室内でふたりっきりになったところで、さらに突っ込んだ質問をしてみることにした。
「トーコちゃんが最後にセックスしたのって、いつなの?」
「え、えっとぉ…」
「あっ、嫌だったら無理に答えなくていいよ」
「嫌じゃありませんよ。今年になってからまだ一度もしてないので、半年以上前だと思います」
「そ、そんなにしてないんだ。それじゃあ、今日が姫始めなんだね?」
「え?」
“姫始め”の意味が分からないようだったので説明すると、トーコちゃんは笑みを浮かべながら納得した。
「そろそろシャワーにしようか?」
「あっ、はい」
「先に浴びる? それとも俺が先に浴びようか? あっ、一緒でもOKだけど…」
「じ、じゃあ、ショーイチさんが先にどうぞ」
「了解。それじゃあ、ちょっと待っててね」
入れ替わりでトーコちゃんがシャワーを浴び、いよいよベッドイン。
仰向けになった彼女に覆いかぶさりキスしようとすると、肩の力が入りすぎているのが分かった。そこで、キスの前に一声かけることにした。
「やっぱり緊張しちゃうよね」
「は、はい」
「トーコちゃん、改めて約束するよ」
「え?」
「今日は、何がなんでもトーコちゃんの嫌がることだけはしないからね」
「あ、ありがとうございます」
「だから、痛かったり嫌なことがあったらスグに教えてね」
「は、はい」
「それと、してほしいことがあったら遠慮なく命令してね」
「め、命令ですか?」
「うん。俺は女性にご奉仕するのが大好きだから、命令されるとますます燃えちゃうんだ」
「そ、そうなんですか!? で、でも恥ずかしいです」
「それもそうだね。無理しなくていいよ。でも、命令じゃなくて、お願いならできるんじゃない?」
「そ、そうですね。できそうだったらお願いするかもしれません」
「うん。それじゃあ、リラックスして楽しんでね」
「はい、頑張ります」
「ダメだよ、頑張ったりしちゃ。なにひとつ頑張らないでいいんだからね」
「フフ、そうですね。分かりました」
やっと笑みを浮かべてくれたトーコちゃん。やはり、いきなりキスしなくて正解だった。これで、彼女の緊張がかなりほぐれたはずだ。