友達がいるんですよ。
一同 えー! すご~い!
望月 その友達の運転でドライブをしてると、その子が急にハンドルを切って何かを避けたんですよ。で、何かなと思って後ろを見ても何にもないんですよ。それで、「何?」って聞いたら「え、今、人いたじゃん。」って。「いやいや、誰もいないから」って言ったら、「あ、ごめん、またやっちゃった。」って。
一同 こわ~い!!
望月 なんか道に幽霊がいると見えるから避けちゃうんですって。
春季 親切?(笑)
望月 (笑)。人を乗せてる時は余りやらないんだけど、とか言ってたら、また信号待ちのところで、何かから必死で目を逸らしてる素振りをしてて、「何?」って聞いたら、「めっちゃ落ち武者見てる~!」って。
一同 (爆笑)
あいか えっと、私も。ちょっと話しづらいんですけど。
岡田 いまちょっとハードル上がったもんね。
呪われた本を手にし戸惑うエスケン部員たち。演技経験の豊富なあいかとかのが安定感ある芝居で皆を引っ張る。
あいか あのー、私もともと凄い霊感があって。普段から結構、霊と友達じゃないんですけど、なんか仲良く慣れるっていうか、何て言うのか、怖いんだけど、もうそれだったら仲良くなっちゃえばいいやってういう。
一同 えー!!
あいか それで私もホラー映画の撮影中の話なんですけど、ロケ先で一緒の部屋に泊まってた共演者と出かけてたんですね。で、私が先に部屋に帰ったつもりでいたら、その子が部屋の中にいて。で、「あれ、何でそんなところにいるの?」って聞いたら、私の後ろから本人が現れて、「え、私はここにいるよ」って。振り返ったら確かに本人で。で、もう一回前を見たら誰もいなかったんですよ。
一同 キャーッ!!
たかさき ここにもいたりして?
あいか えっと、今は大丈夫です。
橋本 今は、ってことはいた時もあるの?
あいか ないです(笑)。でも、ここのトイレ怖いですよね。
山咲 怖いっ! あそこ居そうですもんね~。ホント嫌だ。
──皆さん、こういう幽霊話って信じる方ですか?
一同 (ほぼ全員が挙手)
──あれ、たかさきさんはあんまり信じない?
たかさき 私、実は葬儀会社で司会をやってたことがあって。お墓とか全然平気なんですよね。むしろお線香の匂いとかお経とか聞くと何か気分がほっこりしたりして……。もう、職業病ですね(笑)。
──怖さを通り越して安心しちゃうんですね(笑)。皆さんのそういう経験って役作りのヒントになってたりします?
小川 この物語に出てくる幽霊って、普段イメージする幽霊よりもだいぶポジティブじゃない?
春季 確かに(笑)。だから、ちょっと違うかも。
涼木 でも、いま私、一人暮らしなので、家で台本読んでると、やっぱり幽霊の話なんでちょっと怖くなったりして……。
――台本読んで怖くなるって、そりゃ大変(笑)。
涼木 そうなんですよ。一回、台本閉じて心を落ち着かせてから、もう一回台本を開く、みたいなこと、結構したりしてます(苦笑)。
──稽古が始まって、今でどれくらいですか?
白岩 だいたい一カ月ぐらい。
──これだけ居るとみんなで仲良くするのも難しそうですね?
大久保 最初は26人もいるから名前覚えられるかなって思ってたけど、いまはもうバッチリ!
──聞くところによると最近、サプライズバースデーをしたとか?
齋藤 あー、あれは美味しかった!
一同 爆笑。
──誰のバースデーだったんですか?
あいか サプライズは何度かやってるんですけど、私がお祝いしてもらったのはトイレから帰ってきたときで。部屋の電気が消えてたのでスイッチを入れようとしたら、「点けないで」って言われたんですよ。それで、何でだろうって思ってたら、ケーキが登場してみんながハッピーバースデーを歌ってくれて。
──皆さんの仕掛ける側としてのチームワークもバッチリってことですね。
かの そうなんですよ! で、その後、なんか撮影会みたいになっちゃって。みんなで携帯で「目線くださ~い」って。
一同 爆笑。
稽古が終わって一気に出演者らはリラックスモード。女子高ノリのガールズパワーに取材陣は圧倒されっぱなしだった。
──では最後に舞台に向けて意気込みを一言。
岩田 じゃあ、リーダー!
──えっと、綺咲ちゃんじゃないですよね?
齋藤 違いますよ~、でもワタシお菓子パーティーの主催者なんです!
一同 爆笑。
──……。えっと、それでリーダーは?
あいか リーダーはいないけど会長役をかの夏帆ちゃんがやってるので、そんな感じ。
──では、かの夏帆ちゃんお願いします!
かの えっと、メンバー全員のチームワークを活かして、最高の舞台にします! 皆さん、是非観に来てくださいね!
稽古後も彼女には穏やかながら熱いリーダーシップが感じられた。
稽古中の張り詰めた空気とは一変。ガールズパワー全開で、笑いの耐えないトークを披露してくれた。この姿こそが彼女たちの「素」であろう。多少の演技経験がある者もいるもののほぼ素人同然の彼女たちが、演じる舞台。それぞれの女のコたちのファンたちは、彼女たちが何をやっても喜んで応援してくれるだろう。逆にファンでも何でもないこの記事を読む人たちの多くは、「アイドルの舞台なんて……」と観たこともないのにバカにしたようなことを言うだろう。それでもいい。ひとりでも多くの人が、演劇にもアイドルにも興味のない人がこの舞台を観て、何かを感じてくれれば、この舞台は次の幕につながるものになるはずなのだから。可能であれば、彼女たちの流した汗と思い描いた夢の分くらいは報われることを願いたい。
(取材・文=辻井宏仁/写真=岡崎降生)
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舞台『もしかも! もしかして私たちは究極の謎を解いてしまったのかもしれない!?』
11月5日(金)~11月8日(月)新宿シアターブラッツ
◆「もしかも」特設サイトはコチラ
5日(金)=19:00開演(白組)
6日(土)=14:00開演(黒組)・18:00開演(白組)
7日(日)=14:00開演(白組)・18:00開演(黒組)
8日(月)=19:00開演(黒組)
※開場は開演の30分前となります
料金:S席6,000円(毎回20席限定:最前2列)/A席4,800円
全席自由
会場:新宿シアターブラッツ
新宿区新宿1-34-16清水ビルB1
*チケット販売イベント開催決定!
場所:10/31(日)秋葉原アキスタ
時間:19:30~21:00
『もしかも!』キャスト陣が揃う直前イベント! 詳しくは上記特設サイトにて!!
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ボーイッシュな魅力!
舞台経験も豊富なお姉さん
着やせします、彼女
稽古時の服装もよく見るとセクシーでした
「もしかも!」の次の舞台も決定済!
限界ギリギリ!
ミスFLASH2008!
コスメティックロボット、復活希望!