代々木忠VS村西とおる!! AV界の二大巨頭によるトークイベント開催

左から代々木忠監督、村西とおる監督。この御二方がいなければ今のAV界はない

 唯一無二の映像作家、代々木忠監督の波乱に満ちた人生を描いた最初で最後のドキュメンタリー映画『YOYOCHU SEXと代々木忠の世界』が現在、大ヒット公開中だ。改めて言うまでもないが、代々木忠監督とは、80年代初頭のAV黎明期以来、愛染恭子の本番シリーズや『ザ・オナニー』シリーズなど数々のヒット作を連発し、世の中に衝撃を与えてきた業界の重鎮的存在。これまでの監督作品数は536本にもおよび、販売本数累計はなんと700万本。72歳になった今も新たな作品を撮り続けている現役中の現役なのだ。

 映画の公開を記念して、都内では過去の代々木作品の上映会やイベントが開催された。中でも2月2日、銀座シネパトスで行われた村西とおる監督とのトークショーは見どころ・聞きどころ満載の内容だった。

 滅多に人前で顔を合わせることのないふたりとあって、館内は満席。女性客も3割ぐらいはいただろうか。個性の強いふたりによるトーク。案の定、刺激的なものであった。

村西「(代々木監督は)私にとっては尊敬する存在です。82歳まで頑張ってほしいと思ってます。監督の存在は励みになる、目標とする存在です」

他を圧倒する速射砲的話術は圧巻! 言葉の魔術師!!

代々木「(村西監督の代表作の)『SMっぽいの好き』(クリスタル映像)、偶然、編集室であれを見て、ぶっ飛んだのですよ、凄いのが出てきたなって。(村西監督が本作品に寄せた言葉を代々木監督が朗読)『言葉の持つ力の凄さをAVの世界に持ち込んだ空前絶後の監督であり、プロデューサーであり、ショーマンである。黒澤明の代わりはいても、代々木忠の代わりはあり得ない。人類の宝です』村西監督はこんなことを言ってますが、これをそっくり村西さんに返したい!! 言葉の持つ強さを持ち込んだのはこの人なんですよ。これはかなわないなと。手持ち(カメラ)を私に教えたのは村西監督なんです」

紛うこと無きアダルトビデオの第一人者!

 以上のやり取りからも、尊敬し合っている間柄であることは十分伺える。

 代々木監督の「ここしばらくの間、メーカーのマニュアルに忠実な作品が主流になってきた。監督、男優共に新しい人が出てきていない」とのAV業界に対する注文や、草食男子に対する嘆きに対して、村西監督も同感の様子。業界の重鎮にして、いまだにトップを走っているふたりのパワーは健在だった。
(取材・文=シン上田)

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