結婚活動、略して「婚活」。2007年に社会学者、山田昌弘によって提唱された造語だが、「結婚したくてもできない!!」男女による婚活ブームは日本中を席巻し、婚活関係のビジネスや自治体による婚活支援は雨後の筍のように急増している。そんななか、お隣中国では本人主催のアグレッシブな婚活が行われるようだ。中国の美人(?)姉妹、シャオリン(22)とイン(21)にとっては、とにかく「強い」ことが結婚の条件だそう。
「ウチらがこれまで結婚相談所から紹介されてきた男は、全員ヒョロヒョロの貧弱野郎だったアルよ。だからウチらは中国の伝統的な方式『武闘会』で婚活することにしたアルよ!」
ということで、広東省の佛山で3日間にわたり開催される武術大会で勝ち残った男性にデートのご褒美を与えるのだという。その大会の内容だが、まず、弓術で自分のスキルを披露し、尖った槍の先にオモリをつけて運ぶテスト、腹筋と瞬発力のテストを行う。そして最終選考に残った参加者には、姉妹のどちらかとの決闘が待っている、というもの。
「参加者は素手で戦ってもいいし、武器を使ってもいい。けど、ウチらは絶対に手加減しない。ウチらに勝つことができない男なんて、ウチらの顔を見る資格もないアル!」
姉妹の覆面の下のお顔が見られるのはこの試練をくぐり抜けた者のみ、というわけだ。しかしこの姉妹、覆面の写真は公開されているが、これだけでは美人かどうかは判断しかねる。自主的に結婚相手を探そう! という心意気は立派だが、果たしてこれだけの情報と報酬で、強い武術家をどれだけ集められるのかは疑問である。
日本ではさすがにこれほどインパクトのある婚活イベントは見かけないが、主催者が趣向を凝らしたさまざまなイベントが行われているようだ。
人気アニメ「らき☆すた」を使った町おこしで知られる埼玉県久喜市鷺宮では「オタ婚活 鷺宮出会い編~三次元の君に届け~」というイベントを、11月28日に開催する予定だ。参加者は40人限定で、男性は18歳から40歳くらいまでの何かしらのオタク、女性は18歳から35歳までの独身でオタクもしくはオタクに抵抗のない人、理解のある人というのが条件だ。鷺宮商工会青年部が、「出会いが少ない」というオタクたちに出会いの場を提供しようと企画したものだが、ネットではこれに対し批判の声が挙がっている。というのも、男性の参加費は8000円なのに対し、女性は無料、しかもお土産付きという女性優遇ぶりなのだ。しかし、参加者の男女比率を半々にするためにあえてこうした価格設定を行ったのだという。「オタク」ブランドはやはり婚活においては敬遠されてしまうのだろうか。
逆に、女性の方が殺到する婚活イベントもある。それが、「農業婚活」だ。参加者の女性は、農家の男性と共に農業を体験し、地元のおいしいものを食べながら交流するというもの。09年に福岡市で行われた婚活イベント「花婿大学」には農業青年約120人に対し独身女性約280人が殺到したという。農家の嫁不足が叫ばれて久しいが、最近は都会で働くことに疲れた女性が、自然のなかで生活する農業に興味を持つケースが増えているようだ。09年に和歌山県で行われた「婚活農業体験」では都市部の女性30人と地元の男性30人が2日間にわたって農業体験を行い、結果15組のカップルが成立したという。男性が自分の得意分野を女性にアピールすることができる、というのが成功の秘訣かもしれない。
一方、本人ではなく親が奮闘する「親の婚活」も全国に広がっている。結婚相談所では親たちのセミナーが盛んに行われ、親同士のお見合いイベントにも多くの参加者が集まっている。なぜ親がそこまでしないといけないのだろうか? 参加者にはこんな意見が多かった。
「息子は忙しくて結婚相手を探す暇や余裕がないんです。だから親の私が動けるうちに見つけてあげたい」
「うちの息子はいま東京にいるけど、お嫁さんはできれば地元の方がいいんです」
「娘はもう35歳。どうしても結婚させたい」
結婚は自分のためでもあり、親のためでもあるらしい。こうした会員制の結婚相談所ではほかにも料理、フットサル、野球、ゴルフ、映画、ビリヤード、ノンスモーカー限定、結婚式は神前派限定など、多種多様な婚活イベントが日々開催されている。地域社会が崩壊しつつある現代では、黙っていてもお見合い話を持ってきてくれるおせっかいなおばさんやおじさんもめったに見かけなくなり、恋愛に不器用な人たちが結婚するのが難しくなっている。どんなきっかけでも、幸せになれるのならそれが一番だ。「結婚できない」と嘆いている人がいるなら、自分の興味のあるものに飛び込んでいってはいかがだろうか。ただし、こうしたイベントには婚活中を装って婚活女性を食べまくるナンパ師や、単におごられ目的の女性も相当数まぎれこんでいるのでご注意を!
覆面と言えばやっぱりコレ!
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