待ち合わせ場所は新宿アルタ前。時間も時間なので「もしかしたらお泊りエッチになるかも?」と期待して向かう。約束の時間ちょうどに筆者が到着すると、それらしき女性を発見。
プロフィール通りスレンダー体型だったヒナちゃん。顔はマスクで隠れていたものの、決してハズレではなさそうだ。
ヒナちゃんを驚かせないようゆっくり近づき、優しい声色で話しかける。
「こんばんは、ヒナちゃんかな?」
「あ、はい。そうです」
「さっき【PC★MAX】で約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
ここで一瞬だけマスクをずらし、こちらの顔を全て見せる。すると、ヒナちゃんも筆者の真似をしてマスクをずらして顔を見せてくれた。
グヌヌヌヌヌっ!
彼女の顔はタレントのKABA.ちゃんに似た感じだった。ちょっと骨ばっていてゴツゴツ系と言える。
ま、まさかオネエじゃないよな…
一抹の不安がよぎった。しかも、ヒナちゃんの声はどちらかというとハスキーボイスだったのだ。
だが、身体のラインはどう見ても女性そのもの。こちらの勘違いだろうと己に言い聞かせる。
サクっとヤるには全く問題ないが、一晩中この女性と向き合うのは辛いな…
お泊りエッチを諦め、いつも通りに1発キメることにする。
ノリがいいヒナちゃん。会話のキャッチボールもしっかりできている。すぐに意気投合してホテル街に向かうこととなった。
「ヒナちゃんはよくあのサイトで遊んだりしてるのかな?」
歩きながら軽いノリで聞いてみた。
「そ、そうですね。月に1度か二か月に1度くらいですね」
「へぇ、そうなんだ」
「変ですかね?」
「ううん。ヒナちゃんはモテそうだから、ああいうサイトを使う必要ないんじゃないかって思ってさ」
「も、モテたりしませんよ。出会いなんて全然ないし、ナンパとかもされないんで」
「あ! きっとアレだよ。ヒナちゃんがイイ女過ぎるから周りが勝手にビビってるんじゃないかな」
「そ、そんなことないですよぉ」
イイ女だなんてこれっぽっちも思っていなかったが、ペラペラと舌が回る。この辺の会話は、ルーティンワークみたいなものだ。
ホテルに入る前から愛撫は始まっているようなものなので、手を抜くことはできない。
そんな会話の最中、彼女の笑い方が気になってしまった。
可愛らしいものではなく、ヒナちゃんの笑い方は「ガハハ」といった感じの豪快系だったのである。
ここでまたオネエ疑惑が脳裏をよぎった。
横目でヒナちゃんの手を確認することにした。
ホっ…
華奢で柔らかそうな手の甲、そして細くてしなやかそうな指を見て一安心。顔やボディは整形でイジることができても、手の形は変えることができない。小学生の時に読んだ『ドーベルマン刑事』で得た知識がこういう形で役立ってくれたのである。