排卵日に計画的子作り

ビッグダディ最新作は演技かドキュメントか?

tuukaibig0405.jpg※イメージ画像:テレビ朝日系『痛快!ビッグダディ』公式HPより

 今や日本の大家族番組の中でも、あまりの展開の破天荒さで随一の知名度を誇る「ビッグダディ」こと林下清志さん一家。これまで写真週刊誌でビッグダディは「もう番組の放送はない」と断言してきたが、テレビ朝日系で4月7日(土曜日)18時30分から「痛快!ビッグダディ14 2012年 春」が放送されること決定した。

 ここでこれまでのビッグダディの足跡を振り返ってみよう。ビッグダディと彼が男手ひとつで育てていた8人の子供はもともとは岩手県に住んでいたものの、近くの高校の廃校にともなって奄美大島へ移住。ところがそこに元妻の佳美さんが三つ子を連れてきて復縁を求め、新たに子供ができたこともあり結局再婚。しかし、佳美さんとの関係が悪化して再び離婚し、出稼ぎ先の愛知県で知り合った18歳年下の美奈子さんと再々婚をした。ところが、そうした経緯が奄美の人々から反感を買い、奄美に戻れなくなる事態になり再び移住することに。さらに、この新妻の美奈子さんも5人の子持ちであり、ビッグダディと美奈子さんの間にも新しい子供が生まれた。こうして2006年の放送開始から、さまざまな事件を経てビッグダディの子供は増加する一方であり、岩手県、奄美大島、隠岐島(移住失敗)、小豆島と放浪も重ねてきた。

 今年の正月特番としても放送され15.7%の高視聴率を獲得したものの、その後取材を受けた「FRIDAY」(講談社)では今後番組を放送しないと明言。何度も「FRIDAY」や「FRIDAY DYNAMITE」に登場し、実は奄美、隠岐島、小豆島といった移住が番組サイドの提案であったことを明かし、前妻の佳美さんが奄美に来たのも番組の仕込みであることを暴露してしまった。

 さらには、美奈子さんと再婚するやいなや次の排卵日を確認し、長男に他の子供の面倒を任せてホテルに行ったことまで語っているのだ。また、小豆島への移住後は番組からギャラを受け取っていることも認めている。奄美を追われた背景には、女性週刊誌の取材に離婚と再々婚を話し、そこで初めて事態を知った奄美の人々から反感を買った面もあったのだが、そうした舌禍をビッグダディはすでに忘れたのかと心配になるほど衝撃的な内容だった。

 ところが、2月に放映された『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)では、ビッグダディをパロディにした「リトルダディ」が登場。夫婦の性生活やギャラの受け取りをパロディにされ、怒ったビッグダディはその後「FRIDAY」で番組の再開を宣言したのだ。

 驚いたり呆れたりしたりしながらもビッグダディを見てきた視聴者には嬉しいニュースだが、こうなると「見どころ」は以下のようなところになる。

 まず、「事実は小説より奇なり」を地で行ってきたビッグダディだが、これまでの大きな流れに番組側の仕込みがあったことが明らかにされてしまった。これは基本的にドキュメンタリーである大家族番組の生命線に関わる問題だ。ときにスタッフに何を言ったら面白いかまで確認するというビッグダディは、今後の番組でどんな言動をするのだろうか? それは「演技」ではないのだろうか? 見るほうも素直に受け取れなくなった中、どんな内容で攻めてくるのか見ものだ。

 また、当初は子供全員を高校に進学させることを目標にしてきたビッグダディが、どんどん増えていく子供たちの進学をどうするのかも大きな問題だ。さらに前回の正月特番では前妻の佳美さんが、自分の産んだ子供たちと連絡を取り合っていることも明らかになっており、ビッグダディのもとを離れる可能性もゼロではない。そもそも、小豆島で開業した「島の接骨院」がどれほど営業して稼いでいるのかも、ギャラの支払いが明らかになった今となっては気になる部分だ。

 すでに連れ子などを除いた実子だけでも10人がいるビッグダディ。排卵日管理による子作り並みに計画的な家族生活をしてほしいところだが……。4月7日の特番を固唾を飲んで見守りたい。
(文=宗像明将)

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