【元デリヘル店長の回想録】意外にめんどくさい嬢の給料計算


【スカウトバックと顧問料】

 給与計算を面倒にしている要因のひとつに、スカウトマンの存在もあるだろう。

 スカウトマンから紹介された嬢に給料が発生すると、スカウトマンにも報酬が入る。この報酬には、スカウトバックや顧問料がある。もちろん、風俗嬢の給料とは別で用意しなければならない。


・スカウトバック
 女のコが稼いだ給料の10~20パーセントをスカウトマンに支払う。この「女のコが稼いだ給料」は、雑費が引かれる前のものだ。このパーセンテージは、スカウトマンによって異なる。

 よほど名の知れた人気店でもない限り、多くの女のコがスカウトマン経由で入店することを考えれば、どうしてもお店側は立場が弱く、スカウトバックの歩合はスカウトマンの提示した条件で取引するのが一般的とされる。


・顧問料
 スカウトマンによっては、顧問料を支払わなければならない場合がある。これは紹介されたコが出勤する度に必要になるもので、顧問料2000円のコが月に20回出勤すれば4万円となる。

 スカウトバックが完全歩合制であるため、女のコが思うように稼げなかった場合の、スカウトマンの保険みたいなものだ。


※ ※ ※

 給料の計算間違いは、女のコはもとより、スカウトマンからの信用もなくしてしまう。そのため、慎重に慎重を重ねなければならない。ということで、ふたりで確認作業している店も多く、さまざまな業務をこなすスタッフにとっては、より神経を使うという意味でも“かなり”面倒な業務となるのだ。

(文=小鉄)

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