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こんにちは、ユリカさん。
都内の会社員、ショーイチ・38歳です。
さきほどユリカさんの書き込みを拝見しました。
私もしばらくの間、レス状態が続いて淋しい思いをしています。
優しいくらいしか取り柄のない私ですが、
ぜひユリカさんと楽しい時間を過ごしたいです。
もちろん秘密は厳守しますので安心してください。
あ!
お返事いただけたら私の写メを送るので、
それを見てもらってから検討してもらって構いませんので。
では!
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こちらもレス状態が続いていると書いたのは、彼女に親近感と安心感を与えるためだ。主婦というものは、諸々の事情で相手選びに慎重になっている。そこで、嘘も方便とばかりに既婚者を装ったり、セックスレスだとアピールするわけだ。
もっとも、嘘をついているつもりは毛頭ない。筆者にとって、セックスしていない日が2日も続けば、それは立派なレス状態と言えるからだ。
ということで、ファーストメール送信後、ものの数分で返信が届いた。
そこから数通ほどメールのやり取りを行い、その日の夕方に池袋で待ち合わせすることになった。
待ち合わせ場所は、池袋駅地下構内の待ち合わせスポット“イケフクロウ”の前。約束の10分ほど前に到着した筆者は、周囲に視線を配りながら待つことにした。
今回のお相手であるユリカちゃんは、書き込みにあったように容姿に自信がないタイプ。ということで、周囲の不細工ちゃんやオデブちゃんをじっと見つめ、脳内に刻み込むことにした。
こうしておけば、ユリカちゃんの容姿に多少の問題があっても、動じない心構えができるからである。
そして、ほぼ約束の時間通りにユリカちゃんらしき女性を発見した。
ぐ、グヌヌヌヌっ
眉間に深い縦皺を刻んでしかめっ面になってしまった。彼女の体型は中肉中背で、可もなく不可もなしといった感じだった。
その顔は、お笑いコンビ「ゆにばーす」のはらチャンを思わせ、非常に微妙だった。
すかさず目を閉じた筆者は、脳内に刻み込んでいた不細工ちゃんやオデブちゃん達の容姿を再生していく。数秒ほどイメトレした後、再び目を開けてユリカちゃんを視界に入れた。
おっ、「ゆにばーす」のはらチャンを1.1倍ほど美人にした感じじゃん!
こうして、一般の男性ならハズレだと思って当然の彼女を、アタリだと誤認識することに成功した。
我ながらなんて単純な脳みそなんだろうと呆れるが、セックスに大事なのは容姿よりも相性なのだ。相性を確かめる前に顔パスするなんて、イケメンや金持ちだけが行える芸当だろう。
それに、顔面偏差値Fランクの筆者にしてみれば、相手の容姿にイチャモンをつける資格なんてハナからないのだ。
覚悟を決めた筆者は、眉間に皺を刻まないよう注意しながら彼女に近づき、声をかけた。