ふわふわ綿毛な女の子たちを抱きしめたい! 茶否『お姉ちゃんと妹は俺の嫁』

ふわふわ綿菓子みたいな女の子たちとの濃厚えっちが魅力な、軽くてずっしり満足感な一冊!

茶否『お姉ちゃんと妹は俺の嫁』

 エロ漫画の醍醐味の一つは、リアルよりも感覚的にねっとりむっちりした快感を体験できることです。体温とか、汗とか、体液とか。肉と肉の触れ合う触覚を、現実よりもねちっこく描写できるからエロ漫画は面白い。

 しかしこんなことも、たまに考えたことありませんか? 「ねちっこさを味わいつつ、女の子はできる限りきれいであってほしい!」「ガチンコエロが見たいけど女の子はさらふわでいてほしい!」 たまにはね、思いますよね。ソースはぼく。

 この「さらふわ」と「ねっちり」を両立出来るのが茶否氏です。元々は割とロリ漫画を描くことが多かったのですが、この作品集は成熟した「お姉ちゃん」から未成熟な「妹」まで、性癖的に非常に広く、かつ等身的には幅狭く楽しめるようになっております。

 面白いのは、汗の匂いを感じるくらい肌を密着させあっているし、ぷにぷに肉感的な女性がそこに描き込まれているというのに、女の子たちがやけにフワフワしているんですよ。これは実際に読んでもらわないと分かりづらいと思うんですが、まるでぬいぐるみみたいなんです。極めて官能的で、こちらに愛情を向けてくれる、ふっかふかのぬいぐるみのような愛おしさ。

 質感がないわけじゃないんです。たとえば「あねもみ!ふるーてぃー」という作品ではダイエットがテーマになっており、お姉ちゃんの肉体がいい具合にお肉が付いていて、それはもう贅沢ボディなわけですよ。マッサージオイルを身体に塗りたくるシーンのまあ柔らかそうなこと。ところがこんなにねっとりしているのに、お姉ちゃんを抱くシーンが非常にふんわりしている。

 あっ、そうか。少女の軽さを絵柄が内包しているんだ!

 茶否氏は先ほども書いたように、ロリ漫画でも定評のある作家さんです。自己紹介にも「ロリコン検定一級」「炉物商」とあります。ロリ作品の方も自分は大好きで読んでいましたが、非常に巧みに描かれます。

 このロリ漫画で磨いた「少女らしさ」を、「女性の持つ肉体美」にリミックスしてるんですよ。だから肉感的なのに非常にふんわりなのです。なんか料理の例え方みたいですが、コクがあるのに口溶けさっぱりとでもいいましょうか。茶否作品でしか味わえないかなり特殊なノリなのです。

 オススメは「つれてけ!なつまつり」という短編。しっとりしたお姉ちゃんと、小動物のようにかわいらしい妹の姉妹丼が楽しめます。しかもこのあとに続く「あとのまつり」編で、めくるめく淫猥な生活が毎日続くんですよ。これは天国ではあるまいか。

 ラブラブで始まるシチュエーションが多く、かつ終わりもアマアマなので姉妹物は「ちょっと……」、と敬遠されていた方でも安心して読めます。少女が持っている特有の浮遊感が女性の肉体に宿っている様を堪能してみてください。

(文=たまごまご/たまごまごごはん

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