「まるで大山のぶ代の歌声」女王・松任谷由実に人気凋落の厳しい現実

 「荒井由実」としてデビューしてから今年で40周年を迎えたユーミンこと松任谷由実(58)。ベストアルバムの発売や、ユーミン憧れのバンドであるプロコム・ハルムとの共演ツアー開催など40周年イベントが目白押しなっている。

 その一環として、ユーミンは10月に帝国劇場に初出演。夫の松任谷正隆(60)が脚本・演出を手掛け、演劇の進行に沿って過去の名曲を歌っていくという趣向だった。新機軸となるステージだったが、先週発売の「週刊新潮」(新潮社)では「声が潰れて大山のぶ代が歌っているようだった」と酷評されている。

 全身黒ずくめで現われたユーミンは、まず「夢の中で」を歌ったが、高音が苦しく声は潰れた状態。突然現れたためか、観客から拍手は起きなかったという。ナースのコスプレで歌った「リアリティ」も声がかすれて観客の反応は薄く、名曲「最後の嘘」では最初から声が裏返ってしまった。たまたま調子が悪かったのかとも思えるが、以前からファンや音楽関係者の間ではユーミンの「歌唱力の低下」がささやかれていた。

「本人も認めていますが、ここ数年のユーミンは高音が出なくなり、大会場で歌うのは厳しくなっていました。もともと声量があるわけではなかったため、一層頼りなくなった歌声に観客が戸惑うこともしばしば。大掛かりなアリーナツアーが組めないので、帝劇で演劇と絡めた舞台という変化球を繰り出したのでしょうが、空回りしている感が否めなかった」(音楽関係者)

 一時は「ポップスの女王」「国民的歌手」と称されたユーミンだが、それも今は昔。3月に発売した41枚目のシングル「恋をリリース」(EMIミュージックジャパン)は、累積売上約4,000枚でオリコンチャートの最高位が34位という惨憺たる状況。ユーミンが作詞・作曲して人気子役・芦田愛菜ちゃんが歌った「雨に願いを」(ユニバーサル ミュージック)も、売上1万5,000枚程度にとどまっている。今月20日に発売するベストアルバムも、ユーミンは2,000年以降にセルフカバーを含めて5枚もベスト盤を出しているため新鮮味がない。

 シングルチャート1位やアルバムのミリオンを連発していた90年代と比べると隔世の感があるが、これは本人の声の衰えだけが原因なのだろうか。

「歌唱力だけでなく、時代がユーミンに合わなくなったという部分は大きい。それだけでなく、松任谷正隆のプロデュース能力がなくなっていることも人気凋落の原因と業界ではささやかれています。彼のセンスは、はっきり言って20年前から全く変わっていない。ユーミンがいい曲を書いても、旦那のアレンジで台無しになっているケースが多々ある」(前同)

 ライバルの中島みゆき(60)は還暦を迎えた今年、2年ぶりとなる全国ツアーを敢行。長らくステージで封印してきた名曲「世情」を披露するなど話題を振りまき、全盛期と変わらず観客を魅了している。ユーミンにも奮起してほしいところだが、なかなか状況は厳しいようだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

men's Pick Up