【元デリヘル店長の回想録】奨学金返済のため嫌々風俗業界入りした女のコ


 さっきより幾分マシにはなったが、歯が当たらなくなっただけ。“咥えているだけ”で、まったく気持ち良くなかった。


「その状態で、頬をへこませる感じで吸ってみて。唾液をすする音とかが出せればもっといいかな」

 この言葉にユアは


ぢゅっ…ぢゅるる…ぢゅるる…ぢゅるっ


 と下品な音を立てながら、ゆっくりペニスを吸い始めた。

 これで、風俗での“人並みに気持ちいいフェラ”の体裁は整うだろう。


「それじゃあ、このままフィニッシュまで頑張ってみようか」

 彼女の目を見てそう話すも、ユアは目を合わせようとしないばかりか、不機嫌そうですらあった。


じゅぽ、じゅぽ、じゅぷ…ぢゅるるっ。


 しっかりペニスをしゃぶるユア。

 コミュニケーションに難があるし、そもそも風俗の仕事を嫌がってはいるんだろうが、頑張ろうとしていることだけは分かった。

 そのうち、“健気だと思えないこともない”このシチュエーションに興奮してきた。

 その結果、何の前触れもなく、いきなり彼女の口の中にザーメンをぶちまけてしまった。


「うっ、出る!」

「んんぅっ!? うっ…ごほっ、ゴホッ!!」

 突然の口内射精に咳き込み、涙目になるユア。


「ごめんね。大丈夫?」

「口の中に出すなら、ちゃんと言ってもらわないと困ります…」

 

 そりゃそうだ。完全にこちらが悪い。だが、


働き始めたら、こんなハプニングもあるかもよ…


 なんて、自分勝手な言い訳がアタマに浮かんでしまうのであった。

(文=小鉄)


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