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松本人志の“言葉力”がネットで話題に! 日常に浸透した言葉


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※イメージ画像:『Cut 2008年6月号』ロッキング・オン

 松本人志(49)が作った、はやらせた言葉がすごすぎるとネットで話題になっている。そこで取り上げられているのは、「ドSドM」「寒い」「(言葉を)噛む」「イタイ」「よごれ」「パンチが効いてる」「もっさり」「グダグダ」「ブルーになる」「逆に」「ドン引き」など。今や当たり前に日常で使われている言葉たちだ。確かにネット上では、明確な証拠を示されておらず、ユーザーたちによる推測や肌感覚によるものが多数だが、記者の記憶でもこれらの言葉が松本によって発せられていたのはよく覚えている。多くのユーザーたちが松本発信の言葉として認識していることからも、これらの言葉が松本発信という意見が見当違いということもないだろう。

 しばしば、一般大衆を相手にしたメディアで活躍するタレントの影響力を推し量るのに使われるこの造語能力。古くは、大橋巨泉(78)の「ボイン」や久米宏(68)の「ホニャララ」、故・山城新伍による「チョメチョメ」や松任谷由実(59)の「ギャランドゥ」、桑田佳祐(56)の「ニューハーフ」や明石家さんま(57)の「エッチ」などが有名なところ。ただ、そんな有名人による造語の多くは、それまで別の名称があったものをより日常で使いやすくしたものばかりだった。

 しかし今回ネットで取り上げられた松本の言葉には、そもそも別の名称というものがなかった(もしくはまったく別の言い方をしていた)ものが多い。たとえば、松本がよく使う「寒い」という言葉が表す現象は、それまでなら「面白くない」とか「つまらない」という言葉によって表現されていた。しかし松本は「面白くない」ということを「寒い」と表現し、つまらない場面を寒いとする、いわば新しい価値観そのものを誕生させた。

 その松本の言葉が採用されたかは定かではないが、1998年に改定増補された小学館の『大辞泉』には、しっかりと「寒い」の意味に「面白くない」が掲載されている。言語学者でもない記者が断定するのははばかれるが、この時期に「寒い」という言葉に「面白くない」という意味が加わったのではないだろうか。思うに1990年代というのはダウンタウンが民放各局で冠番組を持ち、全国的に人気を爆発させた時代でもある。松本の発する言葉が一躍全国に浸透し、それが辞書に反映されたとしても不思議ではない。しかしなぜ松本は「面白くない」ことを「寒い」と言ったのか。

 1つには、「寒い」と表現することによって生まれる笑いを計算したのだろう。たとえば、ある芸人が面白くもない芸を披露する。それに対して「つまらない」の一言では視聴者もうなずくだけで何も生まれはしない。しかし、それをことさら大げさに「さぶっ!」と身震いすれば、どんなにつまらない芸の後でも一定の笑いは生まれる。いわばそれはツッコミの一種だ。松本は、そのツッコミによる笑いを見越したのだろう。

 また、「寒い」という言葉には「背筋が寒くなる」などの用法があるように、恐れるという意味がある。何よりも笑いを優先する松本にとって、面白くないということは、それこそ何よりも恐ろしいことなのかもしれない。だから彼はそんな場面に出くわすと思わず「さぶっ!」と口走ったのではないだろうか。そしてそんな松本の感覚による言葉が人々の中に広まり、一般的になったのだろう。

 ギャグや固有名詞として独自の言葉を浸透させるのではなく、感覚によって言葉を日常に浸透させた松本人志の影響力は計り知れない。もちろんそこに功罪はあるだろうが、ネットで語られているように、気がつけば誰もが知らぬ間に松本的言語を日常で使っている。それは、あまりにも一般化して、それゆえ根拠に乏しいが、それこそが松本のすごさなのだろう。

 今の若手芸人に彼ほどの影響力を持った人材は見当たらない。しかしそれは当然かもしれない。テレビそのものがかつての勢いを失っている今ではそこで活動するタレントに新しい言葉を生み出す力などないのだろう。今や、新しい言葉を生み出し、次々と新しい価値観を提唱するのはネットの世界なのだから。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)


『松本人志 仕事の流儀』


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