幼い女性特有の、真っ白で純粋そうな雰囲気がきっと男の心をくすぐるのだろう。
夜街を歩いていたら、間違えて補導されてもおかしくない容姿だ。
だが、ここは風俗店。
もちろん彼女は18歳を超えているし(ちなみに、今年19歳でギリギリだった)、顔写真付きの本人確認書類もコピー済みである。
街でスカウトマンに誘われて、少し興味があったからついてきたというナナミは、楽しそうに事務所をきょろきょろと見回す。
「なんか…えっちなお店!って感じはしないんですね」
「あはは、そんな感じのお店を想像してきてたの?」
「はい! なんかピンクの照明とか、下着姿のお姉さんがうろついてるイメージがあって…」
「ここはデリヘルだからね。期待はずれで申し訳ない(笑)」
ナナミはそれでも楽しそうに仕事の話について聞いてくる。
やはり純粋に風俗という仕事に興味があるのだろう。
「ところでナナミちゃんは未経験ってことで、スカウトさんから講習を頼まれてるんだけど…」
「講習! 分かりました、頑張ります!」
目を開いて頷きながら答えるナナミ。
一挙手一投足が、パタパタとしていて可愛らしい。
その後、一通り給料のシステムやデリヘルのルールを教え、ホテルに向かう。
入り口にずらっと並ぶ部屋紹介のパネルを見て、らんらんと目を輝かせるナナミ。その姿は、まるで遠足に来た子供のようだった。