【ナナミの意外な性事情】
「実は私、ラブホテルに来るのって初めてで…」
「えっ、そうなの!?」
思わず声を上げて聞き返してしまった。
風俗で働く女性の大半は、たとえ業界未経験でもそれなりに男性経験は多く、ホテルの利用なんて山ほどしている人間ばかりだからだ。
男性の相手をするだけで合法的にお金が貰えるなんて、私にピッタリ! これは働くしかない!
…なんて感じのノリが多いだけに、ラブホテルの利用が初めてというナナミの発言に驚かされた。
「ちなみにナナミちゃんって、ウリ(援助交際)とかしてたの?」
「…? えっと、ウリってなんですか? ごめんなさい」
キョトンと私を見つめ返すナナミ。
これはガチの未経験なのかもしれない…。
「いや、わからないなら大丈夫! じゃあ、質問を変えようかな。経験人数は何人くらい?」
「うーんと、5人です! 彼氏はふたりかな」
「じゃあ、後の3人はセフレとか、ワンナイトとかってこと?」
「そうですね。彼氏よりもセフレの人の方が、エッチの回数は多いです(笑)」
ナナミはニコニコ笑いながら話すが、ルックスと卑猥な言葉とのギャップに、私は少し興奮していた。
「それで、いつもエッチする時はホテルは使わないんだ?」
「そうですね、お互い一人暮らしなのでお家でしかしてないです!」
風俗嬢としては珍しい、ナナミの性生活事情。
そんな話をしながら、私達はホテルの一室に足を踏み入れたのだった。