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初めまして、ミキさん。
都内の会社員、ショーイチ・40歳です。
先ほどミキさんの書き込みを見ました。
私も既婚者なのですが、レス状態が続いているんです。
優しいくらいしか取り柄のない私ですが、是非ミキさんと楽しい時間を過ごしたいです。
あ!
念のため、私の写メを添付しておきますね。
こんな感じの私ですが、検討よろしくお願いします。
では!
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出会える系サイト初心者の彼女に安心してもらうため、初回のメールに筆者の顔写真を添付した。
さらに、こちらも既婚者だと嘘をつき、より安牌を演出する。
そうした作戦が奏功したのかすぐに返信が届き、あっさり約束が成立したのである。
待ち合わせ場所は新宿アルタ前。ほぼ時間通りにミキちゃんらしき女性がやって来た。
グヌヌヌっ!
当たりではないが、かといってハズレというワケでもない。とても微妙だ。
彼女の顔は、ピンの女性お笑い芸人の“ヒコロヒー”を一回り地味にしたような感じで、見る人によって評価が分かれる“癖”のあるタイプだった。
体型も疲れた中年女性といった具合で、生活臭のにじみ出ているどこにでもいるような中肉中背タイプだ。
この日の前日。馴染みのセフレと濃厚な2回戦を楽しんでいたので、精巣タンクには半分程度のザーメンしか溜まっていない感じだった。
これだけ色気がないと、途中で中折れしちゃうかも?
不安な気持ちがよぎってしまった。
だが、彼女にとっては今回が出会える系サイトの初デート。ここで筆者が顔パスしようものなら、とてつもない心的外傷を与えてしまうだろう。
そうなったら彼女は二度と出会える系サイト遊びに手を出さなくなるかも。
そんな真似はできない。それに、この程度で腰を引くほどヤワではない。優しそうな表情を心がけて声をかける。
「こんばんは。ミキちゃんかな?」
「あ、は、はい。こ、こんばんは。そ、そうです。み、ミキです」
「さっき約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
「は、はい。こ、こちらこそよろしくお願いします」
やはり初めての出会える系サイト遊びということで相当緊張しているのだろう。かわいそうなくらいオドオドしているミキちゃん。
「そんなに緊張しないで大丈夫だよ。ミキちゃんの嫌がる事は絶対にしないから安心してね」
「え? あ、は、はい。だ、だ、大丈夫です」
ドモりまくっているミキちゃん。緊張で舌が上手く動かないのだろう。
こういう女性を目の前にした場合、筆者がいつもの調子でペラペラと喋ったら余計に緊張させてしまうだけだ。
ひとつひとつの言葉をはっきり発音し、かなりのスローペースで語りかけることにした。
「もし嫌ならここで帰ってもらってもいいんだよ」
「え?」
「さっきも言ったけど、怒ったりしないから安心してほしいな」
「は、はい」
「で、どうかな? このまま帰る? それともホテルに行く?」
「え、えっと、しょ、ショーイチさんは、どっちがいいですか?」
「俺はどっちでも大丈夫。でも、せっかくこうやって会えたんだから、ふたりでホテルに行けたらいいな」
「あ、ありがとうございます。わ、私もホテルで…」
喋っている途中で下を向くミキちゃん。まともにこちらの顔を見て話せないのだろう。
最後のセリフの後半は聞き取れなかったが、OKと捉えて問題なさそうだ。
こうしてホテル街に向かって歩き始めるふたり。
「あ、あのぉ。ホテルに入る前にお酒を買ってもいいですか?」
歩き始めて数分経ったところで、そう言ってきたミキちゃん。アルコールの力を借りて緊張を誤魔化したいのかもしれない。
正直、酒臭い女性とエッチするのはあまり好きじゃない。
しかし、可愛いコがそう言ったら、反射的にOKを出していただろう。逆に不細工ちゃんやおデブちゃんが言い出していたら、「俺、お酒を飲んでるコとはエッチしないことにしてるんだ」と迷わずNGを出していたはずだ。
ミキちゃんの見た目はどう見てもハズレ案件。だが、初めての出会える系サイト遊びという大きなメリットがある。初物好きの筆者なので、ここは彼女の気持ちを尊重することにした。