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いろんな仕事があるもんです

童貞斡旋業者(?)に突撃取材!!


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*イメージ画像:
『「童貞を食べたくって仕方がない・・・」という超美人人妻に童貞を奪ってもらいませんか?2』 SOD

 先日、とある企画系AVの撮影現場にお邪魔した際、ディレクターさんからこんな話を聞いた。

「今回の男優、モノホンの童貞なんですよ。どう? 本物はリアリティあるでしょ?」

 綺麗な女優さんの相手をしているのは、どう見ても30半ば~40代前半ほどに見える男性。お世辞にもかっこいいとは言えない顔立ち、荒れた肌、禿上がりかけている頭部、ダルダルの腹の肉......。緊張しているのだろうか、その全身は女優と触れ合うたびにブルブルと震えている。詳しく聞くと、彼は男優募集などで来たわけではないという。

「童貞募集、なんて銘打っても本物の童貞なんて来ないからね。なにより本当かどうかなんて分からないし......。でもこちらとしては男優の演技では決して出せない、本物の童貞だけが出せる『童貞リアル』が欲しいので、信頼できる業者に依頼したんだよ」

 ディレクターさんの話を聞くうちに、その業者に興味が湧いてきたので、連絡先を教えてもらい早速アポイントメントをとることにした。

 それから数日後、F氏(仮名)とお会いした。F氏はまるでAV男優のような雰囲気をしたガタイのいいイケメン男性であった。

──初めまして。自己紹介からお願いします。

「Fと申します。普段はAV女優のスカウトなどをやっています」

──先日、ディレクターさんから、童貞の斡旋をしているというお話を伺ったのですが。

「斡旋というか......(笑)。知り合いになった童貞男性を紹介しているだけですよ」

──料金体系などはあるんですか?

「一応簡単な設定はしていますが、メーカーさんとの取り引きと個人さんとの取り引きで大きく違いますよ」

──え? 個人のお客さんもいらっしゃるんですか?

「元々のきっかけは個人からの依頼だったんです。ボクは元々某歓楽街でホストみたいなことをやっていました。そこで知り合ったある中年女性が、港区の高級マンションの部屋をいくつも持っているような、今でいうところのセレブだったんです。ある日その方から『まだ女を知らないイケメンを知らないか?』と聞かれ、理由を聞くと、『もう普通のイケメンとのセックスに飽きてきたから、初物が食べたい』と答えられたんです。で、その当時童貞だったホストの後輩を紹介したのがきっかけですね」

──では、その童貞くんはそこで?

「そのセレブのマンションで脱・童貞したらしいです。赤坂の高級フレンチで食事をご馳走になって、しかもお小遣いまでもらったそうですよ。ボクも紹介料という名目で、10万円ほど包んでもらえました」

──それがきっかけですか?

「はい。それから、その方のお友達からもご連絡頂くようになりまして。そのころはホストが増えてきた時期で、若い童貞がたくさんいましたから、他店のネットワークも使っておそらく100人ほど紹介しました。紹介料はだいたい10万円前後でしたね。ホストの店長の中には、港区の某高級マンションで童貞を捨てたやつがわんさかいますよ(笑)」

──その後は?

「ボクはホストを辞めましたが、いまだにセレブの方々から新しい童貞はいないか、と連絡がありますね。料金は一律10万で、昔のホスト仲間のツテを使って紹介を続けています......と、こちらが個人のお客様のお話です」

──ではメーカーとの取引について、きっかけを聞かせてください。

「今の業界に入った直後、ある女優の付き添いで現場に行ったんです。そのとき、そこの監督さんから『キミは童貞か?』と聞かれたんです」

──童貞だったんですか?

「......残念ながら違いました(笑)。そのことを伝えると『童貞モノ撮りたいんだけど、最近周りに童貞いねぇんだよな...』とポツリと呟かれたんです。そこでピンと来まして」

──先ほどのセレブへ童貞を紹介した話が活きてくるんですね。

「はい。そこでホスト時代のコネで童貞を連れてきたのがメーカー取り引きのきっかけですね」

──そこからこの商売を思いついたんですか?

「商売と言えるほどのものでもないですが(笑)。まぁそれで、その監督さんから『次はもっと童貞っぽいやつがいい』と要望を受けまして」

──つまりは......その、あまり容姿が宜しくないような?

「そうです。そのときは若いホストを紹介したもので、なかなかカッコいいやつだったんですよ。それまでセレブの方々から紹介を依頼されていたのは『イケメン童貞』だったものですから」

──個人の顧客はイケメン童貞を、メーカーの顧客はブサイク童貞を求めていた、ということですか。

「監督さんからは『見る側に近いような人』と言われました。童貞モノのAVを見る方はやはり童貞が多く、どれだけ感情移入させられるか、が勝負だそうです」

──それからどうしたのですか?

「そのときはなかなか見つからず......結局女性経験の少ないやつを童貞として連れて行ったんですが......バレまして」

──いくらでも誤魔化しようがあるように思えるんですが、なぜバレたんですか?

「監督さんから面接の途中でひと言「もういい。帰れ」と......。その場では大人しく引き下がりました。後日、その監督さんになぜ分かったのかと聞くと、童貞と非童貞では人に対する度胸の持ちようが違うから、小さな態度や動きなどですぐ分かる、オレもそうだから、と言われました」

──ということは、その監督さんも?

「はい。作品への情熱を下げないために、童貞を貫いているそうです。そこからは心を入れ替えて本物の童貞を探していたんですが......これが本当になかなか見つからないんです」

──ネットの書き込みなどを見るといくらでもいそうな気がしますが。

「自称童貞は結構いるんですが、よくよく話を聞いてみると、『ペッティングまではしたことがある」だとか、『実はソープに行ったことがある』とか、純粋な童貞でない方ばかりでして......」

──しかし、嘘をついているかどうかなんて見極めが難しいのでは?

「ボクには嘘を見抜く力なんてありません。ですから、まず自称童貞さんは信用しないようにしました。そしてこちらの意図を隠して、童貞っぽい、と思われる人に路上や店内などで片っぱしから声をかけました。あとはスカウトと同じですよ。そのころ、童貞探しの活動地点が秋葉原でしたので、そこで外国の軍で使われていたという触れ込みの嘘発見器を買って、声をかけた童貞さんに使っていました」

──そ、そこまでするんですか?

「しますね。私が本物の童貞を紹介することで、メーカーの信頼を得ればうちの女優も使ってもらいやすくなります。取り引きって、やはり最後にモノを言うのは直接コミュニケートしている人間同士の信頼関係に帰結しますから。こっちも必死ですよ(笑)。それから最後に全十数項目の『童貞クエスチョン』をした上で、ランクを決めます」

──『童貞クエスチョン』とはなんでしょうか?

「心理学を研究している友人に協力を仰いで作ってもらった、心理テストの質問集です。この答えから本物かどうかをかなり高い確率で見極めることができます」

──ぜひ内容をお教え頂けますか?

「お教えしたいのは山々なのですが、ここで教えると、今後の『探索』に支障を来す恐れがありますので」

──なるほど。それでは先ほどおっしゃったランクについてお伺いしたいのですが。

「例えば『素人童貞で20年以上、親族以外の女性と肉体的接触がなく、ケータイのメモリーに女性が登録されていない』であれば、DP(童貞ポイント)は30で、ランクはAとなります。ランクS~Dまであって、それぞれに卸値を設定しています。A以上を『本物』と呼んでいます」

 以下に、F氏が教えてくれたDPの計算式についてまとめてみた。

・童貞である... +10(基点)
・風俗経験あり(ソープ)... -5
・風俗経験あり(ソープ以外)... -3
・親族以外の女性との肉体的接触なし ... +経過年数×1
・ケータイのメモリーに女性が入っている(業者除く) ... -人数×0.5(端数切捨て)

 上記のポイントを基準に付けられるランクが以下である。

・Sランク ... 40DP以上
・Aランク ... 30~39 DP
・Bランク ... 20~29 DP
・Cランク ... 10~19 DP
・Dランク ...  ~09 DP

 詳しい卸値は教えてもらえなかったが、SとCでは約2倍ほど差があるという。最近では個人の顧客の中にも、高レベルの非イケメン童貞を求める声があり、今後も高い重要が見込めるとF氏は語る。

「肉食系女子の増加に伴い、初々しい童貞の稀少価値が上がってきているように感じます。イケメン童貞は『いつでも捨てれる』という自信があるからでしょうか、初々しさが足りない、というご指摘が個人の顧客の中からもあります。奥手で童貞であることは恥ずかしいことではありません。しかし、それがコンプレックスとなっている方が多いのも事実です。

 あえて言わせていただけるなら、童貞=恥ずかしい、などという考えはもう古いと思います。童貞歴が長いということは、純粋であり、かつ情欲に流されない強い意思を持っていることの証なのです。ということは一人の女性への愛を貫くことができる、ということに繋がるのです。いずれ『童貞=(精神的に)カッコいい』という時代がやってきます。卑屈にならず、自分に相応しい女性、タイミングまでじっくりと腰を据えて下さい。もはや童貞はステータスなのです」

 童貞を卸して筆も下ろす、というこの一石二鳥のスキマ産業を推進するF氏は、最後に童貞の素晴らしさを熱く語ってくれた。

 童貞諸氏においては、いつか後悔なく相応しい相手と本懐を遂げるためにも、今のチャラけた日本が失ってしまったその股間の『信念の槍』を磨いておいて欲しい。

 たったひとつの愛を貫く、見た目は朴訥、心は侍、そんな男の名前こそが『童貞』なのだ。
(文=甘尻兎式)

『中年童貞 ―少子化時代の恋愛格差―』著:渡部伸/扶桑社


コンプレックスは向かう方向で武器にも弱点にも......

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