4位：たこやきレインボー「ネンジルノ」
アルバム「ダブルレインボー」収録曲。藤井隆が作詞作曲を担当した楽曲だ。1980年代オマージュのアイドルポップスは多いが、たこやきレインボー「ネンジルノ」の何が他の楽曲と違うかと言うと、「湿気」のようなものである。1980年代独特の情緒の湿り気を藤井隆が表現してしまったことには「さすが」と舌を巻いた。この領域にまで達している1980年代オマージュのアイドルポップスを私は知らない。
5位：sora tob sakana「鋭角な日常」
ミニ・アルバム「alight ep」収録曲。ポストロックやエレクトロニカを主軸にしたサウンドで歌ってきた、15歳から18歳までの4人組が、メジャー・デビューすると同時に、突然としてマリンバやブラスセクションの音色とともにアフリカ音楽に傾倒した楽曲。なぜメジャーに行った途端アフリカへ向かうのか？ sora tob sakanaの攻めの姿勢は頼もしい。
6位：でんぱ組.inc「おやすみポラリスさよならパラレルワールド」
鹿目凛と根本凪を迎え、7人体制となったでんぱ組.incの初のCD作品。H ZETT M作編曲で、ジャズ・ピアノが疾走する楽曲だ。Yumiko先生による演劇性の強い振り付けでは、藤咲彩音が何度も宙を舞い、死と生のメタファーも現れる。
2019年1月7日の日本武道館公演をもって卒業する夢眠ねむのソロ・アルバム「夢眠時代」にtoufubeatsが書きおろした「おやすみ世界きゅん。」も「水星」の続編と呼びたくなるような傑作だった。
どちらかにするか悩んだが、「7人体制のでんぱ組.incは最高だった」と言いきれた時代の記録として、でんぱ組.inc「おやすみポラリスさよならパラレルワールド」を挙げる。
