正直、ちょっと堅苦しいが、こんなファーストメールを送信した。相手の性格がまったく不明だし、年上男性を希望している女性にとっては、このくらいの文面が妥当だろうという判断だ。
ちなみに、最後の1行で“ヨロシク”とカタカナ表記にしたのは、フレンドリーさを演出するためだったりする。
そして待つこと10分。無事、エリちゃんから返信が届き、そこから数回のメール交換を経て、あっさりと約束が成立したのだった。
待ち合わせ場所は、西武新宿駅南口にあるファストフード店の前。
約束の時間10分前に到着した筆者は、携帯の画面を見るフリをしながら道行く不細工ちゃんやおデブちゃんを脳裏に焼き付ける。脳内のメモリーを不細工ちゃんやおデブちゃんでいっぱいにすることにより、並み以下の女性が来ても動じない心構えをとるための作業だ。
そんな作業に没頭していると、約束の時間ピッタリにエリちゃんがやって来た。
マ、マジで!?
エリちゃんは、想定の範囲を余裕で越える極上の女性だった! 女優の常盤貴子の若いころを思わせる美形で、スレンダーな体型も文句ナッシング。しかも、彼女が履いていたスカートは短めで、ナマ足のあまりの眩しさに目がクラクラした。
はぁ、コレだから出会える系サイト遊びは止められねぇぜ!!
たとえ100人の不細工ちゃんやおデブちゃんと遭遇していても、極上の女性と1回エッチするだけで過去の悪夢が雲散霧消してしまうものなのだ。
我が愚息は実に正直で、エリちゃんを一目見た瞬間に勃起。我ながら驚くべき瞬発力だが、勃起しているのを悟られないよう前屈みになりながら彼女に近づき、声をかけた。
「はじめまして、エリちゃんだよね?」
「あっ、はい」
「さっき【ワクワクメール】で約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
「こちらこそお願いします」
これ以上ないくらいの明るい笑顔で受け答えしてくれるエリちゃん。どうやら見た目だけではなく性格もかなり良さそうだ。
ここでツカミのために一発ジャブを打つことにした。
「いきなりだけど、女優の常盤貴子に似てるって言われない?」
「え? 誰ですか?」
キョトンとしたその表情から察するに、エリちゃんは本当に常盤貴子を知らないようだった。
考えてみれば、常盤貴子が連ドラの女王と呼ばれていた頃にはまだ生まれていなかったのだから無理はない。これがジェネレーションギャップというやつだろう。
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