抜きあり風俗店よりも、抜きなし店がブーム!?

※イメージ画像:『BEST CLUB 2008年 12月号』/ナイタイ出版

 最近は、ソープランドやファッションヘルスなどの王道風俗店よりも、いわゆる「抜きなし」と呼ばれるジャンルが人気を博しているという。

 「抜きなし」とは、射精に導くサービスがナシ、という意味である。軽いところでは、セクキャバ。「キャバ」と付くくらいなので、当然のことながら個室ではない。では、キャバクラとの違いは何なのかというと、女性のカラダにタッチが出来る。しかし、女性側が男性客を触ることはない。よって、抜きもありえない。

 個室で抜きなしの店も存在する。アロマオイル等を用いたマッサージを売りにしており、男性客は紙パンツだったり、もしくは全裸で施術を受けることも可能。「全裸で抜きがないのか?」と驚く人もいるだろうが、女性側はセクシーなコスチュームを着ていても、それを脱ぐことはない。マッサージも、局部ギリギリのきわどい部分までは触るが、肝心の部分にはノータッチである。

 「風俗店に行くからには、抜いてもらってなんぼ!」ではないのか? そういえば、アダルトビデオの世界でも、本番シーンがほとんどないマッサージメインの作品が売り上げを伸ばしてきているし、出張の多いビジネスマンに聞いても、ホテルに呼ぶのはホテヘルよりも、抜きなしの出張マッサージが多いという。抜きなし店に人気が集まる理由は、いったいどこにあるのだろうか?

 抜きなし店を利用する一般男性に話を聞いたところ、まず挙がったのが「抜きありの店は、なんだかんだで高い」という意見。金銭的余裕があれば抜きありの店に行きたいのはやまやまだが、このご時世そうもいかないとのこと。不景気というご時世が影響しているようだ。

 次に、性感染症の感染を危惧する声も。本番ナシの抜きあり風俗店でも、フェラチオやクンニリングスで感染することもあるので、用心を重ねるに越したことはないという。これまた、性感染症という、現代特有の事情が関係しているようだ。

 そして、「単純に疲れているので、マッサージを受けたい」という男性もいた。確かに、現代人は疲れているのかもしれない。しかし、本当に疲れているのなら、はり・灸・整骨院に行けばいいだろう。いや、この点を問い詰めるのは愚問かもしれない。女性とて、例えば「美容院のシャンプーは、女性美容師よりも男性美容師が良い」と思うこともあるはずだ。「せっかくお金を出すのなら、同性よりも異性に施されたい」と思うのは、ごく自然な発想なのだろう。

 「抜きなし店のほうが、女性の容姿レベルが高い」とはっきり断言する男性もいた。抜きあり風俗店で地雷ばかり踏んでいる人には朗報である。もちろん、抜きあり風俗店が不美人ばかりという意味ではない。しかし、容姿が一定レベル以上の女性のほうが、仕事の幅を選べるということか。

 「抜きなしは風俗には入らないから罪悪感が軽減される」という意見も。カノジョや妻に対する罪悪感ではなく、自分自身に対する罪悪感なのだという。抜きありの風俗店を利用するのに後ろめたさがあるというのは、いかにも現代の草食系男子らしい考え方なのかもしれない。

 草食系男子といえば、「抜きあり風俗店に行く予行練習」と答えた男性もいた。いきなり抜きあり風俗店に行くほど、自身の中でエッチな気分が盛り上がっていないようだ。性に対してガツガツ感がないのも現代男性の特徴といっていいだろう。

 抜きなし店に行く理由は人それぞれのようだが、最後に抜きなし店で勤務する女性の声を紹介させて頂きたい。

 「抜きなし店とわかっていながら、性的サービスに発展させられないものか交渉するのが面白い」という男性客は、働く側からしたら大迷惑とのこと。「抜きなし店なのに、自分には性的サービスをしてくれた!」という優越感に浸りたいのかもしれないが、給料以上のサービスを求められるのは不愉快極まりないという。

 抜きなし店を利用する際は、くれぐれもルールを守って、紳士的に楽しみたいものである。
(文=菊池 美佳子)

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