二次元の影響大!? 「初めてのセックスで驚いたこと」

『処女と童貞の初めてのエッチ』はじめ企画

 コラムニストの深澤真紀が2006年に発言したことから広まり、09年には流行語大賞にもノミネートされた「草食男子」という言葉。説明するまでもないが、自己顕示欲に薄く恋愛やセックスには積極的ではない最近の若い男性を指す言葉だ。バブル崩壊後の経済停滞が、幼児期に深く影響し、その精神構造を形成したとも指摘されるが、今世紀に入ってからの二次元世界の繁栄が彼らの根幹に関わっていることは否定できない。

 すでに一般的になっている”リア充”という言葉が出てきたのが07年頃。そもそもこの言葉は、2ちゃんねるから発生したもので、現実の世界で充実した生活を送っている人を示す、ネットユーザー特有のいわば自虐的な言葉だった。それがいつしか一般化すると、今度は自虐的な意味から、自分たちを”非リア充”と呼び、現実社会に生きる人とは違うという意味合いも持ち始めた。

「現実の世界は毎日のように凄惨な事件が起きて、不況の出口はまだまだ見えません。彼(女)らにとってもはやリアルは二次元以下なんです。”リア充”という言葉の変遷には、二次元の世界の方がよっぽど居心地がいいというネットユーザーの気持ちが見て取れます」(Web関連誌ライター)

 では一体自分たちのことを”非リア充”と呼ぶネットユーザーたちと、いわゆる”リア充”な人々とはなにが一番明確に違うのだろうか。前出のライターは、「それが顕著に現われているのは異性との関係」だと語る。

「基本的に、ネット上で欲求を解消できるネットユーザーたちは自分たちの生活に満足しています。だから現実世界に異性を求めるということをしません。”わずらわしい交渉をしなければならないくらいなら二次元で十分”それが彼(女)らの本音でしょう。つまりそういった環境から草食系という言葉や存在が生まれたものだとも考えられます」(前同)

 特に顕著なのが若者たちのセックス観だと前出のライターは言う。セックスについての知識はもちろん、海外のサイトでモザイク処理のかかっていない性行為を簡単に見られる現在、若者のセックスに対する意識は10年前と比べものにならないほど飛躍している。頭でっかちになったネットユーザーたちのセックス観は一体どんなものだろうか。

 2ちゃんねるのスレッドには「初めてのセックスで驚いたこと」という掲示板があるが、そこでは興味深いコメントが多々見られる。

 まず目に付くのは、「気持ちよくない」という意見だ。いくつかコメントを紹介すると「想像より気持ちよくない」「挿入が痛かった」「こんなもんか」など、生身の人間を相手にするセックスへの失望が相次いでいる。それから「女が獣みたい」「女の子の胴が長い」「おっぱい舐めてもなんともない」など、二次元の世界とはまったくの別物であったリアルに対する意見が多く書き込まれていた。

 一方で女性の体についてのコメントでは「アソコが異様に臭い」「グロすぎ」「乳首でかすぎ」「栗の位置がわからん」など、初体験らしい新鮮な意見が見受けられた。さらに感動的とすら形容していいような、「相手のことを思っていれば最高」「感じるのは唯一キス」などという意見もあり、ネットユーザーたちの意外(?)な一面が浮き彫りになった。
 
 前出のネットライターは”非リア充”の人々は異性に対して非常に淡白だと語っていた。しかし、こういった類の掲示板を見る限り、誰もが、多少理想を膨らませていた気がするものの、正常なセックスへの憧れを抱いている。最後に、「人はいつまでキスに感動するのだろうか」そんなセンチなことを考えずにはいられない一つのコメントを紹介する。

「人間ってあたたかいって驚いた。
 幸せを感じると同時に相手の事がとてもいとおしく思った。」

(文=峯尾/http://mineomineo.vox.com/

 

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