今度は上半身を起こし、挿入角度をアレコレ変えながらK子ちゃんのスイートスポットを探っていく。そのピストンの途中で、
「キ、キスして」
と、涙目で筆者をまっすぐに見つめ、おねだりしてくるK子ちゃん。
このおねだり上手め!
1回戦同様、上半身を密着させ、ディープキスしながらのピストン。
両手両足を筆者の背中でクロスさせ、逃すまいとしてくるK子ちゃん。まるで肉食動物に捕えられた獲物の気分だ。
はぁぁぁぁぁ、ぼ、ボカァ、幸せだなぁぁぁ…。
またもや若大将ハイに突入。こうなると、脳内麻薬のせいで発射の前兆が分からなくなってしまう。
ドピュっ!
超低速ピストンの最中、最初の1ドピュが出てしまった。
ドピュりゅるりゅりゅりゅ。
残りのザーメンをせき止めることなんて、できるはずがない。そのままヒリ出しながら、「イクよ」と告げるのが精一杯だった。
ふぅ。
こうして、2回戦も早漏発射でフィニッシュすることになった。
しばし余韻を味わってからチンコを引き抜き、後処理を始める。
「ゴメンね、K子ちゃん」
「え?」
「挿入じゃイケなかったでしょ?」
「謝らないでください。すごく、すごく幸せでした」
「俺も同じだよ」
「えっ?」
「ずっと幸せだなぁって思いながら愛してたんだよ」
「う、嬉しい」
「する前から分かってたんだけど、やっぱり俺たちって相性がいいのかもね」
「はい! こんなに気持ち良くて幸せなエッチは初めてでした」
「そう言ってもらえて安心したよ」
コンドームをゴミ箱に捨てるついでに時刻を確認すると、16時20分だった。
K子ちゃんとなら後2回くらいは愛し合えそうだったが、そろそろタイムリミットだ。
「K子ちゃん。もっと愛し合いたいけど、そろそろ時間だよ」
「えっ? もうですか?」
「うん。40分後には新宿駅に着いていないと駄目だよ」
「わ、分かりました…」
そう言った途端、うつむいてしまうK子ちゃん。よく見ると、肩が小刻みに震えていた。
もしかして泣いてるのか!?
目の前で女性に泣かれた経験などほとんどなく、どう対応すればいいのか分からなかった。
いつもはよく動く舌も、凍り付いてしまう。
なんて言葉をかければいいのだろう。
頭の中で言葉を探していると、ここでようやくK子ちゃんが顔を上げてくれた。
「ショーイチさん。これからも、たまにでいいので会ってくれますか?」
「もっちろんだよ。K子ちゃんさえよければ、明日にだって会いたいよ」
「ほ、本当ですか?」
「K子ちゃん、もう分かってるよね。今日はK子ちゃんの前で一度も嘘をついてないよ。心の底からそう思ってるんだよ」
そう伝えると、またもやK子ちゃんはうつむき、「う、嬉しい…」とひと言。
また放置するしかないのか…。だが、これ以上時間をかけていたら、彼女が長男を迎えに行く時間に遅れてしまう。
「ほら、いつでも会えるんだから安心して。さぁ、シャワーを浴びてきなよ」
「は、はい」
泣き顔を見せたくないのか、K子ちゃんは顔を背けながら浴室に駆け込んだ。