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雑誌や本における付録や購入特典の功罪


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※画像は『電撃 G's magazine 2010年 08月号』より

 オマケに心を動かされる人は少なくない。しかし出版業界では本末転倒になっているのではないだろうか。雑誌や本の付録は、明治・大正期から既に存在していた。更にさかのぼれば江戸時代の出版物にも、小物や冊子を別添えにして売られていたとの記録がある。消費意欲をくすぐるためとは言え、随分昔から同じような商法が存在しているものだと感じる。

 付録には何度もブームと呼ばれるものがあった。

 例えば昭和初期には主婦向けの雑誌で付録戦争と呼ばれるものが起きた。また昭和30年頃には少年誌で付録競争が行われている。どちらも本誌を上回る付録がつけられて、5大付録、10大付録と言った凄まじい煽り文句が、毎号の表紙や予告に刻まれた。しかしいずれも出版社の体力を削る過当競争に陥る。前者は出版社間の話し合いで自粛になり、後者はその後に発行された週刊漫画誌に読者を奪われ、廃刊や休刊へと流れていく。

 どうやら現在もこれと似た状況になっているようだ。2001年、日本雑誌協会が雑誌作成自主基準の一部を改定した。そこに付録の基準緩和がある。売り上げが低迷しつつある雑誌に、てこ入れを図る目的もあり、付録として扱い可能な品の幅がグンと広まった。

 女性ファッション誌や女性向けムック(mook:雑誌と書籍の性質を併せ持った出版物)では、「付録の方が豪華」と言われる程のブランド品がつけられた。メーカーとタイアップして作られたグッズは、その雑誌を買わなくては入手できないものであり、付録であるが故に手頃な価格で購入できた。他人と同じ商品を持っていれば、嫌な気持ちになるのではないかと知人に尋ねたことがあるが、「元々付録でたくさん売られているから気にならない。むしろ同じブランド好きで共感するかも」と意に反した答えが返って来た。まさに出版社とメーカーの企画が成功を収めた形だ。

 またアニメ誌や漫画誌などでは人気のキャラクターグッズがつけられた。精密な出来ばえのフィギュアや、これまた独自に企画・デザインされたオリジナルグッズが、本誌を歪めて挟み込まれた。

 「電撃 G's magazine」の2010年8月号では、人気作品『Angel Beats!』のねんどろいど(デフォルメされたフィギュア)が人気となり、発売後数日の内に全国書店で完売してしまう。なんと出版社からお詫びの知らせを出す騒ぎとなり、その後も同誌では完売する号が度々でている。ただしそれらは販売部数を伸ばす効果があったものの、長い目で見れば好ましくない影響も生み出している。

 値上げを嫌った既存の読者離れや、付録を止めた場合の売り上げ急減、取り扱う書店の負担増などだ。そして返本されれば出版社にとっても負担は大きくなる。つまりは全体としてハイリスクな道へと進んでいることになる。

 DVDが普及したことで、付録にDVDを付けた雑誌も増えている。特に成人向けの雑誌には「DVDがメインじゃないのか?」と思わせる構成も多い。以前は袋とじによって、買わなければ見られない状態にされていたが、今はそれがDVDに取って代わっている。ただしこちらも数が出てしまえばインパクトは薄れてしまう上に、なまじDVDとしての容量が大きいだけに、内容を充実させるために出版社は苦労することになる。

 個人的には「デラべっぴん」の等身大ヌードポスターが印象深かった。量こそ遠く及ばないが、今のDVDにあれほどの思い出は残らないのではないだろうか。

 また最近になって、漫画のコミックスを中心に、小売店独自の購入特典をつける方式も増えてきた。アニメ化もされた大人気の4コマ漫画『けいおん!』。2010年9月にコミックス4巻が発売されたが、各小売店では次の特典が用意された。

アニメイト:かけ替えカバー
いまじん:描き下ろしメッセージペーパー
K-BOOKS:ブロマイド
ゲーマーズ:描き下ろし替えかえカバー、ミニスリムポスター
啓文堂書店:描き下ろしメッセージペーパー
COMIC ZIN:イラストカード、特製リーフレット
三洋堂書店:イラストカード
ジュンク堂書店:一部店舗にてブロマイド
たちばな書店:クリアファイル
とらのあな:オリジナルギターピック、描き下ろしイラスト付き台紙
文教堂書店:サイン入りイラストカード
まんが王:5種類のキャラクターカードから2枚をランダム
メロンブックス:かけ替えカバー
有隣堂:描き下ろしポストカード
ワンダーグー:ポストカード

 全部揃えようと思えば、同じコミックスを最低でも17冊買わなくてはいけない。熱心なファンなら「コミックスは読む用、保管用、貸す用に3冊買う」こともあるが、さすがに10冊以上持っていても仕方が無いだろう。余分なコミックスは早々に古本屋に流れ、転売目的だったのか特典そのものもネットオークションに多数出品された。それぞれの小売店が『当店で買って欲しい』と企画したものであろうが、全体のパイが大きくなるわけではない。せいぜい特典がない書店からある書店へと横滑りするくらいであり、当の書店にとっても包装や陳列の手間が増えてしまう。ファンである読者も財布の中身には限界がある。これでもかと言うくらいに続けば、いつか息切れするだろう。

 程ほどであればともかく、行き過ぎれば、売り手・買い手・取り扱い書店、いずれにとっても厳しいのが付録商法だ。それが表面に出てきたのか、先に書いた女性向け雑誌や漫画雑誌などの売り上げの伸びが鈍ったり、減少へと転じたりするものが出てきた。ソフトやコンテンツは、やはり中身で勝負するのが本筋だろう。人々が『読みたい』と思わせる内容の本や雑誌を作る方向へと舵を切る局面になったようだ。それが基盤にあってこそ、付録の楽しみが増すに違いない。
(文=県田勢)

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DVDにも付録は必須?

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