目からウロコ? 女医が教える『本当に気持ちのいいセックス』!

『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』著:宋美玄/ブックマン社より
イラスト:春輝

 欧米などに比べ、明らかに立ち遅れた日本の性教育。当然、セックスについて正式に習う機会などはほとんどない。ヌクだけでなく、女性の悦ばせ方を勉強するつもりでAVを見ている人も少なくないだろう。そんな涙ぐましい努力を「AVはエッチの教科書ではありません!」とバッサリ斬り捨てるのは、著書『本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)が話題の宋美玄(ソン・ミヒョン)先生。産婦人科医にして性科学会の会員でもあるミヒョン先生は、女性の身体もセックスの仕組みも知り抜いた専門家だ。

ミヒョン(以下、ミ) AVに出てくるテクニックは、実際には間違いも多いんです。電マで責めるシーンをよく見かけますが、あんな刺激の強いものをクリトリスに直接当てたら、痛いに決まっています。女優さんが顔をゆがめてるのは、快感からじゃなくて、つらいからだろうなぁって、見ていてかわいそうになりますよ。

──派手でアクロバティックな体位もAVでは定番です。

 男性が女性を背中から抱きかかえるようにする”背面座位”は、ビジュアル的には興奮を誘いますが、女性はまったく感じない。みなさんご存知のとおり、膣のなかでいちばん感じるGスポットは、お腹側の膣壁にあります。背中側の膣壁は、どちらかといえば性的に鈍いんですよ。だから、そこをいくらペニスで擦られても、乱れるほど気持ちよくなるなんてことはありえないですね。

──過激なシーンを演出しようとするあまり、現実ではありえないテクニックが出てくるということでしょうか?

 男性は視覚による刺激で、性的興奮が高まる生き物なので、AVに過激なシーンが多いのは、ある意味しょうがないことかもしれませんね。でも女性は、愛情があって初めて性欲を感じるものなんです。

──じゃあレイプものなんて、もってのほか?

 最初は嫌がっていた女性も、最後にはアンアン悦んで……って、そんなことあるわけない! 気持ちに不安があったり、ちょっとでも痛いって感じたりすると、快感を感じなくなるのが女性の身体。レイプという暴力を受けて、気持ち良くなることなんて100%ないと断言できます! イヤよイヤよも好きのうち、なんて真に受けないでほしいですね。

──セックス指南本を買って、真面目に勉強することにします……。

 世の中にあふれているセックス指南本の大半は、男性が書いてますからね。なんの根拠もないし、事実とは違うことが平気で書かれているものだって珍しくない。例えばクリトリスを愛撫するテクニックとして、「とても感じやすい器官なので、最初から剥いて触りましょう」なんて書いてあったりする本もありますが、これ、まったくの嘘! そんなことしても、痛いだけですよ。

──つまり女性の身体をまったく理解していない、と。

 専門的な知識がまるでない人が書いている場合がほとんどですからね。クリトリスで言えば、敏感な器官であること自体は間違いではありません。でも敏感だからこそ、いきなり強い刺激を与えると、「やめてー!」っていうのが女性の本音。最初は下着の上からそっと触れて、彼女が濡れてきたらその愛液を潤滑液にしながら直接触れる……というのが正解です。

──何を信じればいいのか分からなくなってきました。

 勉強熱心なのはいいことですが、それより目の前の彼女の反応にもっと集中したほうが、確実に女性を喜ばせられますよ。先ほどのクリトリスの話で言えば、愛撫するときは身体をできるだけ密着させてください。感じていれば彼女は腰を押し付けてくるでしょうし、痛いときはビクッと腰を引きます。いわゆるテクニシャンと呼ばれる人というのは、こういう小さな反応も見逃さない人だと思いますよ。それに加えて、女性の身体を思いやれる人。指を入れるときは、小陰唇が中に巻き込まれると痛いので、空いてるほうの手でそっと開いてあげるとか、そんな気遣いで女性は身も心も感じちゃうんです。

──いまどきの、性に淡白な男子は”面倒くさい……”って思っちゃいそうですね。

 女性を気持ちよくすれば、男性だってイイ事があるんですよ。医学用語で”ブリッジ”というテクニックがあるんですけど、ペニスを女性に挿入しているとき、彼女が感じていれば膣は奥から入り口に向かって波打つようにうごめきますが、ここで彼女のクリトリスをイカせれば、この動きが逆になるんです。つまり、膣の入り口から奥へ、まるでペニスを飲み込もうとするような動きです。これは男性にとっても、すごく大きな快感! そのためなら、ちょっとした気配りぐらい何てことないと思いませんか?

──要は派手なテクニックよりも、ちょっとした思いやりってことですね。

 AVはファンタジーだと理解したうえで、マスターベーションに励むのであれば、何の問題もないでしょう。でも、実際に女性とセックスする時には、AVでのプレイをなぞるのではなく、彼女の顔をよく観察してください。紅潮したり、口が緩く開いたり、”感じているサイン”が必ずありますから。そして耳も働かせて、もっと現実の女性の声を聞くことです。どこが感じる? ここは気持ちいい? どうしてほしい? そうやって地道にコミュニケーションをとっていけば、終わった後に女性から「すごく良かった」って言われるセックスができるようになりますよ!

 「イケない女性はいない」「愛撫するには指1本でOK」「前戯は服を着たまま」「フェラチオ嫌いな彼女には?」など、宋美玄(ソン・ミヒョン)先生の書かれた本書には、女医という立場から導き出されたセックス観が満載だ。男性目線で書かれたこれまでのセックス本のすべてが間違いではないにせよ、この女性の側に立った本書を読めば、思わず目からウロコ、という新発見もあるかもしれない。どちらにせよ、男女とも目指すところは「本当に気持ちのいいセックス」に間違いない。
(取材・文=三浦ゆえ)

『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』著:宋美玄/ブックマン社

男の深層心理は情事後の行為に出るよね


men'sオススメ記事

men's人気記事ランキング

men's特選アーカイブ