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AV史上最強の異端アーティスト! 天野大吉(後編)


pic6.jpg蛸のイメージが北斎とダブる

 

【注意】本記事中にグロテスクな表現が含まれております。十分に考慮の上、ご覧ください。

■AV史上最強の異端アーティスト! 天野大吉(前編)はこちら

──海外で紹介されるときに、よく北斎と比較されていますね。

天野大吉(以下、天野) 自分から北斎を意識したわけではなく、引き合いに出されるんですね。影響を受けたわけではなく、近いねって言われるんです。たぶん、蛸のイメージがかぶるということもあるんでしょうね。誰かを意識して作っているということはないです。

──個人的な趣味って何かあるんですか?

天野 昔から好きなのがビスクドールっていう関節球体人形があるんですけど、来年くらいから人形のモーションピクチャーを使った映画を作ろうかなと思ってます。あとは、スポーツジムくらいでしょうか。

──今後も、アダルトとアーティスティックな活動は並行していくんですか?

天野 カンヌ映画祭にも出品している、ギャスパー・ノエというフランスの映画監督から連絡を頂いて、それ以降仲良くさせてもらってるんですけど、その絡みで出資してくれるという方もいたりしますね。まぁ、そっちで食えるようになっても、趣味なんでAVは続けてはいきたいです。

──特に好きな映画は何かありますか?

天野 昔と比べると正直楽しめなくなってるんですね。作り手になってしまったんで、『何でこれでこの金額するんだ』とか『だったら俺に作らせてくれ』とか思っちゃうんですよね。実は、カンヌに今回出品しているギャスパー・ノエの作品「Enter the void」は僕も携わっているんです。キャスティングは全部幻奇のスタッフ。だからかどうか、カンヌでの上映でブーイングが起こったという(笑)。刑事役もゴキブリ食った男優とか、女優さんもゴキブリ乗っけた女のコとか。


Enter-the-Void.jpg歌舞伎町も舞台となったギャスパー・ノエの『Enter the void』

 

──この手の写真は作品撮りみたいな感じで?

天野 幻奇のパッケージが知らない間に海外でアートという形で紹介されたり、そこからインタビューが来たりだとか。じゃあ、分かりやすいアート志向で作ってみようっていう。例えば、唐傘持ってっていう形で。それを撮った直後っていうのは、幻奇以上に評判が良かったんですね。でも、これは自分の趣味なんで、ポストカードは一枚も売ってないんです。もったいないんで。海外でも4回個展をやってるんですけど、また9月にドイツでやります。ギャラリーと写真集の出版をやるんです。日本の出版界だと難しいと思うんですね。倫理的な問題で。だから、ほとんど海外のメディアにしか取材も受けてないんですね。


pic1.jpg分かりやすいアート指向でこの形に

 


pic12.jpg幻想的だがどこかグロテスク

 


pic9.jpgAVは趣味的に続けていくという

 


pic10.jpg夢に出てきそうな光景



──いままで作品を撮られてきて、クレームはありましたか?

天野 生き物を殺した云々っていうのは年に2、3件来るんですけど。それよりも、もっと過激にやってくれっていうファンの方が一番多いですね。

──一番撮影していて困ったことは?

天野 生き物の廃棄と臭いですね。カエルとか大きいものは平気なんですが、コオロギやゴキブリは逃げちゃうしミミズとかミルワームは床の間に挟まってしまうので、マスキングして逃げ場をなくして、掃除は5時間くらい掛けます。スタジオは完全撤収なので大変ですね。


GENKI_TAKO.jpeg.jpg天野監督に撮られたいという女優は多い

 

──女優さんに要求されて困ったことはありますか?

天野 自ら企画を持ってくるパターンも多いんです。例えば何百本もの針を刺して大量の血を出したいとか…。女性が求めることは100%返したいし、自分も100%愛せる作品を作っているつもりです。それでもとを取れなくても、会社が倒産しても自分の納得した作品が残ればっていう。通常のAV作品でカラミがないなんてあり得ませんよね。人のお金で撮ろうとすると、鰻を突っ込んでも良いけどカラミを入れてくださいってなるじゃないですか。それで、いいですよってカラミを入れたら自分の作品ではなくなってしまう。お金をもらうことによって能力的にサボってしまうんです。

──今後は映画やアートも手掛けつつ、AVも撮り続けていくんですか?

天野 これからも、アートや映画でも、もちろんAVでも自分の資本でやろうかなと。だからこその自由な発想なんです。先ほど、出資の話もあると言いましたが、出してもらわず自分でやろうかなと考えています。出資してくれるというのは嬉しいんですが、作品的にもブレが出てしまうし、倫理的に問題だという時にも責任の所在もうやむやになってしまう。それを全部自分が被るという意識でやるぶんには問題ないと思うんです。簡単な話、私の好きなものを自ら望む女優さんで、私のお金を使って製作しているので、誰も傷付けないし誰にも迷惑も掛けないっていう。自分の負担が多いぶんアートとしても自由に表現できますし。結局、どこに見返りを求めるかっていうと、お客さんの反応なんですね。

◆幻奇

◆天野大吉

 

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