カンニング竹山、『エンタの神様』で魂の咆哮! テレビ愛・相方愛、そして…


 今回の番組出演で当時を振り返り、「何かこの番組に爪痕を残さなきゃと無我夢中だった」と話す竹山。そして、とにかく無茶苦茶なことをやってしまったが、「おかげでバンバン売れたわけですよ」と得意気な表情を見せた彼は、突如「前と一緒のことやります! これがテレビですよ!!」と声高に宣言すると、服を脱ぎ捨て、ブリーフ一丁と靴下だけの姿となる。

 そんな竹山の姿にスタジオからは悲鳴が上がるも、竹山は平然と「オジさん、ウンコしようとして夢を掴みました。テレビには夢があんの」と話し始め、「今起きていることを伝えるのがテレビ」「だからテレビは面白い!」と叫びだし、「若い者は必死でやりたいことをやれ!」と熱弁をふるうのだった。その言葉の数々は熱気に満ちあふれ、およそ芸人の口から出ているとは思えないような主張だが、姿を見ればブリーフ一丁で、そこには紛れもないカンニング竹山の“芸”があった。

 竹山は、今起きていることをありのままに伝えず、見えない力(自主規制や世間の反応など)によって委縮し、それゆえつまらないものに成り下がってしまったテレビに対して、強い憤りや違和感を持っているのだろう。だから彼は、苦情も覚悟して放送された当時の脱糞未遂事件を振り返りながら、今回の舞台で、それをネタにしたに違いない。そしてもちろん、そんな無茶苦茶なことを舞台上でしながら放送してくれた当時の番組への感謝の気持ちもあっただろうし、また、相方である中島の存在をもう一度視聴者に焼き付けたかったという思いもあったに違いない。

 怒りと感謝と愛情が入り混じった今回の竹山の『エンタの神様』。そんな竹山の言葉は、ネット上でも大いに賞賛されており、彼を支持するコメントが殺到している。何が何でも売れたいと願い、舞台上でウンコをしようとし、それを受け入れたテレビの懐の深さ。竹山の目には、今のテレビにはそれがないと映っているのだろう。だから彼は、テレビには夢がある、大きな力があると訴える。さまざまなメディアの登場でテレビの力が衰えているのは間違いないが、それでも竹山はテレビの力を信じ、これだけの売れっ子になりながら、体を張った芸を見せた。それは、彼が紛れもないテレビ芸人である証拠といえる。テレビ、視聴者、相方への感謝と愛情。今回の竹山のステージは、彼らしい、芸人らしい愛情表現に満ちていた。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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