なんだかんだでセックス好き!? 枕営業経験者たちの本音

※イメージ画像 photo by brad.gosse from flickr

 以前、職業別のセックス事情をご紹介した際に、営業職の男性から「今でこそなくなったが、バブル全盛期は取引先の女社長や女性社員の前で、ハダカ踊りや勃起したペニスでグラスを持ち上げる『ペニス芸』をやらされた」という情報がもたらされたhttps://www.menscyzo.com/2013/01/post_5247.html。しかしこれは、本人も語っているとおり、あくまでも「バブル絶頂期」の話。仕事上における性的いやがらせに対して社会の目が厳しくなった現代では考えられないだろう。

 しかし、「いやがらせ」としてではなく、双方合意のもとで、仕事上に性的行為を持ち込むケースも存在する。いわゆる「枕営業」と呼ばれるものだ。

 枕営業とは、寝具のセールスのことではない。仕事上の利益を得る目的でセックスをする営業スタンスのことだ。代表的なのが、なんといってもホスト。女性客の指名獲得を目的として、枕を交わすのは有名な話。ホストクラブの常連客だという20代のOLに話を聞いたところ、「最近は、初回からすぐに枕営業してくれるホストも増えてきた」とのこと。数年前までは、根気強く何度も指名を重ね、ようやく肉体関係に至るパターンのほうが多かったようだ。これは、一般男性の草食化が影響しているのかもしれない。据え膳食わぬ絶食系男子に痺れを切らした一般女性を惹きつけるには、焦らすよりもさっさとセックスに持ち込む肉食アピールのほうが効果的なのだろう。

 芸能界でも、枕営業の噂はとどまるところを知らない。かつて芸能界を目指していたという、いわゆる「売れないアイドルのタマゴ」のような女性たちが、業界の有力者やスポンサーと枕を重ねたとカミングアウトしている記事は、週刊誌等でしょっちゅう目にする。枕営業を強要されたとなると大問題に発展することもあるだろうが、自らの意志で股を開く者も少なくないと想定される。

 このように、枕営業と聞くとホストや芸能人のイメージばかりが先行するが、どうやら一般人の中にも枕営業の経験者は少なからず存在する。A子さん(既婚・関東在住)は、化粧品の営業をしている。化粧品なので、顧客はもちろん女性。今どき、1軒1軒訪問してのセールスなどほぼ成り立たず、自身の女友達や、さらにその知人女性などを紹介してもらう形で営業を続けてきた。しかし、それにも限界がある。そこで彼女が目を付けたのが、なんと知人男性。当然、彼らは化粧水だの乳液だの使わないが、月に1万円弱程度の出費でセックスが出来れば安いものである。その方法で、売り上げが激増…とまでいかなくても、何とか営業目標はクリアできている様子。A子さん自身は、「自分自身もセックスが好きなので苦痛には思わない」と、開き直っている。

 フリーランスにとっても、枕営業は身近なもののようだ。フリーのグラフィックデザイナーB子さん(未婚・都内在住)が、仕事の依頼を得るために重視しているのは「飲みニケーション」。酒を酌み交わして親睦を深めるやり方だ。酒の勢いでホテルに誘われることも多く、それに対して交換条件を提示すると、意外にも先方がきちんと覚えていてくれるという。B子さんは、「一宿一飯ならぬ、一宿一セックスの恩義をきちんと還元してくれるのはありがたい」という。もちろん当てが外れることもある。肉体関係を持ったがゆえに、なんとなく気まずい関係となり、仕事の依頼が来なくなることも。それでもB子さんは、決して「ヤリ逃げされた」とは思わないという。「自分自身もセックスが好きなので…」と、先述のA子さんと同じスタンスのようだ。

 筆者が驚かされたのは、キャバ嬢にも枕営業する者がいるという事実。筆者の認識では、キャバ嬢とは「いかにしてヤラずに男性客を通わせるか」が手腕とされている職種のはずだ。理由を訊ねてみると、「不景気で、枕営業でもしない限り指名を得られない!」と切羽詰った者もいれば、「コミュ障気味の男性客が増えたため、トークを売りにするよりも、セックスしたほうが手っ取り早い」と断言する者も。両者に共通するのは、「彼氏がいないので、欲求不満解消と実益を兼ねて」という点だった。前述のA子さん・B子さんと同様に、セックスは嫌いではないようだ。

 今回紹介した女性たちは皆、「仕事のため!」だけでなく、「セックス自体も好き」とのことなので、自己責任で楽しんでいると思えば、第三者がとやかく意見することもないだろう。 

 最後に、枕営業を受けたことがある男性の意見をご紹介させていただく。

「誰に依頼しても大差ない仕事なら、プラス@でセックスできればラッキーというスタンスで枕を交わすこともある。しかしこちらとて交換条件に応じられない際は、美女だろうとテクニシャン女性だろうとやんわり断ることにしている」(40代後半・都内勤務)

 当然といえば当然だが、「セックスすればどうにでもなる!」というわけではないのが実状のようだ。 
(文=菊池 美佳子)

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