【元デリヘル店長の回想録】意外にめんどくさい嬢の給料計算


【雑費という引かれモノ】

 女性への給与は、稼いだ金額がそのまま支給されるところもあれば、雑費という名目で数パーセントを引かれるところもある。

 雑費はおおよそ5~10パーセントほどが相場で、一日の給料の総額から引かれるのが一般的だ。

 例えば、5パーセントの雑費のある店で日給5万円の給料を稼いだ場合、2500円引かれた47500円が女のコの手取りとなる。

 ややこしいのは、この雑費も働く女の子の条件によってあったりなかったりすること。雑費の有無をしっかり覚えておかないと、給料計算できないわけだ。

 この雑費制度は、元々は高級ソープランドなどでタオル代やお土産代が女のコの給料から引かれていたものをヘルス店が模倣した、と言われている。

 一昔前まではポピュラーな制度だったが、働き手不足が加速している近年の風俗業界では、他店より少しでもいい労働条件を提示しようと「雑費なし」をウリにする店も増えた。

 現状、地方都市ではほとんどの店で廃止されているとも聞く。都市部ではまだ残っている店も多いが、近い将来すべての店で見られなくなる可能性は十分にあるだろう。


【日給保証制度による給料計算】

 風俗業界は、女の子の給料が完全歩合である場合が多い。おっぱぶやオナクラ、ピンサロのようなソフトサービスの店は時給、それ以上のヘルスサービスがメインとなる店は完全歩合である。

 完全歩合となると、8時間出勤して給料が1万円もなかったり、調子が悪ければ0円なんてことも珍しくない。働く女の子からすれば、できれば安定した収入が欲しい。そこで考えられたのが、日給保証制度だ。

 この日給保証制度は、出勤頻度や指名率など何かしらの条件を達成することを前提にスカウトマンと交渉し取り入れられる稼ぎ方で、現在の風俗業界でかなりメジャーなやり方だ。

 条件を満たしていれば出勤するだけで給料が保証されるということで、5万円の日給保証を受けていて出勤日に3万円しか稼げなかった場合、追加で2万円の給料が店から支給される。

 もちろん、保証額や条件は女の子によって違うため、個別で条件を把握しなければならない。8時間出勤して2万円保証のコもいれば、6時間出勤で5万円のコなんてコもいた。働く女のコが多くなるほど、給与の計算は面倒になっていく。

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