「こんにちは、ユリカちゃんだよね?」
「あっ、はい」
「さっき、【ワクワクメール】で約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
「は、はい。お願いします」
「じゃ、早速だけど行こうか?」
「え? あっ、はい」
いつもなら出会った瞬間から道化を演じ、場を盛り上げているところだ。しかし、相手がイマイチの時は、どうしても塩対応をとってしまう。
地上に通じる階段を上り、ラブホ街に向かって歩き始める。その最中、沈黙に耐えられず、筆者から話しかけることにした。
「ユリカちゃんは、俺みたいな男で大丈夫?」
「え?」
「ほら、送った写メよりずっとエロそうな顔してるでしょ? 引いたりしてないかな?」
「そ、そんなことないです」
「本当に? 無理してない?」
「だ、大丈夫です」
ユリカちゃんの返答後、しばし沈黙する筆者。「ショーイチさんこそ、私みたいなので大丈夫ですか?」のセリフを待っていたのだが、彼女の口からそんな言葉が出てくることはなかった。
もしそう言われたら、「もちろん大丈夫だよ」と答える気マンマンだったのに、肩透かしをくらってしまった。
まっ、仕方あるまい。出会える系サイトで男性に会うのは今回が初めてとのことだったので、緊張しているのだろう。
そう納得し、ラブホ街に入ってすぐの激安ラブホにチェックイン。無事に入室してから、会話を再開させた。
「ユリカちゃんは、どのくらいエッチしていないの?」
「え、えっと、3年くらいです」
「それはまた随分長いねぇ」
「は、はい」
ここでまた、しばし沈黙する筆者。「ショーイチさんはどれくらいしていないんですか?」と返してくるのを待ったのだ。
彼女からボールが返ってくることはなかった。どうやら今回は、会話のキャッチボールを諦めたほうが良さそうだ。
「それじゃあ、俺は一服してるから、先にシャワー浴びておいで」
「は、はい」
その後、入れ替わりで筆者もシャワーを浴び、ベッドインすることに。