あの国民的アイドルグループを蹴った過去? アイドル業界に殴り込みをかける飛鳥りん

 
――結果的に2011年の夏にグループができて、冠番組が始まったり、翌年CDデビューしたりして、あれよと大人気グループに成長するわけだけど、りんちゃんはそんな一連の流れをどう見てたんですか?

「普通に第三者のように見てて、普通に好きでしたね(笑)。自分がもしかしたらその場所にいたかも、なんて思いながら見てなかったと思います。だから、嫉妬とか羨望みたいなところとは無関係でした」

 
――なんでこのコが合格したの? みたいなこともなかったと(笑)。

「ありませんよ(笑)。グループのみんな本当に可愛くって、単純にすごいなぁって思いましたね。だから、普通にテレビを見て、曲も聴いて、カラオケでも歌ってました」

――それで、高校に進学した後は…。

「なにかバイトしようって考えて、高校の先輩が先にやっていたこともあって、地元のメイド喫茶で働くようになりました。その先輩にどんなお仕事か聞いたら、『お客さんとジャンケンしてる』『服もかわいいし、楽しいよー』って言われて(笑)。よし、それじゃ、やってみようって!」

――実際やってみてどうでしたか?

「楽しかったですよ。お客さんとジャンケンしたり、オムライスにお絵描きしたり(笑)。お店にはカラオケもあったので、いろいろ歌ったりとか」

――聞いた話によると、すぐに人気者になって、お客さんが殺到して店に入れない状態になったこともあったようですね。

「ちょっと大げさですよ、それ(笑)。お店のコの誕生日に“お誕生日会”をやるんですけど、そういうときは本当にたくさんの方に来ていただいてました。アイドル活動ってわけじゃないんですけど、そういった暖かい場所を経験したことで、単純なバイトという感覚ではなくなっていたんだと思います。やっぱりいずれは芸能界で活動したいという思いはありましたし…。とにかく、一生懸命やってましたね。それに、お店には地下アイドルとして活動してるコもいて、そういう姿を見たり話を聞いたりして、いいなあって徐々に気持ちは高まっていきました」

――そんな中、ついに決意する時が訪れるわけですね。

「高校を卒業するときに、今後はやりたいことをしよう、自分の心に正直に生きようって思ったんです。いろいろと自分の将来を真剣に考える時期でもあって、だから初心に戻れたというか、もう一度アイドルを本気で目指したいな、と。その時、新たなオーディション受けることも考えたんですけど、やっぱりアイドルっていろいろ難しいなと思ったのも事実です。人気になるって並大抵のことじゃないですし、本当に一握りだけですよね (笑)」

――あっ、冷静に状況を見つめる自分もいたんですね。

「自分なりに結構考えましたね。周りの友だちみたいに大学進学とか就職も含めて。でも、どんなに考えても、私の中の答えは、『それはやっぱり違うな』に辿り着いちゃうんです(笑)。私は、NMB48とかでんぱ組.incが大好きなんですけど、ああいうエンターテイメントに憧れるし、おこがましいかもしれないけど一緒にお仕事もしてみたい。なにより、自分の好きなアイドルに自分を知ってもらいたいっていう気持ちもあって…。そう逡巡する中でいまの事務所から直接チャンスをいただくカタチになって…」

 

 
――4月からラジオのレギュラーが決まってるんですよね。それに、超一流誌からのグラビアオファーもあるんだとか。リスタートしたアイドル活動としては、怖いくらい順調ですね。

「おかげさまで、運よく決まった感じです(笑)」

――グラビア活動に関してはどうなんですか? 歌って踊ってといったものとは別モノだと思いますが? 人前で水着になることに抵抗があったり、そもそも恥ずかしかったりもするのでは…。

「メイド喫茶で働いているころ、撮影会っていうのがあったんですよ。そのときは水着じゃなくて、メイド服とかコスプレの衣装だったんですけど、スタジオとかで撮ったりもしていました。だから、撮影の雰囲気は分かっているつもりなんですが、水着は…どうなんでしょうね(笑)。ファンの人たちに喜んでもらえるなら、楽しんでやりたいですね」

――一口にグラビアって言ってもいろんなジャンルがあって、それこそ清純な路線から過激な路線まであるわけだけど、そのあたりについては?

「とにかく、今はいろんなことに挑戦したいという気持ちでいっぱいです!」

――おおー、それは頼もしい!

――ラジオ番組の方では、新たなアイドルグループの構想とか、さまざまなプランが進行中という話も…。

「詳しい話はまだ聞いてないんですけど、そういう部分も楽しみです」

――ほかに目標はありますか?

「目標というか、さっきも話したように、これからは自分の心に正直に生きる!というのが一番にあるんですね。今後は親の意見じゃなく、自分自身の意見でやれるはずなので、そこを大切にしてやっていきたいです。やっぱり、芸能界って憧れの世界じゃないですか! いろんなことを経験したいし、できるはずで、それを楽しみにしてるって意味なんです!」

――こうして話を聞いてると、話し方も落ち着いてるし、本当にしっかりしてますね。いろいろビジョンがあるみたいだし、ファンとしても今後がとても楽しみですよ。

「後悔したくはないですし、せっかくこの世界に入った以上、新しいことにいっぱい挑戦していきたい。活動始めたばかりですが、自分なりにいろいろもう考えてることもあるんです。まだ内緒ですが(笑)。仕事を通して、いままで味わったことのない充実した幸せな気持ちが得られたら最高ですね」
(文=織田祐二/写真=カズヒロ)

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