セックス体験談|別れのピロートーク#4

隔たりセックスコラム連載「別れのピロートーク#4」

隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも傷ついていく姿をさらけ出す。現在、メンズサイゾーにセックスコラムを寄稿中。ペンネーム「隔たり」は敬愛するMr.Childrenのナンバーより。

 

隔たりセックスコラム連載「別れのピロートーク#1」 隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも傷ついていく姿をさらけ出す。現在、メンズサイゾーにセックスコラムを寄稿中。ペンネーム「隔たり」は敬愛するMr.Childrenのナンバーより。    たとえば、恋人同士がセックスしたとする。  彼らは「大好き」や「愛してる」などのくすぐったい言葉を交わしながら、性欲を愛情に変えて、互いの体を貪り合うのだろう。そしてそんな甘い幻想に浸った後、彼らはピロートークで再び「大好き」や「愛してる」、「ずっと一緒にいようね」などをささやきあうはずだ。  では、恋人同士ではない男女がセックスをしたら?  いったい彼らは、セックス中に、そしてピロートーク中にどんな言葉を交わすのだろうか。どんな言葉を交わすべきなのだろうか。  僕は…どんな言葉を梨香に言えばよかったのだろうか。  梨香に出会ったのは、日差しの強い夏の日だった。  大学二年生になると、一年生のときに比べて学校に行くのがつまらなくなった。僕は授業をサボるようになり、クーラーの効いた家の中でダラダラする生活を過ごしていた。  そんな僕の楽しみはmixiで女性と繋がることだった。片っ端からいろんな女性にメッセージをし、返事がきた子とやり取りをする。大学では出会えない社会人の女性、違う都道府県に住んでいる女性。ネットがなかったら決して交わらなかったであろう人たちとやり取りするのは、自分を違う世界に連れていってくれるようで、大学の授業よりも楽しかった。  メッセージのやり取りだけでもじゅうぶん楽しかったのだが、仲良くなってしまうとどうしても会いたいと思ってしまう。特に可愛かったりキレイな女性だったりするとなおさらだった。僕はいいなと思った女性と付き合うことを想像してみたり、時には、その女性とのセックスも妄想していた。それがその頃の僕の唯一の楽しみだった。  梨香は、僕がいいなと思った女性の中の一人だった。  住んでいる場所が同じ東京であるということ、年齢が同じ二十歳であるということ、さらに趣味が同じカラオケということ。共通点が多く、僕と梨香はすぐに仲良くなった。  梨香はプロフィールに自分の顔のアップをのっけていた。ほっぺが少しふっくらとした、リスのように可愛らしい顔。ぱっちりとした目に黒髪ロング。清楚系という言葉がしっくりくるような、優しそうな見た目をしていた。   「隔たりはなんでmixiを始めたの?」 「大学の人間関係に飽きたから、新しい人たちと知り合ってみたいなって思って。梨香は?」 「私は介護で働いているんだけど、新しい出会いがなくて。それで始めた」    梨香のプロフィール写真を見た時、「性格が良さそうだな」と僕は直感的に思った。事実、梨香の返信は常に明るく、やり取りをしていて気分のいいものだった。  性格が良さそうで、写真を見る感じ顔も可愛い。そんな梨香に僕が会いたいと思うのも当然のことだった。だから僕は思い切って梨香を、共通の趣味であるカラオケに行こうと誘った。梨香からはすぐに了承の返事が返ってきた。  強い日差しが体に降り注ぐ。体の中の体温が上昇し、汗がダラダラとこぼれ始める。その日は地面から湯気がたっていると錯覚するほど、暑い日だった。  新宿駅の南口の改札前で僕は梨香を待っていた。南口は地上に出ている。こんなに暑いなら、東口の地下改札前で待ち合わせにすればよかったと、少し後悔した。  周りに木など見当たらないのに、蝉の鳴き声が聞こえる。この新宿のどこにセミがいるのだろうと思いながら、僕は梨香が出てくるであろう改札をぼんやりと見ていた。  家にこもりたくなるような暑い日なのに、改札からはたくさんの人が出てくる。気温が高いせいか、肌の露出が激しい服装の女性が多かった。谷間が見えてしまうほどのタンクトップに、パンツが見えそうなほど短いショートパンツ。さすが新宿だ。  暑いのにもかかわらず、僕が室内に入らずに外で梨香を待っていた理由は、そういった女性たちを眺めるのが楽しかったからだ。それはmixiでたくさんの女性のプロフィールを眺める行為に似ていた。そして、その露出の激しい女性の中に梨香がいると思えば、室内で待つ理由などどこにもなかった。  そんなふうに改札を眺めていると、携帯に着信があった。梨香からだった。着いたら連絡すると言われていたが、まさか電話でくるとは。  僕と梨香はメッセージでしかやり取りしていない。僕は梨香がどういう声なのか知らない。それは梨香も同じだ。これから会うとはいえ、電話に出るのはものすごく緊張した。僕は改札から出てくる女性たちを見つめながら、勇気を出してボタンを押す。

隔たりセックスコラム連載「別れのピロートーク#2」 隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも傷ついていく姿をさらけ出す。現在、メンズサイゾーにセックスコラムを寄稿中。ペンネーム「隔たり」は敬愛するMr.Childrenのナンバーより。    生ぬるい風が当たり、唇が渇いていたことを知る。舌で舐めて潤いを与えてみたが、すぐに渇いてしまう。  カラオケを出ると、外はもう薄暗くなっていた。昼間の暑さの残りとこれからくる夜の寒さが混じった、モワッとした空気に包まれる。冷房の効いた部屋から出たばかりだから、余計にその空気感が心地悪かった。もっとカラオケの中にいたかった、と切実に思う。  喉が渇いた。でもそれは、カラオケでたくさん曲を歌ったからではない。   「なんか喉渇いちゃった。カラオケのドリンクって高いよね。ペットボトルとか買っておけばよかったな~」    横にいる梨香が独り言のように呟く。カラオケに入る前に汗をかいていた梨香の体は、冷房に冷やされ、今はスッキリと滑らかに見える。   「あ、梨香も? 俺もちょうど喉が渇いたって思ったところなんだよね」 「本当? そしたらさ、飲みに行かない?」 「飲み? お酒?」 「うん。私お酒好きなんだけど、隔たりは好き?」 「好きだよ。そしたら行こうか」 「やった! 行こ行こ!」    笑顔になった梨香は、携帯を開いて良い居酒屋が近くにないかを検索し始めた。歩きながら検索をしていたので、僕は梨香が人に当たらないようにと意識を向けながら横を歩く。  喉が渇いた。口の中に水分がある気がしない。でも、そうなった理由を想像すると、喉の渇きとは反対に心は潤う。  もし、今の僕らの会話を誰かが聞いていたとしたら。カラオケから出てきて、喉が渇いていると話す僕らを見たら。カラオケでたくさん歌ったらそりゃ喉渇くよなと、誰もが当たり前のことのように思うだろう。  けれども、僕らが歌ったのは二人合わせてたった4曲だった。梨香が最初に歌った曲、男女の交わり合いを描いた梨香の好きなロックバンドの曲、僕が梨香を抱きしめる言い訳を作るために歌ったミスチルの『抱きしめたい』、そして終わり際に「これだけは歌いたかったから歌わせて!」と梨香が歌った最近流行りの曲の計四曲。それ以外の時間は、ずっとキスをしていた。   「ねぇ、ここにしよ! めっちゃ近いし、雰囲気も良さそう」    横にいる梨香が携帯の画面を見せてくる。画面を覗こうとしたとき、視界の端にTシャツ越しの乳房が目に入った。   「いいね。そこにしようか」    視界の端に意識を向けたまま、僕は返事をする。脳裏にカラオケでの記憶が蘇り、残る。僕は右手で左手のひらを撫でた。そこに微かに残る感触を思い出すと体がくすぐったくなって、ある欲望が再び芽生える。もう一度梨香を抱きしめたいと。    梨香が選んだ居酒屋は地下にあった。地上ではないせいか、居酒屋の中はカラオケの部屋よりも涼しく感じた。   「はぁ~涼しくて最高!」    梨香は席に座ると、さっそくメニュー表を開いた。どれにしようかなと、お酒を選び始める。  欲に対して素直な行動を取る人はわかりやすく、一緒にいて楽だ。表情、声、行動の全てにちゃんと欲望が現れているから、変に気を使う心配も勘ぐる必要もない。「やっぱりビールかな~」と笑う梨香を見て、僕はそんなことを思った。   「ビールいいね。俺もビールにするよ」 「いいね! あっ! 定員さん、すみませ~ん!」    梨香は店員を呼び注文を始めた。「食べ物も注文する?」と聞かれたので、「梨香の好きなの選んでいいよ」と答えた。僕は自分の欲になかなか素直になれないところがある。というよりも、今自分が本当に何を欲しているのかがわからないことが多い。今僕がどのお酒を飲みたくて、何を食べたいかなんて、正直わからない。だから、ちゃんと欲がある人に任せ、合わせるほうが楽だ。   「はい! じゃあ、それでお願いします」    梨香は店員さんに対しても、ちゃんと笑顔で答える。その笑顔を眺めながら、僕は右手で唇をなぞり、それをそのまま左手のひらの上に落とした。自分は欲がある方の人間ではない。それでも、この唇と手のひらに残っている感触をもう一度味わいたいという欲はちゃんと存在している。   「わぁ~キンキンだ」    ジョッキの表面が曇るほど冷えたビールが机の上に運ばれた。20歳になって、お酒を飲めるようになって、僕らはもう「冷えたビールが美味しい」という、子どもにはわからない大人の世界を知っている。   「じゃあ、かんぱ~い!」    でも、「冷えたビールが美味しい」は、子どもでも何と無く想像できる世界だ。今僕は、子どもが全く想像できないような、そんな大人な状況の中にいる。   「ん~うまい!」    梨香の唇に微かにビールの泡が残る。その唇は、さっきまで僕とキスをしていた唇だ。キスをした唇でビールを飲む。キスをたくさんして渇いた口の中を、アルコールで潤す。大人はこんなことをしていたんだ、と改めて驚く。そして、もっと早く大人になりたかった、と今更ながらに思う。

隔たりセックスコラム連載「別れのピロートーク#3」 隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも傷ついていく姿をさらけ出す。現在、メンズサイゾーにセックスコラムを寄稿中。ペンネーム「隔たり」は敬愛するMr.Childrenのナンバーより。  急に人が横切って、心臓が止まりそうになった。  カラオケの部屋の扉は透明で、外を通る人が見える。部屋の中は薄暗いので、おそらく外から中の様子はわからなかっただろうが、こちらからははっきりと見えた。だが、この状況を誰かに見られてしまうかもしれないという恐怖に、不安が広がる。  僕は自分と扉の直線上にカラオケの曲を入れる機械を置いた。これで、外から中を覗かれたとしても、僕の下半身は死角となって見えないはずだ。  僕の下半身には今、梨香の顔がある。梨香は僕のモノを口に含み、ジュボジュボとしゃぶっている。   「んふ…んぐ…」    そう吐息漏らしながら梨香はモノをしゃぶる。ちょっとだけでいい、と言ったのに、梨香はもう長い時間モノをしゃぶっていた。  根元まで咥えて、吸い取るように上がる。そして再び根元まで口いっぱいにモノを含み、その口の中で舌を使って舐める。かと思いきや、口の中からモノを出すと舌先で亀頭を舐め回す。そして再びモノを口に含むと、その吸い取る動きと舐め回す動きを同時に繰り出した。  慣れていて上手い、というよりも、力強いフェラだった。モノ全体を刺激し、精子を吸い取ろうとしてくるようなしゃぶり方に、僕の下半身は震え出す。興奮してきた僕は、空いている手で梨香の乳房を服の上から触り、そしてもう片方の手で頭を撫でた。   「やばい。気持ち良いよ」    乳房を触ると、梨香は「んぐ」と体を反応させた。しかし乳房を触られることを拒むことなく、モノを舐め続けてくれる。  そんな梨香の後頭部を見ていると、初めて一緒にカラオケに来たときのことを思い出した。マイクを持って楽しそうに歌っている梨香。そして、すぐに大人の交わり合いを描いた曲を歌った梨香の、あの姿。あのとき、「梨香はエロいのではないか」と僕は思った。エロいから、セクシーな曲を堂々と歌えるのだと思った。  歌っている曲と性格を紐づけるのは短絡的だが、今しゃぶってくれているこの梨香を見ると、その予想は外れていなかったという確信が生まれてくる。ちょっとだけでいい。僕はそう言った。仕方なく、というふうにフェラを始めた梨香は、もうただ舐めるだけでなく様々な動きを咥えながら、長い時間しゃぶってくれている。  顔を見たい、と思った。あの楽しそうにマイクを持って歌っていた梨香が、マイクをモノに持ち変えるとどんな表情になるのか。ちょっとだけでいいと言ったのに長時間しゃぶってくれている梨香はどんな顔をしているのか。ほっぺがふっくらとしたリスのような可愛い顔。そんな梨香のフェラ顔を、僕は見たいと思った。   「梨香」    呼ぶと、梨香は口をモノから離した。そして折りたたんでいた体を、ゆっくりと起き上がらせる。  梨香の横顔が目の前を横切った。  その動きがスローモーションに見えて、僕の心はキュッとなる。   「梨香」    顔を見る。梨香は表情を変えずに、じっと僕を見ていた。  黒くて丸い瞳が僕を捉える。その瞳は薄暗いカラオケの中でも特殊な輝きを放っているようで、僕は目を奪われてしまい、動けなかった。  少し乱れた髪、そして唾液でテカった唇。何も言わずそこに佇む梨香は、同い年とは思えないほど大人に見えた。欲求に素直で、よく笑い、明るくて高い声で喋る梨香。そんな普段の梨香との振り幅のせいか、黙るだけでより大人に見える。  僕は何も言わずに佇む梨香にキスをした。まるで吸い込まれるように。唇が重なると、僕はすぐに舌を中に差し入れた。  モノをしゃぶるときに溢れ出た唾液が、僕の唇に触れる。梨香の舌から、性器舐めたとき特有のザラザラとした苦い味がした。舌を絡めて僕はそれを味わう。まるで、女性器を舐めているような感覚だ。モノを舐めた梨香の舌を味わうことは、僕にとって、梨香の性器を味わうのと等しい興奮があった。  一度火のついてしまった気持ちはなかなか消えない。僕は梨香の乳房を揉みしだきながら、呼吸を荒くして唇を貪る。  「はぁはぁ」と漏れる梨香の吐息が油となって、僕の心の火に注がれる。それによって破裂してしまいそうなほどの大きく膨らんだ炎のような気持ちは、最終的に下半身の硬くなっているモノにたどり着く。

セックス体験談|別れのピロートーク#4の画像1
※イメージ画像:Getty Imagesより

 

「ごめん。まだ引っ越しの片付け終わってないんだ」

 

 体を屈ませて靴を脱ぎながら、梨香はそう言った。ワンピースのスカートが持ち上がり、白くてムチムチとした生足があらわれる。僕はそこに無意識に目を奪われながら「うん」とだけ返した。

 靴を脱いで部屋に上がる。玄関の先には小さな廊下があって、左にキッチン、右には浴室とトイレがあった。梨香はスタスタと歩き、その先の扉を開ける。

 6畳くらいの真四角な部屋だった。壁は白く、床のフローリングは光っているように見える。

 

「新築?」

「うん」

 

 次の行動の目的を見失ったのか、梨香は浮遊するように部屋の中を歩き、「ダンボールまだ開けられてなくて」と独り言のように呟いた。見ると、部屋の隅にダンボールが積んである。

 

「大丈夫だよ。ぜんぜん気にならない」

 

 部屋の中でふたり、立ち尽くす。目が合うと、梨香は不安そうな顔を見せた。

 

「ごめんね。一人暮らしも初めてだし、人を家に入れるのも初めてでさ。だからどうしたらいいかわからなくて」

「そうなんだ。ぜんぜん気にしなくていいよ」

「ありがとう。でもごめんね、座るところもないし」

 

 部屋にはテレビと小さな丸机が置いてあるだけで、椅子やクッションはなかった。僕をどこに座らせようかと、梨香は戸惑っていたらしい。

 

「ううん。大丈夫だよ」

 

 僕はチラリと横に目をやる。そこにはベッドがあった。

 キスして。もっと深く。ベッドで愛して…。

 

「床に座る。でも、もしお尻が痛くなったらこのベッドに座っていい?」

「うん。そしたらベッドに座っていいよ」

 

 梨香は「なんでそれが思いつかなかったんだろうね」と笑いながらベッドに座った。ああ、梨香らしい笑顔だなと思った。初めて会った日のカラオケ、居酒屋で見せてくれた明るい笑顔。今日はずっと緊張していたんだな、と思う。

 梨香のベットは、いわゆるお姫様ベッドというのだろうか、白と淡いピンク色の可愛らしいベッドだった。意外にお姫様が好きなのかと想像するとなんだか愛おしくなってきて、ちょこんと座っている梨香を抱きしめたくなる。

 そんな欲望を隠すように、僕もベッドに座った。キシっと音がなる。少し安物なのだろうか。このベッドでセックスをしたら音がうるさそうだな、とぼんやり思う。

 梨香がはおっていたカーディガンを脱いだ。ワンピースはノースリーブだったらしく、むっちりとした腕があらわになった。二の腕が柔らかそうで、思わず手が伸びそうになる。だが、我慢我慢。

 

「どう? 一人暮らしは慣れた?」

 

 下心を隠すようにして聞く。

 

「うーん。まだぜんぜんかな。やっぱり家に誰かいたほうが楽しいなって思うし」

「家族と仲良いの?」

「うん。けっこう仲良いほうだと思う」

「そっか。だとしたら、ひとりになるのはちょっと寂しいよね」

「寂しいね。夜が特に静かだから、寝る前とかはやっぱり寂しくなる」

 

 夜、寝る前、寂しい。梨香とのセックスを期待している僕には、その言葉は誘っているようにしか聞こえない。

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