美咲かんなエッセイ:ふしだらな気持ち「難しい女」

AV女優・美咲かんなが日常を綴る連載エッセイ:ふしだらな気持ち

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美咲かんな

理想の本棚

 本棚が欲しい。そう思い始めてから既に1年近く経っている。数年前までは扉付きの棚に収納していたのだが、あまり大きい棚ではなかったのであっという間に満杯になり、結局段ボールや蓋つきの箱に入れることが多くなってしまった。それからずっと本棚は構えていない。

 適当な本棚を用意して収納することは簡単だが、そうしないのには理由があった。

 まず、好きな本のラインナップを人に見られるのがなんか嫌だ。SNSでは自分の本棚を晒すというのが一部で流行っているらしく、そうすることによって同じ趣味の仲間を増やしたり、おすすめの作品を紹介してもらったりすることができるという利点があるらしい。

 しかし、愛読書を他人に知られるということは、ある意味自分の脳内や心の内を知られるということに似ていないだろうか。かなり気恥ずかしい。赤の他人はもちろん、身近な家族や友人に知られるのも抵抗がある。

 更に本棚の掃除をどうするかという問題がある。オープンなデザインの本棚の方が本の出し入れはしやすく、家具自体の価格も安価だが、その分埃が溜まりやすい。どちらかというと部屋を綺麗に保っていたい方なので頻繁に掃除はするが、そもそも埃が溜まりそうな案件は避けていきたい。

 以前使っていたような扉付きも検討したが、そうすると内寸に収まるものしか置けなくなる上に、サイズによっては扉がついているだけで結構重たくなってしまう。模様替えや引っ越しが好きな私にとって、重たくなるのはあまり喜ばしいことではない。しかも扉付きは数も少なく、選択肢が狭まる。

 今回、本棚を置きたい理由として「本を眺めたい」ということもあるので、家族に愛読書を知られるリスクを冒してでも本の見やすさを優先したい。

 扉付きならガラス戸がいいが、我が家にはお気に入りのガラス戸の食器棚があるので、デザインを被らせたくない。

 そうすると扉は無しのタイプで、埃や日焼け対策にせめてオープンラックは避け、ボックスタイプにしたい。文庫以外も並べたいので、棚板の高さは違う方がいい。木目を楽しみたいので天然木は絶対条件で、仕上げはオイルワックス。本棚となると紙ににおいが移るのが気になるので、古道具は避け…。

 

「難しい女」

 恋人がいたころ、クリスマスや誕生日のプレゼントにアクセサリーをもらったことがあった。きっと私が身に着けることを想像して一生懸命選んでくれただろう。その気持ちが嬉しくてなるべく身に着けてはいたが、やはり自分で選び抜いたものとは違い、愛し尽くすことができなかったのだ。

 それを踏まえ、実用的なものをさり気なくプッシュしてみたが、それはそれで使っているうちに「あれ、なんか違う」と思い始め、より自分に合った道具を本能が求めてしまい、次第に合わないプレゼントは存在すらも忘れてしまう。

 「誰からもらったか」ということではなく、あくまで「自分と物の相性」が優先だ。現実的過ぎて我ながらちょっと切なくもある。身近な人たちはそれを知っているので、必要なものを聞いた上でプレゼントしてくれたり、もはや現金や商品券が恒例になった。

 あとは消耗する日用品か、食べ物や花など「消え物」の場合もある。味わいがないと思う人もいるかもしれないが、この辺の好みも人それぞれだから別にとやかく言われたくないな、と思う。

 こんなことを書くと気難しい上に冷血な人間だと思われそうなので、少しだけ弁解させてほしい。

 プレゼントを選んでくれる人の気持ちはありがたいし、自分では選ばない物にチャレンジするきっかけにもなる。そして何より嬉しいのは手紙やメッセージカードの類だ。応援してくれるファンの皆様や家族からの手紙は些細な内容のものであっても、大切に保管している。

 文章を読むこと自体ワクワクするし、心を込めてくれたというのが伝わる。なんてったって手紙はかさばらないし、保管しやすい…おっと、いけない。また現実的なことを言ってしまった。

 さて、とにもかくにも近い将来本棚は手に入れたいと思っている。「好みに合うのがなければ作ったらいいじゃないの」というわけで、セミオーダーくらいにしよう。DIYはできない。本たちだってお気に入りの本棚に並べてもらった方が、クローゼットで忘れ去られるよりも嬉しいはずだ。

 ただ、本棚を注文する前に周辺スペースの配置換えなど、環境整備から始めたい。支出も重ならないようにしたいので発注のタイミングも考えよう。

 嗚呼、来年になりそうだ。

美咲かんな

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【美咲かんな】
生年月日:1994年7月3日
スリーサイズ:T158・B85・W58・H88(cm)
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 突然だが、君たちはセックスについて真剣に考えたことがあるだろうか。私はいつも考えている。秋の夜長の暇潰しに、今日もまた一緒に聞いて想像して、悶々していただきたい。セックスという言葉を知ったのは中学1年生くらいの頃だったと思う。長らくウブだった私はエロについての知識を全くもっておらず、ある日、同級生の男子に「セックスって知ってる?」と茶化すように聞かれた。それが「セックス」との出会いだ。その後同性の友人に何のことか教えてもらおうとしてもはぐらかされてしまい、辞書で調べたが詳細がよくわからないまま放置した。

 桃の季節も終わり、街で見かける広告には芋や栗、秋鮭などが目立つようになってきた。食いしん坊は季節の移り変わりも旬の食材で把握している。一部の食材以外は年中スーパーなどで手に入る時代だが、旬の食べ物は安く手に入る上に美味しさも段違いだ。測る術がないため調べてはいないが、なんと栄養価も違うらしい。仕事や人に合わせるとき以外は、そのとき食べたいと思ったものを我慢せず食べるのが私の生き方であり、生き甲斐だ。

最近、サイン会で兵庫と岡山に行く機会があった。どちらも子供のころ以来で、ここ数年は大阪より西に行くという発想すら失っていたので、「行こうと思えば行ける」というのは新発見である。

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