【緊急インタビュー連載】アフターコロナ:アダルト業界の未来#1 AVプロデューサー・淫語魔編

 他のジャンル同様、アダルト業界も新型コロナ禍に巻き込まれ、現在、AVメーカー、AV女優、アダルトショップ、ライブハウスなどの多くが活動を自粛している。

 この未曽有の危機をアダルト業界がどう対応し、今後、どう対策を施し活動再開していくかを様々な関係者にインタビューし、アフターコロナの世界を語ってもらった。

 第一回目はAVプロデューサ歴12年、現在は『FANZAニュース』などでライター、インタビュアーとしても活躍するインテリAVプロデューサーの淫語魔氏に撮影現場の現状や新たにブレイクする可能性があるジャンルなどを聞いてみた。※インタビューは4月下旬に電話で実施)

 

辣腕AVプロデューサーの淫語魔氏はライターとしても活躍中だ

 

――AVプロデューサーとして活躍されていますが、どのような形で撮影に関わっていますか?

淫語魔:元々、マリオンというメーカーにいましたが、いまはフリーのプロデューサーです。ライター業も始めたのでフリーになりました。文章を書きたいこともあり、これを機会にいろんなところに出ています。

――AVのプロデューサー業は何年目ですか?

淫語魔:12年くらいです。いつの間にか、するするとここにいた感じです。

――AVプロデューサーになってから、このような危機的状況は初めてですか?

淫語魔:そうです。東日本大震災の時も撮影は続いていました。一瞬は自粛もしましたが、今回の新型コロナ禍のように先が見えない感じではなかったので。

――新型コロナ禍までは月に何本くらい撮影していましたか?

淫語魔:3、4本です。

――2月あたりから日本では新型コロナの騒ぎが起きましたが、ここまでAV界に影響が及ぶと予想していましたか?

淫語魔:当初はそこまでとは思っていなかったです。新手のインフルエンザが流行っているみたいな感覚でした。1月くらいまではそう思っていたんですが、2月くらいから販売イベントの自粛が始まったんです。インフルエンザも大流行したらイベント自粛をすることもあります。インフルエンザでただちに撮影をストップさせることはなかったです。

――AVの現場では撮影よりも、先に販売イベントの方が中止になり始めたんですか?

淫語魔:そうです。いまはAVがなかなか売れないのでショップを含めてイベントありきで撮影をするところもあるようです。

――販売イベントに力を入れて作品を撮るメーカーもあるんですか?

淫語魔:販売イベントを計算に入れて制作しているところは決して珍しくないです。販売イベントで制作費を回収して、あとは通常の売り上げで儲けを見込む。だから女優の集客力を当てにしてキャスティングしてきたメーカーは大変だと思います。

――イベントが減少し始めて、撮影現場への影響は出始めましたか?

淫語魔:撮影現場の人間はイベントと直接、関係ありません。だから、そのあたりは疎かったと思います。少なくとも1月、2月くらいまではイベントが組みづらくなっていきましたが、撮影自体は通常通りでした。ただ、2月後半から3月にかけて、メーカーによっては撮影時に体温を測るという話もありました。体温を測って体調が悪かったら帰ってもらったりしていたようです。

――淫語魔さんの撮影現場では体温測定はありましたか?

淫語魔:3月に入って検討していたところでした。

――まだ、撮影現場は大丈夫という感覚が少しはあったんですね?

淫語魔:そうです。どちらかというとそういう感覚です。

――イベントは不特定多数の人間が集まるけど、撮影は知っているスタッフばかりだから大丈夫という安心感ですか?

淫語魔:それもありますし、普段からみんな健康には気をつけているんです。新型コロナだけではなくて、そもそも感染病にかかったらアウトです。結構、体調管理がしっかりしている方は多いと思います。普段からマスクをしている人が多いです。

――女優、男優はもちろんですが、スタッフ陣も気をつけているんですね?

淫語魔:スタッフもインフルエンザになったらアウトです。全快するまでしばらく呼べなくなります。だから、通常の気をつけ方でいいと、そこまで気にしてはいなかったです。当初、若い人はそこまで重症にならない話もあったので、そこは世の中の感覚とリンクしています。

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