2017年は「王道」の時代になるかもしれない~2016年アイドルポップスベスト10~


■Maison book girl「cloudy irony」

 メジャー・デビュー・シングル「river(cloudy irony)」のリード・チューンは7拍。メジャーでも、Maison book girlもプロデューサーのサクライケンタも変わることはなかった。カップリングに収録されている「14days」はポエトリーリーディングだ。

 

 
■NAOMiRUSTY「観光」

 小林愛作詞、Dr.Usui((M)otocompo)作編曲による「観光」は、シングル「ラニーニャ夜」のカップリングにして、アルバム「意味深ラスティガール」の収録曲でもある。YENレーベルを連想するような冷ややかなテクノだ。NAOMiRUSTYの活動終了が発表されたがゆえに、この楽曲はある種の輝きが増すことになった。

 

 
■amiinA「Avalon」

 amiinAのファースト・アルバム「Avalon」のタイトル曲。アイリッシュ・トラッドを大胆に取り入れた楽曲だ。MVはないので、アルバム収録曲「Atlas」のMVを貼っておく。

 

 
■sora tob sakana「広告の街」

 sora tob sakanaを初めて見たときにはメンバーの幼さに驚いたが、ファースト・アルバム「sora tob sakana」は容赦ないポストロックでさらに驚いた。特に「広告の街」はリズムが複雑だ。

 

 
 今私が感じているのは、2016年もベスト10を選ぶことができたことへの安堵だ。2017年もアイドルポップスの多様性が維持されうるのだろうか……と一抹の不安を抱きながら、それが杞憂に終わることを期待したい。メディアで飛び交う言葉と、現場の感覚とでは、どうしてもギャップが出てきてしまっているのだ。
(文=宗像明将)

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