そして当日。LINEでのやり取りを繰り返し、渋谷のハチ公前で無事に合流する。
「こんばんは、Y子ちゃんだよね?」
「は、はい。こ、こ、こんばんは」
ガッチガチに緊張している様子のY子ちゃん。
「そんなに緊張してたら、せっかくの機会を楽しめないよ」
「な、なんだか芸能人の方とお会いするような気分で、舞い上がっちゃってます」
「そ、そんな上等なものじゃないって。ただのスケベオヤジなんだからさ」
「で、でも、ずっと憧れてたので…」
「どのくらい前から俺の記事を読んでくれていたの?」
「だ、だいたい5、6年くらい前からです」
「それは結構長いね」
「時間のある時にもっと古いのを遡って読んでるんです。どれくらい前から書いてるんでしたっけ?」
「この間ちょうど10年経ったところだよ」
「じ、10年ですか。そんなに続けられるって凄いですね」
「凄くなんかないよ。ただのエロ日記みたいなものだからさ」
「で、でも、私みたいな女性ファンって結構多いと思います」
「それが不思議なんだよね。あのサイトは“メンズサイゾー”っていうくらいだから、おっさんしか読んでないと思ってたよ」
「そうなんですか? 私は普通に毎週楽しみにしてますよ」
「ありがとう。でも俺って時々毒舌になるでしょ? 読んでいて不快じゃないかな?」
「毒舌ですか?」
「うん。おデブちゃんとか不細工ちゃんの時は、思いっきりディスってるでしょ?」
「は、はい。でも、そういうお話も読んでいて楽しいです」
「楽しい?」
「はい。自分に正直な人なんだなって思いながら読んでます」
「正直かぁ。たしかにそうだね。とくにチンチンは正直だから、さっきからずっと勃起しっぱなしだよ」
“チンチン”の部分だけを小声で伝える。恥ずかしそうにして周囲をキョロキョロするY子ちゃん。下ネタに走るのはちょっと早すぎたかもしれない。
「それにしても驚いたよ」
「え?」
「貰った写メより実物のほうがずっと綺麗なんだもの。写真うつりが悪いってよく言われない?」
「そ、そんなことないですよ。わ、私なんて全然ブスですから…」
「シッ! 駄目だよ。Y子ちゃんみたいなコがそんなこと言ったら」
口元に1本指を立て、周りに視線を泳がせる。少し芝居がかり過ぎていたかもしれない。
「え?」
「周囲にしてみたらただの嫌みにしか聞こえないよ。Y子ちゃんがブスだったら、世の中の女性の9割以上は超ブスってことになるんだからさ」
「は、は、はい。あ、あの、ごめんなさい」
「あ! こっちこそごめん。ちょっと興奮しすぎちゃった。でも、正直者の俺が言うんだから、今日は謙遜するの禁止でお願いね」
「わ、分かりました」
「そういえば、Y子ちゃんのほうこそ驚いてるでしょ? メッセージで送った通り、実物の俺ってエロが服を着て歩いてるみたいじゃない?」
「そ、そんなことないです! 本当にイメージ通りで、めちゃくちゃドキドキしてます」
「それっていい意味でってことなのかな?」
「もちろんです!」
思いのほか盛り上がってしまった。なかなかの好感触だ。ここからホテル街に向かって歩き始める。
数分ほどで到着し、グレードが高めのところにチェックイン。
部屋に入ったところで、話題を本格的な下ネタに切り替えることにした。
「じゃ、まずは宿題の答えを教えてくれる?」
「え?」
「ほら。LINEで伝えておいたでしょ? 今日はどんなエッチがしたいのか考えておいてって」
「あ、は、はい」
「ショーイチさんにお任せしますっていうのはナシだよ。Y子ちゃんの言葉でどんなエッチをしたいのか教えてくれる?」
「で、でも…、は、恥ずかしいです」
「俺の読者なら分かってるよね。教えてくれないと俺が本気を出せないって」
「は、はい。そ、それじゃあ…。た、たくさん舐めてほしいです」
「具体的にはどこを?」
「え、えっとぉ」
下を向きながらモジモジするY子ちゃん。恥ずかしさのあまりこちらの顔をまともに見られないのだろう。
これ以上問い詰めるのは酷だと判断して助け舟を出すことにした。
「たくさんアソコを舐めてほしいってことかな?」
「は、はい。でも、アソコだけじゃなくて色んなところを舐めてほしいです」
「もちろんだよ。言われなくてもそのつもりだから安心して」
「は、はい。あ、あとひとつお願いがあるんですけど…」
「なんでも言って! 人殺しと放火以外だったら喜んでするよ」
「フフ、その言い方、ショーイチさんって感じがします」
「あれ? 記事で書いたことあるっけ?」
「はい。読んだような気がします」
「でも、本心だよ。Y子ちゃんのためなら何でもしてあげたいって思ってるよ。で、お願いってなにかな?」
「わ、私もショーイチさんに気持ちよくなってほしいです」
「そんなの簡単だよ。Y子ちゃんに奉仕しているだけで最高に気持ちよくなれると思うよ」
「そ、そういうのじゃなくて、私も、ほ、奉仕したいです」
「あ、ありがとう。それじゃあ、ふたりで心を込めて奉仕しあおうね」
「はい」
別々にシャワーを浴びてベッドインスタート。
照明は明るいままにした状態だ。当コラムの愛読者であるY子ちゃんなので、筆者に気を使ってくれたのだろう。
ディープキスをしていると、Y子ちゃんがこちらの唇や歯茎をベロンベロンに舐めまわしてきた。
これはおねだりに違いあるまい。口で言うのが恥ずかしいから、シてほしいことを表現しているのだと思われる。
負けじとこちらも相手の唇や歯茎を舐めまわす。そして、数分ほど経ってから顔を離す。
ハっ!
ここで気づいた。Y子ちゃんの口元のホクロがわずかにしか見えていないではないか!
ファンデーションか何かを厚く塗って隠しているのだろう。出会ってから数十分以上経っているのにようやく気付くとは筆者もまだまだ青い。
もしかしたら彼女にとって口元のホクロがコンプレックスになっているのかも? 「そんなことないよ。セクシーで素敵なチャームポイントだよ」と言ってあげたかった。
しかし、初対面でそこまで踏み込むのは危険だ。今日のところは華麗にスルーすべきだと判断。そのままオッパイ愛撫をスタートすることにした。