「こんにちは、詩織チャンだよね?」
「あ、はい。詩織です」
「良かったぁ、あ、俺、【イククル】で約束してたショーイチです」
「よ、よろしくお願いします」
「俺、こんな感じだけど平気かな?」
「え?」
「あ。もし嫌だったらこのままゴメンナサイしてもらっていいからさ」
「え?」
「もしなんだったら俺しばらく目を瞑ってるからダッシュで逃げてもいいんだよ」
「フフフフフ、面白いんですね、ショーイチさんって」
「そ、そうかな? ま、こんな感じだけど大丈夫?」
「はい。ショーイチさんのほうこそ、私で平気ですか?」
「もっちろんだよ!! こんなに可愛いだなんて思ってなかったからさっきからずっと舞い上がっちゃってるよ」
「フフ、そんなことないですぅ」
よし、掴みはこんなもんだろう。筆者にしてみればワンパターンの鉄板ネタだが、相手に不快感を与えない程度に距離を縮めることができたように思える。
こうしてホテル街に向かって歩き始める二人。
「ところで詩織チャンお昼ご飯は大丈夫?」
「え?」
「ほら丁度お昼どきだからさ」
「あ、はい。朝ご飯しっかり食べてきたので平気です」
「そっか、なら軽くコンビニでお茶でも買っていこうか?」
「はぁい」
こんな感じで無難に会話を進め、コンビニに立ち寄ってから無事にラブホテルにチェックイン。
まずは二人掛けのソファに並んで座り、買ってきた飲み物で喉を潤す。この時筆者は五感をフルに働かせて詩織チャンの洋服の中身を想像していた。手をちょっと伸ばせば触れられる距離だが、あえて己を焦らすためにじっと我慢。横目で胸のふくらみを盗み見て、鼻腔を膨らませながら彼女のほんのりと甘い感じの体臭を嗅いでいたのである。
「詩織チャンはどんな風にエッチされるのが好きなのかな?」、若干唐突ではあるがそう問うてみたトコショー。
「うーん、最初は優しく優しくされうのが好きかな」
「え? 最初はってことは、徐々にハードにされるのが好きなの?」
「うーん、ハードっていうかちょっと強引に求められると嬉しいかも」
「ふーん、そうなんだぁ。ちょっとM入ってるのかもね」
「えぇっ、そんなことないですよ」
「いや、それ絶対Mだよ」
「そんな、普通ですって」
顔はとっても純朴そうなのにこちらのエッチな質問に臆することなく答えてくれる詩織チャン。大都会新宿の昼下がり、ラブホテルという個室の中でつい先ほど出会ったばかりの男女がこんな会話をしているなんて、本当にこの日本という国は平和である。
いつもならここで女性をシャワーに促すのだが、この時は少々様子が違った。詩織チャンの身体から漂ってくる甘ったるい体臭にヤられてしまっていたのである。
シャワーを浴びちゃったらこの体臭が消えてしまうかもしれない。どうせならこの体臭をクンカクンカしながらセックスしたい!!