結婚相談所に勤める元結婚詐欺師が語る 草食系男子がパートナーを見つける方法

*イメージ画像:『クヒオ大佐』(DVD)アミューズソフトエンタテインメント

 この度、思うところあって結婚相談所に登録した。そこでアドバイザーとなっていただいたM氏は、私のような恋愛に不得手な者にもわかりやすく、適切なアドバイスをしてくれた。しかし、若干際どいところもある、そのアドバイスと彼の雰囲気に、稀に違和感を覚えることがあった。その相談所に登録して数カ月、どうしても気になった私は仲良くなったM氏から、彼のプライベートを聞いて驚いた。

 なんと彼、かつて結婚詐欺の罪で2年4カ月刑務所にいたというのだ。

 興味を持った私は渋る彼を説き伏せて、元詐欺師という観点から、年収500万円以下の30代草食系男子が婚活で素敵なパートナーを見つける方法と題し、インタビューをさせてもらった。

──まず結婚詐欺師時代に気をつけていたことは何でしょうか?

「僕の場合は当たり前ですが、相手選びに特に時間をかけました。言葉は悪いのですが、カモにできそうな女性を探すのが一番骨が折れましたね」

──カモになりやすい女性の特徴というのはなんでしょう?

「理想が高く、見栄っ張り。具体的に言うとバブル期に20代を謳歌したような、今40代半ばの女性たちに非常に多いように見受けられます。詐欺師の間では『青田典子タイプ』と呼ばれていました」

──それはなぜですか?

「こういうタイプって夢見る乙女みたいな人が多いんです。俗に『シンデレラ願望』と呼ばれるものですね。若いころは顔が一番大事、年をとると顔よりも金と地位と、考えが浅く、分かりやすいステータスを求めてくるようになります。求めるものが明確な分、こちらも相手が求める男を演じやすい。そしてこのタイプ、結婚後は絶対働きたくない、男のいいなりになるもんか、という無駄に強い意志を持っています」

──それはこの不況下では厳しい相手ですね……。

「そうです。やはり今の時代、女性にも結婚後は働いて欲しいですよね。求めるべきは、自立しており、かつ家庭内で自分が楽することを優先しない相手。ですから、今、アラサーで年収500万円程度の男性は、私たち詐欺師が今まで狙ってきたタイプの女性を避けるべきなのです。つまり、逆に言えば、私がかつて避けていたようなタイプの女性こそ、今の世の草食系な男性に必要なパートナーなのではないでしょうか」

──それはどのようなタイプなのでしょうか?

「あまり女性を意識させないようなタイプですね。僕の経験から言うと、例えるなら一人で食事、遊びに行ける、といった一人で行動することを厭わない、ムーミンの『スナフキンタイプ』や、貯金があり、将来の見通しがたっているなど、非常時対応がしっかりしている、宇宙戦艦ヤマトの『真田志郎タイプ』、または、堂々と自分から告白出来る、仕事のことを楽しそうに語るなど男勝りな一面が見える、サラリーマン金太郎の『矢島金太郎タイプ』などですね。どれも今まで女性側が男性に求めてきたタイプですが、これが今は逆に、男性側が女性に求めるべきタイプへと移り変わってきたと思ってください。このような方々は、男を食い物ではなく、パートナーとして見てくれるタイプです」

──なるほど。では逆に草食系男子が避けるべき女性のタイプはどういった方々でしょうか?

「過去に恋愛でひどい裏切りにあったことや、家族からの虐待などをやたらアピールしてくる、新世紀エヴァンゲリオンの『碇シンジタイプ 』や、体調不良をすぐに訴え、構ってもらおうとする、ちびまるこちゃんの『藤木くんタイプ』、なにかと自慢が多く、ステータスを気にする、ドラえもんの『スネオタイプ』ですね。こういった人たちは、ほぼ確実に男に依存してきます」

──では、どのようにそのような女性を見極めればいいでしょうか?

「いくつかの会話、性格的特徴の分析から見極められると思います。『どういう家庭を築きたいか』という質問で、夫婦の生活を飛ばして真っ先に『子供』というキーワードが出る人。これは早く家庭に入りたいという焦りが垣間見えます。おそらく働く気はないでしょう。『大学や就職先など、どういう目的で選択したか』で、なにも考えず進学、就職してきた人は、とにかく先のことなど考えておらず、明日楽がしたいと考えている人でしょう。物事にとにかく『ハマりやすい人』や、『趣味がコロコロ変わる人』は影響を受けやすく、自分で決めることを苦手としているため依存傾向が高く、精神的に未熟で自立していないでしょう。こういった人は仲間内ではカモであるという通説でした。ただし、こういう質問、観察は上手に会話の流れに乗って聞いてください。女性は感情論で動く方がやはり多いので、『面接されてるみたい……』と思われると、『なんであなたに判断されないといけないの!?』となってしまいますのでご注意を」

──肝に銘じておきます。最後にひと言お願いします。

「男が黙って選ばれる時代は終わりました。これからは選び、選ばれる、調和の時代です。現在、結婚相談所の比率でも女性のほうが多くなってきています。これは資金や時間などの面で、結婚することでのデメリットに男性が気づき、ネットなどで周知されてしまったからでしょう。しかし、だからこそ、いま男性には結婚して欲しいんです。かつての『亭主関白』時代から『かかあ天下』時代を経て、ようやくバランスのとれた夫婦関係が築ける『調和夫婦』の世の中になってきました。団塊の世代が作り上げてきた、男が貶され、奴隷のように扱われる時代は終わったのです。お相手を選ぶ際には、『この人と一緒に仕事ができるか』とビジネスパートナーとして判断する面があってもいいかもしれません。まだお相手が居ないようならぜひ婚活して、人生における最適なパートナーを見つけてください。ただし、付き合っている中で5万円以上のお金を求めてくるような相手は結婚詐欺師の可能性が高いですのでご注意を……」

 『草食系男子』という言葉は決して男性を貶す言葉ではない。草食系動物は警戒心が高く、逃げ足が早いため、最小限のリスクで活動でき、個体数を伸ばしていった種なのだ。肉食動物は常に絶滅の危機に瀕している。これからは確実に草食系男子の時代が来るだろう。世の草食系男子諸兄には、誇りを持ち、警戒を怠ることなく、素晴らしいパートナーを手に入れて欲しい。
(文=甘尻兎式)

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鶴田真由、なんだか懐かしい


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