『たびじ 高校教師2』艶堂しほり

 最近、日本のドラマ界が変化しつつある。海外ドラマの影響か、次々と人気ドラマのシーズン2が制作されている。その影響はTV界のみならずAV界にも押し寄せており、話題の作品の続編が同じ女優を主役に制作され、大いに話題となっている。

 今回、ご紹介する作品は、昨年12月にリリースされた艶堂しほりさん主演の『たびじ~高校教師』の続編。教え子と禁断の恋に堕ちた気真面目な美人女教師が、苦悩の末に非業の死を遂げるという切ないラブストーリで、主役が亡くなり物語も完結したかに思われていた。しかし、続編には、亡くなったしほりの姉・かほりとして再び艶堂さんが登場。しほりとは正反対に妖しい魅力を放つ謎めいた美女となって、妹が愛した教え子との再会を遂げる。

 物語は前作から2年後。大学2年生となった真田が小雨降りしきる中、しほりの墓参りに訪れた帰りに、彼女そっくりの姉・かほりと出会うシーンから始まる。しほりを自殺へと追い込んだ負い目を感じていた彼に、明るく優しく振る舞うかほり。彼は、しほりの面影を残す彼女に、あっという間に惹かれていく。

 数日後、2人は、しほりが最期の地に選んだ東伊豆へと旅立つ。しほりとの想い出話に花を咲かせるうちに、いたたまれなくなった彼は、貪るようにかほりの身体を奪う。傷ついた者同士のセックスは燃えるほど切なく、かほりも彼が愛しているのは妹なのだと知りつつも体を預け、禁断の快感に堕ちていく。

「たっぷり時間はあるのよ……」

 しかし、突如彼女は彼を突き放した。何度も何度も体を求める彼に対し、そうクールに言い放つと、ひとり物思いにふけりながら煙草の煙をくゆらせていく。

「ごめんなさいっ!!」

 翌日、雨降りしきる海岸で、たった一言だけを残して立ち去ったかほり。前作以上に複雑な想いが絡み合う大人のラブストーリーの結末は、あまりに切なく衝撃的であった。

 本作は続編ではあるが、1を観てない人にも十分に楽しめる深みのあるストーリー。従順な妹、奔放な姉。真逆の女を演じ、一層の魅力を発揮した艶堂さんの演技力にも注目だ。消耗品として扱われがちな昨今のAV作品にあって、これはAVのカテゴリーを超えた人間ドラマとしても評価できる作品。時を置いて、ぜひもう一度味わってみたい。
(AV評:文月みほ)
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