『万国(まんこく)博覧会』

 アメリカ人のセックスをしばしば「獣のように激しい」などと表現するが、それって間違ってないか? そう気づかせてくれたのがこの作品。なぜって、獣の交尾とは単なる生殖活動であって、性的な快感を求めたものではないからだ。種の保存のための必然の行為とアメリカ人のセックスは実は正反対なんじゃないかと……。

 この作品は、アメリカをはじめ、ブラジル、イタリア、チェコ、インド、アジアン諸島、日本のセックスを1枚にまとめたワールドワイドなAV。アメリカ編では、美尻白人娘と巨尻黒人娘が、2人で並んでこれでもかと尻を振って男を巻き込む(誘うというよりこっちの方が的確!!)3Pファックが紹介されている。

「オーマイゴット!」
「ファッキン・ベイベー!!」

 そう叫びながら彼女たちが楽しむのは、変形バック突き。黒人娘がバックから挿入されながら尻を振っていると、もう1人の白人娘はその黒人娘の尻を掴んでこれでもかと上下にシェイクする。さらに白人娘が挿入される番がくると、激しい快感にのけ反りながらも、黒人娘の膣にむしゃぶりついて舌先をねじ込ませ、一緒になって絶叫を響かせ合う。その光景は日本人の我々から見ると、「なんじゃこりゃ」と言いたくなってしまうくらい激しいまぐわい。たしかに野獣のように猛々しいものを感じるが、それは別の角度から見ると、快楽を貪るためのエクササイズのようにも見えるのだ。人間だからこそ求めてしまう果てしない性的興奮と強欲な快感を、これでもかと享受する行為。まさしく自由の国アメリカらしく、シタい時にスルのがセックスの醍醐味だと言わんばかりの、人間くさいエロティシズムを感じずにはいられないのだ。

 なぜ、そんなことを感じたのか。それは単純に他の国のセックスと見比べたからだ。これまでセックスが国によってなんとなく違ったものだとは思っていたが、まさかここまで差異があるとは思ってもみなかった。まさに『万国(まんこく)博覧会』というネーミングがピッタリ。本当に自分でもビックリするくらいの違いを見て楽しむことができたのだ。

 たとえば、アメリカ人を自由主義者の人間臭いまぐわいと表現するなら、ブラジル人のセックスは、厳しい労働の合間のつかの間の休息を楽しむかのような底なしに陽気なまぐわい。愛らしい女の子が自分のおっぱいをわし掴みにしながらピョンピョンと飛んだり跳ねたりした後に、セックスに突入し、最後にザーメンを浴びながらもキャーキャー騒ぎ立てる。とにかくテンションが高い!

 一方、イタリアは濃厚かつ耽美的。男の前でレズプレイを見せながら、妖しく目で誘い、絵に描いたように魅惑的なまぐわいを楽しんでいく。女性が情熱的なのも特徴で、チ●ポを2人で弄くり廻しながら、時折「ペッ」と唾液を吐きかけたり、喰らいつくようにフェラ。「これみよがし」という言い回しがぴったりの、視覚的に訴える挑発が多いように感じた。

 逆にチェコは男性上位。女は男を媚びるような目で見上げ、男の足の指をマ●コにグリグリと押し付けて感じる。それを男は満足そうにニタニタ笑いながら見てる。クールな顔したドS男と男なしでは生きていけない弱い女という構図が見てとれた。

 インドはまさに生殖行為を思わせる神聖なセックス。女はひたすら従順で、身を捧げるという表現がピッタリ。アジアン諸島編は乱交なのだが、小さな島では旅人を熱烈に歓迎するあまり、その地に足どめさせようと過剰にサービスする傾向があるという。現地女性が旅人らしき外国人たちを喜ばせようと必死になっている姿が目に焼きついた。

 最後に日本の代表は美熟女の浅倉彩音さん。昼間の和室でピザ屋を強引に押し倒してセックスするが、その光景はセックスを「秘めごと」と呼ぶ日本ならではの淫靡な薫りが漂う。これは道徳に反するイケナイ行為なのだという、閉塞感が快感へと繋がっていくのだ。それがまた媚薬のように理性を狂わせ、精神世界を大切にする日本人ならではの背徳的な興奮をいざなう。

 とまぁ、長々と説明したが、これはあくまでも筆者の感想。誰が見てもそう感じるとは思わない。とにかくこの作品の面白さは「違いを楽しむこと」。脳みそで感じることが大好きな日本人なら、それだけで十分すぎるくらい興奮できるはず。勿論、単に好みの国の美女で楽しむのもOK。いろんな意味で使える作品である!
(AV評:文月みほ)
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